ヒビキとクロードの365日

あてきち

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5月

5月7日『コナモンの日』

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クロード「ヒビキ様、それは何ですか? 美味しそうな匂いです」

※じゅーじゅーという音が鉄板から響く。

 ヒビキ「これはお好み焼きだよ。今日5月7日は『コナモンの日』だからね!」

クロード「ふむ。5月7日で『コ5ナ7モン』ですか。それで、コナモンとは?」

 ヒビキ「いわゆる粉食のことだね。小麦やトウモロコシなんかの穀物を加工して食べることだよ。パンや麺なんかも粉食のひとつで、地球のいたるところにこの文化は広がっているんだ。というか、こっちの世界もそうでしょ?」

クロード「確かにパンやパスタなどはどこにでもあると思います。ですが、今ヒビキ様が焼いているお好み焼きなる食べ物は初めて見ました」

 ヒビキ「『コナモンの日』を制定したのは大阪に本拠地を置く『日本コナモン協会』だったから。大阪といえばお好み焼き、お好み焼きといえば大阪でしょ?」

クロード「……ヒビキ様、今、物凄い殺気と非常に鋭い寒気が」

 ヒビキ「……うん、なぜか俺も感じた。えっと……この物語はフィクションであり実在する人物・団体とはこれっぽっちも関係ありません。創作キャラクターのいち発言程度、温かい目で見守ってくださいますようお願い申し上げます」

クロード「めっちゃ謙ってますね、ヒビキ様。ですが、おかげで殺気が消えました」

 ヒビキ「ふぅ。危なかった。ホント、細かいことを気にする人がいると困――ひ」

クロード「ヒビキ様。そろそろ余計なことを言わずに説明をお願いします」

 ヒビキ「そ、そうだね。この記念日が制定されたのは2003年。どんな記念日かといえば、コナモンの宣伝をする記念日という以外の答えはないくらいの記念日だね」

クロード「ということは、いつものごとく遅ればせながらのイベント情報が?」

 ヒビキ「大丈夫、まだ間に合うはず! 5月6日と7日の2日間、大阪のいろんなところでコナモン企画が催されるよ!」

クロード「ふむ。ぱそこんでぴぽぱぽ、と。……6日になんばグランド花月にて前日イベントを開催予定。……ふむ。既に終了していますね」※クロード、遠い目。

 ヒビキ「そして関西限定マヨセットを無料配布! などなどのプレゼントが!」

クロード「いえ、ヒビキ様。もう終わってますので」

 ヒビキ「こっちは今日ならまだ間に合う。道頓堀コナモンマップを片手に指定店舗を食べ歩きすると、豪華でささやかなプレゼントが君を待っている!」

クロード「ヒビキ様。何か賄賂でも受け取ったのですか? 超推しですね」

 ヒビキ「単純にコナモンが好きなだけさ! 気になる人は『日本コナモン協会』で検索すれば分かると思うよ。今年逃した人も来年に期待しよう!」

クロード「毎回のことですが仕方ないですね。ところでヒビキ様、焦げ臭いです」

 ヒビキ「うわあああああああ!? お好み焼きが真っ黒焦げええええええ!」



★★★★★
その他の記念日『博士の日』
※1888年。植物学者の伊藤圭介など25人に日本初の博士号が授与された。

クロード「博士号はコナモンに負けましたか……」
 ヒビキ「たこ焼き屋いてみたよー。クロード、食べる?」
クロード「いただきます。博士号よりヒビキ様の手料理に決まってます」
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