ヒビキとクロードの365日

あてきち

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8月

8月14日『専売特許の日』

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 ヒビキ「本日8月14日は、日本で最初に『特許』が付与された日にちなんで『専売特許の日』でーす!」

クロード「今日はお勉強の日でしょうか?」

 ヒビキ「まあ、そんなとこ。日本で初めて特許が付与されたのは1885年(明治18年)の8月14日。彫刻家兼発明家である堀田瑞松さんの『堀田錆止塗料及ビ其塗法(錆止め塗料とその塗り方)』が第一号の特許なんだって」

クロード「確か『特許』というのは、発明者に発明品を独占的に使用することを認める権利でしたか」

 ヒビキ「細かいところはともかく、大体そんな感じだよ。発明を世間に公開する代償として、一定期間、その発明を独占的に使用しうる権利『特許権』を国が付与してくれるんだ。この権利を利用して発明で儲けまくった人もいたりするね」

クロード「まあ、苦労して完成した発明を世間に公表するのですから儲けのひとつもなければ発明をする甲斐がないというものですしね」

 ヒビキ「まさにその通りで、特許法の目的は『産業の発達』にあるんだ。発明の保護と利用を制度として定めることで、多大な労力を費やしてようやく完成した発明が勝手に模倣されたりするリスクを抑えてくれているんだよ。作った端から真似されたり技術を奪われたりしていたら、発明の意欲なんてなくなっちゃうからね」

クロード「確かに。せっかく開発したところで利益にならないのであれば、作る気も失せるというものです」

 ヒビキ「産業の発展に技術開発は必要不可欠だから、現代日本の経済を支えるという意味でも『特許』はなくてはならないものなんだよ」

クロード「ふむ。私の世界ではまだ未発達な考え方です。いずれそいう意識が広まっていくといいですね。それで、今日は何か特許関係のイベントなどはあるのですか? 何せ今日は記念すべき特許第一号が付与された日なのですから、少なくとも何かしらの啓発活動などはあるのですよね?」

 ヒビキ「あー……ないよ」

クロード「ないのですか? これだけ特許の重要性を説いておきながら……?」

 ヒビキ「えーと、基本的に日本ではそういう特許とか発明関係の記念日は全部4月18日の『発明の日』に集約されているんだよね。特許庁による記念行事なんかもその日でやるから、今日は特に何もないんだよ」

クロード「では、なぜ今日はこの記念日を紹介されたのですか? 特に何もないのであれば、ほかの記念日でもよかったでしょうに」

 ヒビキ「だって、ほかに特に何もなかったから……」

クロード「あー……だから今日はいつも以上に唐突は始まり方だったんですね」

 ヒビキ「ギブミー、アニバーサリー!!! ネタをくださーい!」

クロード「……365日まであと229日。いつか本当に記念日ゼロの日が来ないか心配ですね」



★★★★★
その他の記念日『ハッピーサマーバレンタインデー』
※とある漫画の中で作られた架空の記念日。詳しくは検索検索♪
※2月14日のバレンタインデーのお返しをする日として制定されたらしい……。


クロード「まさか架空の記念日を紹介することになるとは」
 ヒビキ「8月14日なら語呂合わせで『歯医者の日』とかあってもいいのにねぇ」
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