ヒビキとクロードの365日

あてきち

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9月

9月7日『絶滅危惧種の日』(オーストラリア)

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 ヒビキ「はい、というわけで久しぶりにお勉強の日です」

クロード「いうほど久しぶりでもないのですが、白衣がお似合いですよ、ヒビキ様」

 ヒビキ「えへへ、やっぱり?」

クロード「何がやっぱりなのかよく分かりませんが、今日のテーマは何ですか?」

 ヒビキ「おっほん。今日注目するのは悲しくもこの地球から姿を消してしまった動物『フクロオオカミ』。今日9月7日は『絶滅危惧種の日』だからね。ちなみにこれはオーストラリアの記念日だよ」

クロード「おや、外国の記念日とは珍しい」

 ヒビキ「決して日本にめぼしい記念日がなかったからではございません」

クロード「いやもう言葉の通りですよね?」

 ヒビキ「そんなことはどうでもいいのです! 実際、動物の絶滅というのはなかなか大きな問題だからね。しっかりここで勉強していくよ」

クロード「それも間違いではありませんし、話を合わせることにしましょう。確か『フクロオオカミ』でしたか」
 ヒビキ「フクロオオカミはオーストラリアのタスマニア島に生息していた、ほ乳類・フクロネコ目の大型肉食獣だよ。1936年に絶滅してしまったんだ」

クロード「オオカミなのにネコですって?」

 ヒビキ「注目するのはそこじゃないんだけど。ネコ目っていうのは、脊椎動物亜門 ほ乳鋼に属する動物の分類群だよ。別名食肉目とか食肉類と呼ばれていて、ネコ科やイヌ科とはまた違った分類になるね。フクロネコ目というのもそういった分類の一種で、フクロオオカミを詳しく分類すると、フクロネコ目フクロオオカミ科フクロオオカミ属フクロオオカミ種ということになる……て、この話はここまで!」

クロード「よく分かりました。それで、なぜ絶滅してしまったのですか?」

 ヒビキ「色々と経緯はあるんだけど、やっぱり一番は人類の進出だね。まず、3万年前に人類がオーストラリア大陸に入ってきたことで生存競争に敗れ、彼らの生息域はタスマニア島に限定されてしまった。そして大航海時代が訪れ、ヨーロッパからの入植者が住み着くようになるとフクロオオカミが彼らの羊を襲うようになり、対策として徹底的に狩り尽くされてしまったんだ」

クロード「……確かヒビキ様の故郷でもオオカミは絶滅の憂き目にあっていましたね。ここといいそこといい、おのれヒト種め。どこまで我らを虐げれば気が済むのだ。許すまじヒト種。この恨み、晴らさでおくべきか」

 ヒビキ「オーストラリアではそれを重く受け止め、フクロオオカミの最後の個体『ベンジャミン』が死亡した1936年の今日を『絶滅危惧種の日』としたんだ」

クロード「生き物の盛衰は世の理とはいえ、できれば絶滅などという事態に陥らない世の中になってほしいところです」

 ヒビキ「オーストラリアだけじゃなくて、日本も含めて世界中で気を付けていかないといけないね」



★★★★★
その他の記念日『クリーナーの日』
※メガネクリーナーやクロスの会社・株式会社パールが制定。
※『メガネをきれいにして美しい視生活を』と制定。
※『クリーナー』=『クリー9ナー7』の語呂合わせ。

クロード「えっと、もしかしてこれしか……」
 ヒビキ「見つからなかったんだ」
クロード「……頑張りましたね、ヒビキ様」
 ヒビキ「パールさんには悪いんだけど、俺、頑張ったんだ」
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