ヒビキとクロードの365日

あてきち

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7月

7月6日『サラダ記念日』

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クロード「ふぅ、今日も一日よく働いた……家庭菜園だが」

 ユーリ「クロードさん、夕食ができましたよ」

クロード「おや、ユーリではないか。どうしてここに?」

 ヒビキ「今日は俺がちょっと忙しかったからお願いして来てもらったんだ」

クロード「そうだったのですか? 仰っていただければ手伝いましたのに」

 ユーリ「なぜか料理系の学習能力だけは皆無なんですね、クロードさん……」

 ヒビキ「分かってくれるかい、ユーリ」

クロード「??? 何の話ですか?」

 ヒビキ「何でもないよ。とにかく温かいうちに夕食をいただこう」

  三人「「「いただきます」」」

 ユーリ「今日の夕食はパンとブイヨンスープに、クロードさんの家庭菜園サラダとメインに豚ヒレ肉のコンフィを作ってみました」

 ヒビキ「では早速コンフィを……もぐもぐ……しっとりして美味しい♪」

 ユーリ「よかった。あの、クロードさんはどうですか?」

クロード「うむ。どれも美味そうだ。では早速、私特製家庭菜園のサラダから。そしてドレッシングは現在マイブーム中のシーザーサラダドレッシングでいただきます」

 ユーリ「あ、サラダからなんですね……いえ、間違ってはいないんですけど……」

クロード「もぐもぐ……うーん、さすがは私の野菜達。新鮮で瑞々しく、歯ごたえも素晴らしい。シーザーサラダドレッシングとの相性も最高だ」

 ユーリ「えっと、美味しいですか、クロードさん?」

クロード「ああ、美味い。いい味が出ている、むしろこの味がいい」

 ヒビキ「はい、『この味がいい』いただきました!」

クロード「??? 何の話ですか、ヒビキ様?」

 ヒビキ「『この味がいいね』と君がいったから七月六日はサラダ記念日!」

クロード「??? 本当に何の話でしょうか?」

 ヒビキ「本日7月6日は『サラダ記念日』。現代口語短歌の歌人・俵万智さんが詠んだ短歌のひとつだね。これを表題とした歌集『サラダ記念日』は出版されるや280万部のベストセラーにもなって、この歌は彼女の代名詞ともいえる作品なんだ」

クロード「歌の内容がそのまま記念日になったのですか? それは凄い。きっとその方も私のように、取れたて新鮮野菜で作った素敵サラダと出会ったのでしょう」

 ユーリ「クロードさん、もう少し行間を読んでください!」

 ヒビキ「無理だよユーリ。本編はともかくこっちのクロードは家庭菜園ジャンキーだもの。何のために俺が無理やり言質を取ったと思ってるのさ?」

クロード「??? 今日は何の話かさっぱり分かりませんね。もぐもぐ……美味し」



★★★★★
その他の記念日『ピアノの日』
※1823年7月6日。
※シーボルトが初めて日本にピアノを持ち込んだ。

 ヒビキ「というわけで食後は音楽鑑賞! クロード、お願い」
クロード「いえ、楽器など生まれてこの方演奏したことがありませんので……」
 ヒビキ「そうなの? んじゃユーリ、お願い!」
 ユーリ「あの、村育ち(しかもちょっと八分気味)の私も経験がなくて……」
クロード「ヒビキ様は弾けないのですか? 向こうでは一般人も弾けるとか」
 ヒビキ「いや、俺はピアノのレッスンなんて受けたことないから無理だよ……」
  三人「「「……」」」
※ピアノは一切奏でられることなく返品された……。
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