俺の召喚獣だけレベルアップする

摂政

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第9章『失楽園のツクり方/冒険者サエジマ・ワタルの章』

第305話 いざ行かん、悪癖龍マルガリータへ(2)

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 マルガリータの進化は、刻一刻と進みつつある。
 3つ並んでいるカプセルの、この一番右のカプセルに入っているこの黒ドレスの女----【復讐姫ロクセラーナ】のコイツをなんとかしなくてはいけない。

 このカプセルに入り口はないのだが、今の俺は【化身召喚】によって神と一体化しているから、あの中に直接、召喚獣を放り込むことはできる。
 ただし相変わらず、魔物を新たに召喚できないので、そのために放り込む召喚獣を出せないんですが。

「アハハッ!! ----って、笑ってる場合じゃないだろう!」

 そう、マジで笑っていられる状況でないのだ。
 なんとかしなくては、男であるだけで最低辺な存在になってしまう。

 だったら、一番右のカプセルの中から、この【復讐姫ロクセラーナ】を取り出してみよう!

「【転移召喚】!」

 俺は【復讐姫ロクセラーナ】----黒ドレスの女を指定し、カプセルの外に強制的に取り出す。
 ぽいっと、転移の力によって強制的に黒ドレスの女を外へと放り出され、20秒後位すると女の姿がブレ始め、元のカプセルの中に戻ってしまった。

 戻ってしまうのは、彼女が進化に使われる重要な要素だからだろう。

 マルガリータの進化は、もう止まらないし、解除する事は出来ない。
 そしていま現在、【復讐姫ロクセラーナ】が彼女の進化素材の1つであることは事実であるため、そのままだと元の位置へと戻るようなシステムになっているのだろう。

「----だが、取り出せた」

 という事は、まだ猶予がある。

 要するに、【復讐姫ロクセラーナ】を転移させ、戻る前にその代わりを、この中に入れればいいのだ。

「召喚獣は召喚できないが、ここは悪癖龍マルガリータの中」

 そもそもあの黒ドレスの女は、【復讐姫ロクセラーナ】というスキルが召喚獣の形となっているモノ。
 別に召喚獣でなくてはいけないという決まりはなく、要はあの中に入れる別のスキルを用意すればいいのだ。

「マルガリータはスキル【アルビノ・アイドル】のおかげで、大量にレアスキルを獲得しやすい召喚獣だからな。スキルには困らないぜ」

 マルガリータが持っているスキルの中での候補は、こんな感じ。


 ===== ===== =====
 【悪癖音波】;悪癖龍が持つ特殊な音波。魔力を込めると、放った言葉が実際の形となって相手にダメージを与える事が出来る
 【ドラゴンパワー】;ドラゴンの力により、全ての攻撃が強力となります
 【ファミリー・スター】;自分と絆を持つファミリーが多ければ多いほど、魔力回復が速くなるスキル。体力などの回復も速くなります
 【異界の龍アルタードラゴン】;ダンジョンに介入し、別のダンジョンから力を奪う特殊なドラゴンの力。介入できるダンジョンはランクが上でも可能。介入できる距離があるため、あまり遠くのダンジョンの力を奪う事は出来ない
 【物語の王アナンシ】;この世の全ての物語はアナンシへと帰結する、アナンシの固有能力。伝承や伝説を持つ相手に対して特攻能力を持ち、彼女と仲間の攻撃は全て特攻能力として相手に与えることができる
 【アルター・フェザー】悪癖龍マルガリータが出した、異次元の力を纏った龍の羽。彼女の翼から離れた羽がなにかにぶつかると、その物と共に異次元へと帰っていく特殊な羽
 【悪癖龍魔法】悪癖龍マルガリータのみが使える魔法。半古代龍魔法をマルガリータなりにアレンジした魔法であり、この魔法に当たった全ての物は、異次元から来たエネルギーに複雑に絡み合い、そしてそれぞれの世界へ持っていかれる。身体が複数の色々な世界に持っていかれるため、召喚獣や魔物であろうとも、この魔法を喰らった場合、二度と元の姿には戻れない
 【アルビノ・アイドル】;白い髪と赤い瞳を持つアイドルの容姿関連スキル。レア個体として、レアスキルを獲得できる確率が高くなり、全ての攻撃に敵を魅了する【魅了】を付与する


 【ドラゴニック杖術】(マナ系統);四大力の1つである《マナ》を扱う杖術。杖を持つ場合、杖から出る《マナ》を用いた攻撃の全てに補正効果がつきます。また、杖を扱う際に補正効果がかかるだけでなく、ドラゴンとしての強力な能力付与が付きます
 【二人三脚】;自分と体力をもう1人の相手と共有するスキル。対象;《悪の手先》吸血鬼ココア・ガールハント・ヒアリング3世
 【龍眼】;敵の中で一番、魔法防御力が高い敵の防御力を10%まで下げる
 【復讐姫ロクセラーナ】;魔性の女悪魔の名を冠するスキル。女性限定のスキルであり、全てのオスに対し、筋力や戦闘力を著しく下げ、赤子相当にまで減少させる
 【魅惑のトップアイドル!!】;自分の仲間全員のステータスを5%上昇させる、ただし相手に狙われやすくなる
 【海の美声セイレーン】;ギリシャ神話に登場する、美しい人魚セイレーンを模したスキル。息を吸った時間と量に応じて、対象を自らのコンサート会場、自身の声が聴ける場所に招待する。招待された者達はスキル発動中、コンサート会場から出る事が出来ない
 【プリンセスになりたくて】;条件を達成すると、特殊スキルを取得します
 【ミステリアスドラゴン】;自分の体内で作り出した、特殊な黒い霧を放つスキル。霧を纏っている間、防御力が極端に減少するが、相手から狙われなくなる。また、この状態の時の攻撃はいつもの3倍の威力となる
 【抑えられない……この輝き♪】;自分のカリスマ的アイドルオーラを輝かせて、相手に自身を狙わせるスキル。このスキルを使うと相手からの攻撃に狙われやすくなり、また【魅了】の状態異常にかけやすくする
 【魔術改変】;魔術式を改変し、独自の魔術として改変する。また、相手の魔術式を改変して、魔術を使えるようにしたり、永遠に魔術を使えなくすることも可能
 ===== ===== =====


 改めてみると、とんでもない数のスキルである。
 しかも現在進行形でスキルは増えつつあり、きちんと効果を発揮している訳ではない未発現のスキルも合わせれば、そのスキル総数は100を優に超える。

 これだけのスキルがあれば、1つくらいは【復讐姫ロクセラーナ】を越えるスキルがあるのではなかろうか。

「ちょうどいいスキルがあるから、使わせてもらおう! 【条件指定召喚】!」

 これは、範囲内で条件に適合したモノを、召喚するスキル。
 今回はこの空間内で、【復讐姫ロクセラーナ】に匹敵する力を持つスキルを検索しているという状況だな。

「----さぁ、結果は?」


 結果は、最悪だった。
 【復讐姫ロクセラーナ】に匹敵するスキルは、1つだけあった。



 ===== ===== =====
 【条件指定召喚】 結果

 【プリンセスになりたくて】;条件を達成すると、特殊スキルを取得します
 ※このスキルは現在力不足です
 ===== ===== =====


 条件にあったのはこのスキルだけであり、しかも現在の状況では使えない、と。
 ……で、この達成する条件って何なの?
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