ヒビキとクロードの365日

あてきち

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6月

6月2日『横浜カレーの日』

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 ヒビキ「クロード、夕飯だよー」

クロード「ありがとうございます。ヒビキ様の手料理がいただけて幸せです♪」

 ヒビキ「といっても、ただのカレーなんだけどね」

クロード「食べるのは書籍第2巻以来ですね。スパイシーで、あれはなかなか美味でした。それで? 今日、カレーを出したのにも理由があるのですよね?」

 ヒビキ「もちろん! なんたって本日6月2日は『横浜カレーの日』だからね!」

クロード「??? 『横浜カレー』という種類のカレーがあるのですか?」

 ヒビキ「??? ないけど?」

クロード「??? では、どの辺が『横浜カレー』なのでしょうか?」

 ヒビキ「この記念日を制定したのは今は亡き『横浜カレーミュージアム』だよ。2001年1月26日から2007年3月31日まで営業していた、カレーのフードパークさ」

クロード「カレーのフードパーク……どんなものだったのでしょう?」

 ヒビキ「全国の個性的なカレー店を一堂に集結させたもので、飲食店の他にも、カレー関連の展示物があったり、触れると音が鳴る・震えるギミックが隠されていいたりと、アトラクションにも凝っていたらしい」

クロード「そのようにカレーを大々的にアピールする場所だったのですね。記念日を制定した由来は分かりました……が、それが今日であることには何か理由が?」

 ヒビキ「今日は『横浜港開港記念日』でもあるんだ。1859年6月2日。日米修好通商条約によって横浜港(と長崎港)が開港されたんだよ。その時に外国からカレーも入って来たという理由から、この記念日が制定されたらしいね」

クロード「……ヒビキ様。今、カレーについて調べてみたのですが、カレーを日本へ伝えたのはイギリス(英国)となっております。日米修好通商条約とはヒビキ様の故郷とアメリカなる国が交わした条約では? 本当にカレーが伝来したのですか?」

 ヒビキ「さあ?」

クロード「さあって」

 ヒビキ「日本で初めてカレーの名が紹介された書物は、福沢諭吉の『増訂華英通語』で、それ以前に具体的にどうやってカレーが伝わったのかまでははっきりしてないから、そこはもう、言ったもん勝ちってやつじゃない?」

クロード「随分アバウトですね」

 ヒビキ「まあ、公式な記念日ってわけじゃないんだし、別にいいんじゃない?」

クロード「それはそうと、カレーのテーマパークとは、今さらながらちょっと行ってみたかったです。ミュージアムなき今、跡地はどうなっているのでしょうか」

 ヒビキ「パチスロ」

クロード「ぱち、すろ……?」

 ヒビキ「ミュージアムを運営していたのは株式会社マタハリーで、元々パチンコとかゲームセンターを運営する会社なんだよ。ミュージアムを建てたのも、パチスロ店を開店するにあたって、地元の反発を緩和する目的だったんじゃないかとも囁かれているくらいだから。んで、今は丸っとパチスロ店に早変わり」

クロード「えっと……美味しいです、ヒビキ様のカレー」



★★★★★
その他の記念日『おむつの日』
※『おむつ=お0む6つ2』
※紙おむつ『GOO.Nグーン』のエリエール大王製紙株式会社が制定。

 ヒビキ「じゃじゃーん! しっぽ用穴あきおむつを開発しました♪」
クロード「……」
 ヒビキ「というわけでクロード。早速試して……あれ? クロード?」

※クロードは逃げ出した。なぜならヒビキがカメラを持っていたから。
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