ヒビキとクロードの365日

あてきち

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6月

6月28日『パフェの日』

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クロード「ヒビキ様、家庭菜園でイチゴが取れました」

 ヒビキ「へぇ、甘くて美味しそう」

クロード「お昼のデザートにぴったりかと。練乳はあっただろうか」

 ヒビキ「練乳いちごもいいけど、せっかくだから『パフェ』でも作ろうか。なんたって今日6月28日は『パフェの日』だからね」

※二人はキッチンへ向かった。

 ヒビキ「というわけでパティシエ風衣装に着替えた俺達です」

クロード「ところで『ぱふぇ』とはどんなデザートなのですか?」

 ヒビキ「うーん。口で説明するのは難しいから作ってみるよ」

クロード「では私も何か手伝います」

 ヒビキ「あはは。冗談はその恰好だけにしてよ。料理レベル0の勇者様」

クロード「だ、だだ、だ、大丈夫です! 火は使わないのでしょう? いけます!」

 ヒビキ「それならレシピを渡すから作ってみたら?」

クロード「お任せください! えーと、まずはいちごをスライスして……」

※調理中

クロード「そういえばヒビキ様。なぜ今日が『パフェの日』なのですか?」

 ヒビキ「パフェの由来は『完全な』を意味するフランス語の『parfait』なんだ。だから、プロ野球で初めて『パーフェクトゲーム』が達成された1950年6月28日にちなんで制定されたらしいよ。凄いこじつけだよね」

※調理中

クロード「パフェはフランス由来の菓子なのですね。しかし、似たようなものをどこかで見たことがあるような……」

 ヒビキ「アメリカ産のデザート『サンデー』のこと? 日曜日の安息日にパフェは豪華すぎるって理由で簡素化したサンデーが作られたなんて説があるらしいよ」

※調理中

 ヒビキ「普通のいちごパフェ、完成! クロードはでき……っ……た?」

クロード「か、完成しました……その、えっと……パフェです……」




※純黒に輝くゼラチン質のが、パフェグラスの中でプルンプルンと揺れていた。




【技能スキル『鑑定』を行使します】

【 名 前 】未確認デザートX
【 備 考 】パフェになるはずだった謎の物体。食べると何かが起こりそう……?
       材料は全てヒビキと同じもののみを使用。推定危険ランクA。
       匂いだけはパフェの香りだが、味については未知数……ダメ、絶対。



 ヒビキ「火魔法『ファイヤアアアアアアアアアアアアアアアアア』!」

クロード「うわあああああ! 私の『ぱふぇ』がああああああ!」

 ヒビキ「何をどうしたらああなるのか本気で教えてほしいんですけど!?」

クロード「私の『ぱふぇ』がああああああああああ!」



★★★★★
その他の記念日『貿易記念日』
※1859年5月28日。米英仏露豪の5ヶ国との間に自由貿易開始が布告された。
※日付を太陽暦に換算した6月28日が、記念日として制定された。

クロード「ううう……私の力作、ヒビキ様に食べていただきたかったのに」
 ヒビキ「……クロードが謀反を企てていたなんて知らなかったよ、俺」
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