ヒビキとクロードの365日

あてきち

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9月

9月23日『二十四節気その12 第十六【秋分】(秋分の日)』

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クロード「割と本格的に朝と夜は寒くなってきましたね。とはいえコタツを出すにはまだ早いでしょうか」

 ヒビキ「この前ベッドで丸くなってたけど、今度はコタツで丸くなるつもり? クロードはもう少しワンコの自覚を持った方がいいと思うよ?」

クロード「ヒビキ様、ワンコじゃありません。私はオオカミです」

 ヒビキ「そんなことより今日の記念日だけど」

クロード「そんなことよりっ!? 割と気にしてほしいのですけど……とりあえず、今日は何の日なのですか?」

 ヒビキ「今日9月22日は二十四節気の『秋分』だよ」

クロード「『秋分』? ……そういえば、今日は同名の祝日だったような……」

 ヒビキ「今日は国民の休日『秋分の日』でもあるね。毎年9月22日か23日のどちらかが『秋分の日』になってる。二十四節気の『秋分』は暦便覧では『陰陽の中分となれば也』とされていて、要するに昼と夜の長さがほぼ等しい日って意味だね。まあ、実際には若干昼の方が長いんだけど」

クロード「似たようなので確か『春分』というのもありましたね」

 ヒビキ「およそ半年後、3月20日か21日にあたる『春分の日』だね。これも昼夜の時間が半々になる日だよ。『春分』を境に少しずつ昼の時間が長くなり、『秋分』を境に夜の時間が長くなっていくんだ」

クロード「これからどんどん日暮れの時間が前倒しになっていくわけですね。17時で既に真っ暗になった空を見ると、もう冬になるんだなぁとしみじみ感じます」

 ヒビキ「今日の東京の日の入り予定は17時38分くらいなんだってさ」

クロード「となると、昼夜が半々ですから……日の出は5:38ですか?」

 ヒビキ「翌日の9月24日の日の出は5時30分の予想だよ。ちなみに10月下旬くらいになるとクロードが言った通り日の入りが17時前になるね。12月にもなれば16時30分前後でもう日の入りだ」

クロード「改めて見てみると冬の日の入りは本当に早いです。これから冬になるのだと思うと少々物悲しくなりますね」

 ヒビキ「ある意味その感情も間違ってないと思うよ。祝日法によると『秋分の日』は『祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ。」趣旨の記念日らしいから」

クロード「『秋分の日』にそのような名目が?」

 ヒビキ「多分雑節の『彼岸』と絡めてるんだよ。春分・秋分を中日として前後各3日を合わせた各7日間(1年合計14日間)は仏事『彼岸会』を行う時期だからね」

クロード「ひがん? 何をする日なのですか?」

 ヒビキ「お盆みたいなものだよ。中日(秋分)に先祖に感謝し、悟りの境地に達する為に必要な六つの徳目『六波羅蜜』を一日一つずつ修める日といわれているね」

クロード「さ、さとり? ろくはら……?」

 ヒビキ「あー、うん。分かんないよね。『彼岸』というのは『川の向こう岸』って意味で、仏教的には生死の迷いを河や海に例えて向こう岸を悟りの境地と捉えているんだって。だから『彼岸会』の7日間のうち1日は先祖を敬い、残りの6日間は悟りの境地に達するために『布施』『持戒』『忍辱』『精進』『禅定』『般若』の六つの修行をするそうだよ」

クロード「??? えっと……? 今、何の話をしているんでしたっけ?」

 ヒビキ「……まあ、説明しておいてなんだけど、正直俺もよく分かんないや。興味のある人は検索検索♪でお願いします。まあ、細かいことは気にしないで今日はお彼岸だからぼた餅やおはぎでも食べてればいいってことだね! はい、食べて食べて」

クロード「一体いつ用意したのか存じませんが、分かりやすいので承知しました。いただきます、もぐもぐ、美味し美味し♪ それはそうと、これはぼた餅ですか、それともおはぎですか? どっちなのでしょう? もぐもぐ」

 ヒビキ「……その答えはきっと、悟りの境地……彼岸へ至る道程に……」

クロード「え? 私、そんな世界の真理的な質問しましたっけ?」



★★★★★
その他の記念日『海王星の日』
※1846年9月23日。
※ドイツの天文学者ヨハン・ゴットフリート・ガレが海王星を発見した。

クロード「えーと、確か惑星から外された星でしたっけ?」
 ヒビキ「それは元第9惑星、現準惑星の冥王星だね。海王星は第8惑星だよ」
クロード「青く美しい星です。海の神ネプチューンというくらいですから海でしょうか?」
 ヒビキ「あれはメタンガスだよ。海王星はガス惑星だからね」
クロード「……海の神もネプチューンと呼ばれてさぞかし驚いたことでしょうね」
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