ヒビキとクロードの365日

あてきち

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5月

5月12日『母の日』

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※クロード君5歳が唐突にあらわれた。クロードは呆気にとられて何もできない。

 小クロード「あなすたしあ! これ、あげる!」

アナスタシア「まあ。綺麗なカーネーション。ありがとう、クロード。ふふふ」

  クロード「ぎゃあああああああああ! あんなの私ではありません!」

アナスタシア「あら、クロード? あなたはカーネーション、くれないの?」

  クロード「だ、黙れ裏切り者め! 本編が色々進まない限り私は何もやらん!」

 小クロード「心がちっちゃい。あんな大人にはなりたくない」

  クロード「な、なんだとおおおおお!?」

   ヒビキ「……俺、完全に蚊帳の外だなぁ。というわけで、本日5月12日、正確には5月の第二日曜日は『母の日』だよ」

  クロード「大体なぜここにアナスタシアがいるのですか!?」

   ヒビキ「この作品で『お母さん』っぽいことやってる人って、アナスタシアさんくらいしかいなかったんだからしょうがないでしょ?」

  クロード「ぐ、ぐぬうっ」

アナスタシア「ところで、『母の日』は分かったのだけれど、どうして私はクロードからカーネーションを贈られたのかしら? 赤くてとても綺麗な花だわ」

   ヒビキ「世界中に『母の日』の起源が存在するけど、日本のはアメリカから齎された記念日だね。アメリカの南北戦争で負傷兵の治療を行っていた社会活動家のアン・ジャービスさんは当時、『マザーズデー・ワーク・クラブ』を立ち上げて、敵兵の治療も献身的に行っていたんだけど、彼女の死後、娘のアンナさんが亡き母を追悼する際に、彼女が好きだった白いカーネーションを参加者に配ったことが、今日の『母の日』の起源だと言われているよ。アンナさんの母への想いに感動した人々が母親の大切さを認識し、母の日にカーネーションを贈る習慣が広まっていったんだ」

アナスタシア「とても素敵な話ね。あら? でも、私のカーネーションは白ではなくて赤よ? カーネーションの色は何色でもいいのかしら?」

   ヒビキ「カーネーションは色によって花言葉が違う。だから、どんな色のカーネーションを贈られたかで、相手の伝えたい想いが分かるようになってるんだ。例えば、赤いカーネーションは『母への愛』だね」

アナスタシア「まあ。ふふふ。ありがとう、クロード」

 小クロード「べ、別に」※恥ずかしそうにプイッと顔を背けるクロード君。

   ヒビキ「白いカーネーションは『私の愛情は生きている』。アンナさんが亡くなったアンさんへ贈った色だったことから、亡くなった母を偲んで贈る定番の色だね。本編の状況的に、クロードが贈るならこの色かな……さっさと渡したら?」

  クロード「べ、別に」※白カーネーションを背中に隠して顔を背けるクロード。


★★★★★
その他の記念日『ナイチンゲールデー』『国際看護師の日』
※どちらもナイチンゲールの誕生日にちなんだ記念日。

   ヒビキ「ちなみに、日本も今日は『看護の日』だよ。制定の由来は同上」
アナスタシア「アンさんといい、世界には献身的な人がたくさんいるのね」
 小クロード「あなすたしあも?」
   ヒビキ「ちっこいクロードは素直だなぁ」
  クロード「頼む。お前はもう黙っていてくれ!」
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