ヒビキとクロードの365日

あてきち

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7月

7月14日『しんぶん配達の日』『ひまわりの日』

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クロード「ふわぁ、まだ眠いですね……」

※いつもより早く目が覚めてしまったクロード。

※玄関から朝刊を回収するとリビングでコーヒーを飲みながら新聞を読み始めた。

 ヒビキ「クロードのバカ!」

※スパコーン!!!

クロード「いたっ!? ヒ、ヒビキ様!? 丸めた昨日の新聞で叩くとは何事ですか!?」

 ヒビキ「何当たり前のように優雅に新聞読んでるのさ! 今日7月14日は『しんぶん配達の日』だっていうのに! 感謝が足りないよ、感謝が!」

クロード「し、しんぶん配達の日? 新聞は毎日配達されるものですが……」

 ヒビキ「バカらっしゃい!」

※スパコーン!!!

クロード「いっった!? 新聞にしては痛いと思ったら中に棒を仕込んでいますね!? というか、私の何がバカだというのですか?」

 ヒビキ「『しんぶん配達の日』は、毎日様々なニュースを届けてくれる新聞の戸別配達制度と、その制度を支えてく新聞配達所の所長や従業員にスポットライトを当てたいという思いから、公益社団法人日本新聞販売協会が制定した記念日なんだ。彼ら頑張ってくれているからこそ俺達は毎日最新の情報を手に入れられるというのに、クロードときたらその恩恵をさも当たり前のように甘受して」

クロード「言われてみれば確かにそうですが、何もそこまで言わなくても……」

 ヒビキ「黙らっしゃい!」

※スパ……じゃなくて、スカッ!

クロード「さすがにもう不意打ちはくらいませんよ」

 ヒビキ「避けるなんて、やっぱり新聞への感謝の心が足りない……」

クロード「ヒビキ様、本当にどうしたのですか? その新聞棒で叩かれることと感謝の心にはこれっぽっちも関連性はありませんよ? それはそうと、どうして今日が『しんぶん配達の日』なのですか?」

 ヒビキ「むむ、露骨な話題転換……今日7月14日は、1977年の今日、日本初の気象衛星『ひまわり』が打ち上げられた記念日、『ひまわりの日』でもあるんだ。気象衛星が地球を回って情報を齎すことと、新聞配達が戸別に回って知識や情報を提供するという共通のイメージから、今日を『しんぶん配達の日』にしたらしいよ」

クロード「確かに、新聞配達は早朝から雨が降ろうと雪が降ろうと必ず提示に配達をしますし、気象とも関係がある……と、考えることもできるようなできないような」

 ヒビキ「クロード……まだ感謝の心が足りないようだね!」

クロード「ぐおおおっ!? 今日のヒビキ様はホントにどうしちゃったんですか!? よく見たら目の下にクマができてますよ! 徹夜でもしたのですか!?」

 ヒビキ「その通り! 今日は新聞配達員さんに感謝を述べようと思って昨夜から一睡もしていなかったんだ」

クロード「まさか家の前にずっといたのですか? ですが新聞は私が……」

 ヒビキ「配達が来る直前で眠っちゃったんだよ! そのうえ新聞はクロードが持ってちゃうし! こんな理不尽許せない!」

クロード「完全に八つ当たりですね!」

 ヒビキ「許すまじ! とりゃあああああああ……あぁぁぁ……」

クロード「ひいいいっ!? ……ん? ヒビキ様?」

 ヒビキ「ZZZZZZ……」

クロード「…………寝ちゃった……えーと……とりあえず、新聞を読みましょう」



★★★★★
その他の記念日『求人広告の日』
※1872年。東京日日新聞に、日本初の求人広告が掲載された。

 ヒビキ「ZZZZ……」
クロード「何何……『急募 新聞配達員』ですか……新聞の求人広告で新聞の配達員を募集しなければならないとは、なんとも世知辛いですねぇ」
 ヒビキ「ZZZZ……」
クロード「……気持ちよさそうに眠ってますね」
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