ヒビキとクロードの365日

あてきち

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5月

5月19日『ボクシングの日』

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 ヒビキ「シュッ、シュッ! シュッ、シュッ!」

クロード「ヒビキ様、何をなさっているのですか?」

 ヒビキ「シュッ、シュッ! 見て分からない?」

クロード「私の主観では、大変ゆっくり無駄のある動きで、何かにぶつけたら逆に怪我をしそうな感じで何度も拳を突き出していますね」

 ヒビキ「戦闘の本職からのダメ出しが酷過ぎる! ジャブだよ、ジャブ! 今日5月19日は『ボクシングの日』だからね!」

クロード「ぱそこんでぴぽぱぽ……ああ、拳闘の一種ですね」

 ヒビキ「1952年のこの日、白井義男っていう挑戦者が、世界フライ級チャンピオンのダド・マリノに判定勝ちし、日本初のボクシング世界タイトル保持者が誕生したことから、日本プロボクシング協会が2010年に制定した記念日だよ」

クロード「世界チャンピオンとは凄い。ところでフライ級とは何なのでしょうか?」

 ヒビキ「ボクシングの階級のひとつだね。ボクシングはスポーツだから、公平性を保つために選手同士の体重を揃えているんだよ」

クロード「戦いではなく、試合だからこその制度というわけですね」

 ヒビキ「フライ級は112ポンド(50.802kg)以下。計量時に体重がこれより重いと試合に出ることが許されない。だからボクサーは試合のたびに綿密なスケジュールによる減量を強いられるんだ。殴り合うだけじゃない、過酷なスポーツだよね」

クロード「ちょっとよく分からないのですが、なぜわざわざ減量をするのですか? 自分の現在の体重に合わせた階級を選べばよいような気がするのですが」

 ヒビキ「減量をすればそれだけ軽い階級の試合に挑むことができる。それは、自分よりも小柄な相手と戦うことができるということさ。戦闘において体格差は勝利を決める大事な要素のひとつ。つまり、ボクサーにとって減量とは、試合に出るために強いられる苦行ではなく、勝利を手にするための大切なプロセスなんだよ」

クロード「凄まじい勝利への執念を感じますね」

 ヒビキ「クロードも興味が湧いてきた?」

クロード「そうですね。私が参加する場合、階級は何になるのでしょう?」

 ヒビキ「その体格だからクロードって体重100kg以上あるよね? だったら最重量のヘビー級かな? その下のクルーザー級なら90.719kg以下でないとダメだよ?」

クロード「何を隠そう、私の公式設定は身長219cm、体重100kgです」

 ヒビキ「その身長で100kgって結構軽くない? 毛皮に騙された」

クロード「ちなみに体脂肪率は8%です」※誇らしげに自分の腹を撫でるクロード。

 ヒビキ「何そのドヤ顔。くらえ必殺『クロードなんて大嫌い!』パンチ」

クロード「ぐはあああっ! は、鋼の腹筋でもこれには……耐えきれごぼふっ!」



★★★★★
その他の記念日『世界肝炎デー』
※2007年。世界肝炎同盟が制定。
※2010年。世界保健機関(WHO)が認定し、世界啓発の日の1つに。

クロード「世界で約5億人、世界中の12人に1人が肝炎を発症して……げぼふぅ!」
 ヒビキ「クロード!? 大丈夫!? まさか君も肝炎に!?」
クロード「い、いえ。先程のダメージがいまだに残って……がはぎべぶぅ!」
 ヒビキ「クロードオオオオオオオオ!?」
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