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第4話 電脳の地獄『妊婦の刑』Ⅱ
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30分後、私は再び現場へ戻る。
ゴブリン達は消えてて、そこには『腹の膨れた』木村が横たわっているだけだった。
腹に何が宿っているのかは……考えたくもない。
「どうだった? 電脳世界とはいえ、貴重な経験になったでしょ?」
「……おっ、ええええええええええ」
私の声で意識を取り戻した木村は、すぐに嘔吐する。
この様子じゃ、相当酷い目に遭ったんだろう。
「……もう、許してくれ……助けて」
「けど、君はあの時そう言った私を助けてくれなかったよね」
私はあの時、何度も、喉が焼けるくらいにそう叫んだ。
けれど、助けなど来なかった。
それを聞いた木村は目に涙を浮かべ、茫然とする。
「じゃあ交換条件。残り2人のアカウント情報と位置教えてくれたら許してあげる。そんくらい知ってるでしょ?」
復讐はまだ終わらない。
残りの2人にも、地獄を見せてやる。この電脳世界でしか味わえないとっておきの地獄を。
「……っ」
しかし木村は口を閉じたままだ。
あの2人からの報復にでも怯えているのだろうか。
「……まだゴブリンとお楽しみしたい?」
「っや! 教えるっ、教えるから!」
私の言葉に、木村は地面を這いながら首を横に振る。
やはり『妊婦の刑』はかなり効く復讐だったようだ。
「……じゃあ、教えてもらおうかな」
私は木村の顔を踏みつけながら、情報を聞き出した。
ゴブリン達は消えてて、そこには『腹の膨れた』木村が横たわっているだけだった。
腹に何が宿っているのかは……考えたくもない。
「どうだった? 電脳世界とはいえ、貴重な経験になったでしょ?」
「……おっ、ええええええええええ」
私の声で意識を取り戻した木村は、すぐに嘔吐する。
この様子じゃ、相当酷い目に遭ったんだろう。
「……もう、許してくれ……助けて」
「けど、君はあの時そう言った私を助けてくれなかったよね」
私はあの時、何度も、喉が焼けるくらいにそう叫んだ。
けれど、助けなど来なかった。
それを聞いた木村は目に涙を浮かべ、茫然とする。
「じゃあ交換条件。残り2人のアカウント情報と位置教えてくれたら許してあげる。そんくらい知ってるでしょ?」
復讐はまだ終わらない。
残りの2人にも、地獄を見せてやる。この電脳世界でしか味わえないとっておきの地獄を。
「……っ」
しかし木村は口を閉じたままだ。
あの2人からの報復にでも怯えているのだろうか。
「……まだゴブリンとお楽しみしたい?」
「っや! 教えるっ、教えるから!」
私の言葉に、木村は地面を這いながら首を横に振る。
やはり『妊婦の刑』はかなり効く復讐だったようだ。
「……じゃあ、教えてもらおうかな」
私は木村の顔を踏みつけながら、情報を聞き出した。
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