ヒビキとクロードの365日

あてきち

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4月

4月12日『市販もいいが、やはり専門店に行きたくなるのです』

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 ヒビキ「というわけで、今日のゲストは亜麻音の親友、豊月恭子ちゃんです!」

  恭子「何が『というわけ』なのか分かりませんが、よろしくお願いします」

クロード「おおぅ……感動しました。普通です」※瞳をキラキラさせるクロード。

  恭子「普通?」※恭子は不思議そうに首を傾げた。

 ヒビキ「言われてみれば、今まで登場した人達、全員唐突だったもんね」

  恭子「ふふふ、二人を困らせて自由気ままな亜麻音ちゃん、可愛い」

クロード「なぜそれを可愛いと思えるのだろうか? ……やはり、ヒビキ様の周りには普通の女性など存在しないのですね。私がしっかりお守りせねば!」

 ヒビキ「クロード、思考の方向性がずれてるよ。これでも食べて元に戻って」

クロード「ありがとうございます、ヒビキ様。おや、これはあんぱんですね」

 ヒビキ「はい、恭子ちゃんも」

  恭子「ありがとうございます、真名部君。わあ、私のは焼きたてのカレーパン」

クロード「がぶがぶ。うむ、これは美味い。以前いただいたものとは違う味わい」


※4月4日『甘いものはお好きですか?(あんぱんの日)』参照


  恭子「はふはふ。カリカリでスパイシーで堪りませんね。どこのパンですか?」

 ヒビキ「赤い屋根のパン工場だよ。俺のはジャム・バター・チーズを食パンで挟んだサンドイッチ。もぐもぐ。最高に美味しいね!」

  恭子「あんぱん食パンカレーパン? ジャムバターチーズ……?」

クロード「だんだんだ――」

 ヒビキ「クロードストップ! 本日4月12日は『パンの記念日』だよ!」

クロード「みんながだいすきあんぱんの日ではないのですか?」

 ヒビキ「クロード。知りもしないくせに随分とぶっこんでくるね……」

 恭子「1983年にパン食普及協議会が制定した記念日ですね。1842年(天保13年旧暦4月12日)に江川英龍という代官が『兵糧パン』と呼ばれる堅パンを日本で初めて本格的に製造したことに由来します」

クロード「堅パン? もぐもぐ。私達が普段食べている黒パンのことですか?」

 ヒビキ「要するに乾パンだね。炊く時の煙で敵に居場所がばれてしまう米飯と比べて、固いパンは保存性と携帯性に優れていたから、江川英龍は国防上の観点からパンは有用だと考えたみたい」

クロード「そのような視点でパンを見たことはありませんでした。面白い発想です」

  恭子「ちなみに、毎月12日は『パンの日』といわれていて、一部のパン屋さんでは割引や当日限定パンの販売などのサービスをしているそうですよ」

 ヒビキ「近くのパン屋で実施されているか確認してみるのも楽しそうだね!」

クロード「こちらの世界のパン屋もやってくれないでしょうか。もぐもぐ」



★★★★★
その他の記念日『世界宇宙旅行の日、ユーリーズナイト』
※1961年4月12日
※ソ連が世界初の有人宇宙衛星船『ボストーク1号』の打ち上げに成功した。
恭子「搭乗者は『地球は青かった』で有名なユーリイ・ガガーリンさんですね」
ヒビキ「当時の宇宙食は喉がつまらないようにペースト状のものが多かったらしい」
クロード「60年近く経った現在はパンを持ち込めるそうですね。技術の大進歩です」
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