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第7章『たまにはゆっくり、旅館でいい気分♪/吸血女帝ココアの章』
第256話 ボタン瞳リターンズ(2)
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「【雷帝】!」
ブイオーは空を舞いながら、雷を放つ。
放たれた雷は空間を抉りつつ、ココアへと迫って来る。
「----土魔法の壁、なのじゃ!」
ココアは魔法を用いて、土の壁を作り出す。
作り出された土の壁はブイオーの放つ雷にぶつかると共に、ぽろぽろっと、まるで砂のようになって崩れてゆく。
「粉々じゃな……」
ココアの眼には、ブイオーの放つ雷が、ただの雷魔法でないことは分かっていた。
雷魔法が壁にぶつかった瞬間、ココアは悪寒に支配された。
自分の中の魔法が切り刻まれ、分解されるような、バラバラにされてしまった感覚。
「(考えてみれば、壁を破壊したからと言って、砂のようになるのは可笑しい話じゃ)」
土魔法で作った壁が、強い衝撃を加えられて、瓦礫や破片となって散らばるのならまだ分かる。
しかし、砂のようになるだなんて、本当に物凄い力によって、分解でもされない限りは砂にはならないだろう。
「災害を名乗るうちの雷が、ごくごく普通な雷としての特性しか持ってない訳がないでしょう。
----うちの雷は荒々しい嵐のような性質を持ち、触れた物質を破壊し尽くす雷なのですし」
===== ===== =====
【雷帝・嵐】
雷属性の中でも、格別といっても良いほど上級のスキル。その雷は嵐のように、全てを無慈悲に斬り潰す
この雷に触れた物は、原子や魔力レベルで粉々に1つずつ斬り潰され、回復できないくらいにバラバラにする
===== ===== =====
「なるほどのう。あらゆる物を"ばらばら"にする雷かのぅ……雷は速いし、強そうじゃわい」
「ふふんっ! そぉら、まだまだ行くよ!」
----先程までは、小手調べ。
そう言わんばかりに、ブイオーは雷を放つ、放つ、放つ。
そんな触れたら一発アウトな雷を、ココアは魔法の壁で防ぐ、防ぐ、防ぐ。
「ほらほら、ほら! どんどん、どんどん行くぞ!」
「----くそう! だがしかし、妾1人でなければ……!」
「仲間の到着でも待ってるんですか? 残念ながら、それは無駄というもの!」
ばんっ、完璧に断言するブイオー。
「うちの仲間、絶望スカレットがあなたの仲間を足止めしています。そもそも、仲間がどこに居るかも分からずに、探し出せるとでも?」
「くっ……!」
実は、冴島渉達と合流して、ブイオーを倒せれば良いと思ったココア。
「(まぁ、妾に敵が差し向けられている以上、あちら側にも敵が向けられてると考えるのが自然じゃからのう。
----しかし、絶望スカレット、のぅ)」
ココアの頭の中では、【災害】と名乗ったブイオーが思い浮かぶ。
「(【災害】と、名と称号を変えたシーヴィー。そして、主殿達の所には【絶望】の名を冠する者……。
なにか、とんでもなくヤバイ連中ではあるようじゃ)」
冴島渉達の到着を待つ構えで居た、吸血鬼ココア・ガールハント・ヒアリング3世。
しかしながら、ここでココアは冴島渉達を迎えに行くという選択肢を、頭の中に入れる。
「しかし、主殿達はいったいどこに……」
と、その時である。
----どっかああああああんっっ!!
後ろに見えるドラキュラ城が、爆破したのだ。
屋根が吹き飛び、そこから1匹の小鬼が吹き飛ばされる。
【ステエエエエエエッキキキキ! ファイントと雪ん子、強すぎでステッキィィィィ!】
そして、小鬼は爆破した。
「……爆破したのじゃ」
「……爆破、しましたね」
2人の意見が合致する中----
ココアは走って行き、その後をブイオーが追うのであった。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「【《ステッキ》小鬼】があっという間にやられてました、ね」
残念無念、とばかりに、かの小鬼を引き連れてやって来た敵。
ペストマスクを被った、シルクハットの婦人さんは呆気なくそう語る。
【街】所属の、【絶望】担当の、スカレット。
そう名乗っていた彼女は、2匹の小鬼を引き連れて、夜魔ヴァンパイア・ポーンを"支配下"に書き換えて現れていた。
1匹は、さきほど吹っ飛ばされた《ステッキ》小鬼。
頭が魔法の水晶玉になっている、両腕がステッキになっている小鬼は、呆気なく雪ん子とファイントに吹っ飛ばされていた。
そして、もう1匹。
夜魔ヴァンパイア・ポーン達を瞬時に撃退した、小鬼。
【スキル【推し幸せ光線】でペンライト!】
それは、七色に光るペンライトの頭を持つ、【三大堕落】のメンバーが探していた小鬼。
----《ペンライト》小鬼であった。
【さぁ! スカレット様のために、推しを幸せにする光線でハッピーハッピーさせるでペンライト!】
ブイオーは空を舞いながら、雷を放つ。
放たれた雷は空間を抉りつつ、ココアへと迫って来る。
「----土魔法の壁、なのじゃ!」
ココアは魔法を用いて、土の壁を作り出す。
作り出された土の壁はブイオーの放つ雷にぶつかると共に、ぽろぽろっと、まるで砂のようになって崩れてゆく。
「粉々じゃな……」
ココアの眼には、ブイオーの放つ雷が、ただの雷魔法でないことは分かっていた。
雷魔法が壁にぶつかった瞬間、ココアは悪寒に支配された。
自分の中の魔法が切り刻まれ、分解されるような、バラバラにされてしまった感覚。
「(考えてみれば、壁を破壊したからと言って、砂のようになるのは可笑しい話じゃ)」
土魔法で作った壁が、強い衝撃を加えられて、瓦礫や破片となって散らばるのならまだ分かる。
しかし、砂のようになるだなんて、本当に物凄い力によって、分解でもされない限りは砂にはならないだろう。
「災害を名乗るうちの雷が、ごくごく普通な雷としての特性しか持ってない訳がないでしょう。
----うちの雷は荒々しい嵐のような性質を持ち、触れた物質を破壊し尽くす雷なのですし」
===== ===== =====
【雷帝・嵐】
雷属性の中でも、格別といっても良いほど上級のスキル。その雷は嵐のように、全てを無慈悲に斬り潰す
この雷に触れた物は、原子や魔力レベルで粉々に1つずつ斬り潰され、回復できないくらいにバラバラにする
===== ===== =====
「なるほどのう。あらゆる物を"ばらばら"にする雷かのぅ……雷は速いし、強そうじゃわい」
「ふふんっ! そぉら、まだまだ行くよ!」
----先程までは、小手調べ。
そう言わんばかりに、ブイオーは雷を放つ、放つ、放つ。
そんな触れたら一発アウトな雷を、ココアは魔法の壁で防ぐ、防ぐ、防ぐ。
「ほらほら、ほら! どんどん、どんどん行くぞ!」
「----くそう! だがしかし、妾1人でなければ……!」
「仲間の到着でも待ってるんですか? 残念ながら、それは無駄というもの!」
ばんっ、完璧に断言するブイオー。
「うちの仲間、絶望スカレットがあなたの仲間を足止めしています。そもそも、仲間がどこに居るかも分からずに、探し出せるとでも?」
「くっ……!」
実は、冴島渉達と合流して、ブイオーを倒せれば良いと思ったココア。
「(まぁ、妾に敵が差し向けられている以上、あちら側にも敵が向けられてると考えるのが自然じゃからのう。
----しかし、絶望スカレット、のぅ)」
ココアの頭の中では、【災害】と名乗ったブイオーが思い浮かぶ。
「(【災害】と、名と称号を変えたシーヴィー。そして、主殿達の所には【絶望】の名を冠する者……。
なにか、とんでもなくヤバイ連中ではあるようじゃ)」
冴島渉達の到着を待つ構えで居た、吸血鬼ココア・ガールハント・ヒアリング3世。
しかしながら、ここでココアは冴島渉達を迎えに行くという選択肢を、頭の中に入れる。
「しかし、主殿達はいったいどこに……」
と、その時である。
----どっかああああああんっっ!!
後ろに見えるドラキュラ城が、爆破したのだ。
屋根が吹き飛び、そこから1匹の小鬼が吹き飛ばされる。
【ステエエエエエエッキキキキ! ファイントと雪ん子、強すぎでステッキィィィィ!】
そして、小鬼は爆破した。
「……爆破したのじゃ」
「……爆破、しましたね」
2人の意見が合致する中----
ココアは走って行き、その後をブイオーが追うのであった。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「【《ステッキ》小鬼】があっという間にやられてました、ね」
残念無念、とばかりに、かの小鬼を引き連れてやって来た敵。
ペストマスクを被った、シルクハットの婦人さんは呆気なくそう語る。
【街】所属の、【絶望】担当の、スカレット。
そう名乗っていた彼女は、2匹の小鬼を引き連れて、夜魔ヴァンパイア・ポーンを"支配下"に書き換えて現れていた。
1匹は、さきほど吹っ飛ばされた《ステッキ》小鬼。
頭が魔法の水晶玉になっている、両腕がステッキになっている小鬼は、呆気なく雪ん子とファイントに吹っ飛ばされていた。
そして、もう1匹。
夜魔ヴァンパイア・ポーン達を瞬時に撃退した、小鬼。
【スキル【推し幸せ光線】でペンライト!】
それは、七色に光るペンライトの頭を持つ、【三大堕落】のメンバーが探していた小鬼。
----《ペンライト》小鬼であった。
【さぁ! スカレット様のために、推しを幸せにする光線でハッピーハッピーさせるでペンライト!】
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