189 / 388
9月
9月15日『大阪寿司の日』
しおりを挟む
配達員「こんちはー。出前でーす」
クロード「出前? 分かりました。今行きます!」
ヒビキ「クロード、今誰か来た?」
クロード「あ、ヒビキ様。先程出前が来たのですが、ご存じですか?」
ヒビキ「うん。今日のお昼ご飯に注文してたんだけど、俺が庭に出ている間に来ちゃったみたいだね。受け取ってくれてありがとう」
クロード「それは構いませんが、中身は何なのですか? 美味しそうな匂いです」
ヒビキ「今日はお寿司にしてみました」
クロード「ほぉ、お寿司ですか。以前、東京旅行で回るお寿司屋さんを見かけた時に美味しそうだと思っておりましたが、ようやく機会が巡ってきたのですね」
ヒビキ「あー、ちょっとクロードが思ってるのとは違うと思うよ」
クロード「違うとは、何がですか? ――おや、私の想像していた寿司とは見た目が異なるような……」
ヒビキ「クロードが言ってるのは『江戸前寿司』だよ。今日俺が用意したのは『大阪寿司』。今日9月15日は『大阪寿司』の日だからね」
クロード「えどまえ? おおさか? 何がどう違うのですか?」
ヒビキ「『江戸前寿司』というのは、クロードが東京で見たいわゆる『握り寿司』のことだけど、『大阪寿司』は木型を用いた箱寿司で、いわゆる『押し寿司』の一種だね。ばら寿司(五目寿司)や太巻き寿司を含める場合もあるけど」
クロード「寿司とはてっきりもっとふわっと握って作るものだと思っていましたが、随分ぎゅっと押し潰して作られているのですね。四角くカットされて箱の中にぎっしり敷き詰められています」
ヒビキ「押し固められている点を除けば、基本的な形状は握り寿司と一緒でしょ? 箱に詰めた押し寿司を切った形が、江戸前寿司の原型になっているそうだよ」
クロード「では早速いただいてみましょう。ぱくり……もぐもぐ……これは美味い」
ヒビキ「俺も。パクリ、もぐもぐ、うん、美味しい」
クロード「お米も身もきゅっと引き締められているせいか味が濃厚ですね。それに寿司のお米には酢を混ぜていると聞きましたが、思っていたよりも甘いです」
ヒビキ「それは大阪寿司の特徴のひとつだね。新鮮な獲れたての魚介を楽しむ握り寿司とは違って、大阪寿司は元々保存に主体を置いて作られる食べ物だったから、保存のために握り寿司よりも砂糖を多く使っているんだ」
クロード「保存ということは、生魚は使っていないのですか?」
ヒビキ「そうだね。だから生魚が苦手な人には大阪寿司の方が向いてるかもしれない。今日が『大阪寿司の日』なのも、9月15日が昔は『敬老の日』だったからって理由なんだ。ご年配の人にも安心して食べてもらえるようにっていうPRだね」
クロード「そういう由来だったのですか。しかし、昔ならともかく今のヒビキ様の故郷の衛生管理状態ならあまり気にする必要はないと思いますけどね。もぐもぐ」
ヒビキ「そうだけど、別にいいじゃない。しょうがないんだよ、『大阪寿司』に合ういい語呂合わせがなかったんだから。仕方ない仕方ない。もぐもぐ」
クロード「確かに思いつきませんけど……記念日を作るのも何かと大変なのですね」
★★★★★
その他の記念日『ひじきの日』
※以前は9月15日が『敬老の日』だったことから。
※日本ひじき協会が制定。
※昔からひじきを食べると長生きするという話から『敬老の日』にちなんで。
ヒビキ「さーて、次回の『クロードさん』は?」
クロード「突然どうしたのですか、ヒビキ様?」
ヒビキ「いや、今日は日曜日だし1回くらいはやっておこうかなって」
クロード「脈絡が無さ過ぎますし、タイトル的には『ヒビキさん』だと思いますよ」
ヒビキ「ヒビキです。そろそろ朝は肌寒くなってきましたね。この前クロードの寝室に忍び込んだら、猫でもないのに布団の中で丸くなっていました。画像は今度SNSにアップしますね。さて次回は『敬老の日』の一本です」
クロード「次回もまた見てくださいね。じゃん――て、するか!」
ヒビキ「いや、随分やるとこまでやったと思うけど」
クロード「というか、さっきの話は本当なんですか!? いつ私の寝室に忍び込んだんです!?」
ヒビキ「大丈夫……画像はちゃんと未成年は見れないように設定しておくから」
クロード「何を撮ったんですかああああああああああ!?」
クロード「出前? 分かりました。今行きます!」
ヒビキ「クロード、今誰か来た?」
クロード「あ、ヒビキ様。先程出前が来たのですが、ご存じですか?」
ヒビキ「うん。今日のお昼ご飯に注文してたんだけど、俺が庭に出ている間に来ちゃったみたいだね。受け取ってくれてありがとう」
クロード「それは構いませんが、中身は何なのですか? 美味しそうな匂いです」
ヒビキ「今日はお寿司にしてみました」
クロード「ほぉ、お寿司ですか。以前、東京旅行で回るお寿司屋さんを見かけた時に美味しそうだと思っておりましたが、ようやく機会が巡ってきたのですね」
ヒビキ「あー、ちょっとクロードが思ってるのとは違うと思うよ」
クロード「違うとは、何がですか? ――おや、私の想像していた寿司とは見た目が異なるような……」
ヒビキ「クロードが言ってるのは『江戸前寿司』だよ。今日俺が用意したのは『大阪寿司』。今日9月15日は『大阪寿司』の日だからね」
クロード「えどまえ? おおさか? 何がどう違うのですか?」
ヒビキ「『江戸前寿司』というのは、クロードが東京で見たいわゆる『握り寿司』のことだけど、『大阪寿司』は木型を用いた箱寿司で、いわゆる『押し寿司』の一種だね。ばら寿司(五目寿司)や太巻き寿司を含める場合もあるけど」
クロード「寿司とはてっきりもっとふわっと握って作るものだと思っていましたが、随分ぎゅっと押し潰して作られているのですね。四角くカットされて箱の中にぎっしり敷き詰められています」
ヒビキ「押し固められている点を除けば、基本的な形状は握り寿司と一緒でしょ? 箱に詰めた押し寿司を切った形が、江戸前寿司の原型になっているそうだよ」
クロード「では早速いただいてみましょう。ぱくり……もぐもぐ……これは美味い」
ヒビキ「俺も。パクリ、もぐもぐ、うん、美味しい」
クロード「お米も身もきゅっと引き締められているせいか味が濃厚ですね。それに寿司のお米には酢を混ぜていると聞きましたが、思っていたよりも甘いです」
ヒビキ「それは大阪寿司の特徴のひとつだね。新鮮な獲れたての魚介を楽しむ握り寿司とは違って、大阪寿司は元々保存に主体を置いて作られる食べ物だったから、保存のために握り寿司よりも砂糖を多く使っているんだ」
クロード「保存ということは、生魚は使っていないのですか?」
ヒビキ「そうだね。だから生魚が苦手な人には大阪寿司の方が向いてるかもしれない。今日が『大阪寿司の日』なのも、9月15日が昔は『敬老の日』だったからって理由なんだ。ご年配の人にも安心して食べてもらえるようにっていうPRだね」
クロード「そういう由来だったのですか。しかし、昔ならともかく今のヒビキ様の故郷の衛生管理状態ならあまり気にする必要はないと思いますけどね。もぐもぐ」
ヒビキ「そうだけど、別にいいじゃない。しょうがないんだよ、『大阪寿司』に合ういい語呂合わせがなかったんだから。仕方ない仕方ない。もぐもぐ」
クロード「確かに思いつきませんけど……記念日を作るのも何かと大変なのですね」
★★★★★
その他の記念日『ひじきの日』
※以前は9月15日が『敬老の日』だったことから。
※日本ひじき協会が制定。
※昔からひじきを食べると長生きするという話から『敬老の日』にちなんで。
ヒビキ「さーて、次回の『クロードさん』は?」
クロード「突然どうしたのですか、ヒビキ様?」
ヒビキ「いや、今日は日曜日だし1回くらいはやっておこうかなって」
クロード「脈絡が無さ過ぎますし、タイトル的には『ヒビキさん』だと思いますよ」
ヒビキ「ヒビキです。そろそろ朝は肌寒くなってきましたね。この前クロードの寝室に忍び込んだら、猫でもないのに布団の中で丸くなっていました。画像は今度SNSにアップしますね。さて次回は『敬老の日』の一本です」
クロード「次回もまた見てくださいね。じゃん――て、するか!」
ヒビキ「いや、随分やるとこまでやったと思うけど」
クロード「というか、さっきの話は本当なんですか!? いつ私の寝室に忍び込んだんです!?」
ヒビキ「大丈夫……画像はちゃんと未成年は見れないように設定しておくから」
クロード「何を撮ったんですかああああああああああ!?」
0
お気に入りに追加
121
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。
ご都合主義のハッピーエンドのSSです。
でも周りは全くハッピーじゃないです。
小説家になろう様でも投稿しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/essay.png?id=5ada788558fa89228aea)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
人生を共にしてほしい、そう言った最愛の人は不倫をしました。
松茸
恋愛
どうか僕と人生を共にしてほしい。
そう言われてのぼせ上った私は、侯爵令息の彼との結婚に踏み切る。
しかし結婚して一年、彼は私を愛さず、別の女性と不倫をした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる