ヒビキとクロードの365日

あてきち

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7月

7月4日『シーザーサラダの日』

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 ヒビキ「クロード、お昼ご飯ができたよー」

クロード「おや、もうそんな時間ですか。今日の昼食はなんでしょう?」

 ヒビキ「サバの塩焼き定食サラダ付きだよ」

クロード「美味しそうです。特に私の家庭菜園の野菜のなんと瑞々しいことか」

 ヒビキ「自画自賛はいいから食べよう。いただきます」

クロード「いただきます。さて、早速私のサラダにドレッシングをかけましょう。えーと、いつもの焙煎ごまドレッシングは……おや?」

 ヒビキ「もぐもぐ。どうかした?」

クロード「ヒビキ様。ドレッシングが見当たりません」

 ヒビキ「あるでしょ。はい」

クロード「何ですかこの白いドレッシングは? 瓶の中に黒い粒が混じっているようですが……」

 ヒビキ「黒い粒って、コショウのこと? 7月4日は『シーザーサラダの日』だから、今日のドレッシングはこれを使ってね」

クロード「そんな! 私は焙煎ごまドレッシングと出会って以来、全てのサラダには焙煎ごまドレッシングと決めているんです! 今さら浮気などできません!」

 ヒビキ「何その価値観。とりあえず俺のサラダを一口食べてみなよ。あーん」

クロード「あーん♪ ……しまった、謀られた! くっ、もぐもぐ、もぐもぐ……」

 ヒビキ「感想は?」

クロード「……口いっぱいに広がるこの爽やかな酸味、野菜を噛み締めるたびに鼻腔を刺激するコショウの辛味……こ、こんなに美味しいドレッシングを知らずに私は焙煎ごまドレッシングに現を抜かしていたなんて!」

 ヒビキ「焙煎ごまドレッシングも美味しいけど、これもいい感じでしょ?」

クロード「はい。甘くて濃厚な焙煎ごまドレッシングもよいですが、夏にはこの刺激的な味がぴったりです。今日が『シーザーサラダの日』というのも頷けます」

 ヒビキ「メキシコの町・ティフアナのレストラン『シーザーズ・プレイス』のオーナー兼料理人のシーザー・カルディーニさんが1924年の7月4日にシーザーサラダを生み出したことが記念日の由来だね」

クロード「作成者の名前からこの名がついたのですね。もぐもぐ」

 ヒビキ「あり合わせの材料を使って即興で作ったサラダが大当たりしたらしいよ」

クロード「確かにこの美味さなら人気が出て当然です。もぐもぐ」

 ヒビキ「ま、今日は記念日に則ってシーザーサラダを楽しんでね」

クロード「はい。今日から全てのサラダはシーザーサラダドレッシング一択です!」

 ヒビキ「極端だなぁ……明日は和風ドレッシングとか出したらどうなるんだろ?」



★★★★★
その他の記念日『独立記念日(アメリカ)』
※1776年7月4日。アメリカ独立宣言が交付された。

クロード「えーと、確か異星人の襲撃から独立したんでしたっけ?」
 ヒビキ「That's right!」
クロード「……ヒビキ様。ちゃんとツッコんでください」
 ヒビキ「だってそのネタベタ過ぎるんだもん」
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