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第6章『ファイントは常に地獄に居る/覚醒ファイントの章』
第231話(番外編) 真相と、覚醒と、《探偵》覚醒幽鬼(2)
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全ての職業には、ダンジョンで戦うための能力が備わっている。
それは勿論、マナ系統職業の1つ、【探偵】もまたそうである。
元に戻す光と、光属性の魔法攻撃。
その他、ありとあらゆるトラップを解除できるだけのスキルと知恵。
勿論、【探偵】の職業の力が、それだけで終わる訳もなく。
【探偵】には、とっておきのスキルがある。
そのスキルこそ、【探偵】の固有スキルである、強力な洗脳攻撃。
【自らが犯した罪を見て、後悔するが良い!!
----【探偵】スキル、【崖上の犯人】!】
そして、《探偵》覚醒幽鬼の全身が光り輝くと共に、空海大地と天地海里を包み込む。
===== ===== =====
【探偵】スキル 【崖上の犯人】が 発動しました
対象者として 【空海大地】と 【天地海里】に 作用されます
対象者として 【ダブルエム】に 作用されます
まず、2人に共通する 大罪が 映像として 再現されます
映像を 再現します
===== ===== =====
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
2人の目の前に映し出されたのは、1人の少女の姿である。
片眼鏡とシルクハット、それに黒いトレンチコート。
まるで19世紀のロンドンに出てきそうな、探偵の恰好をした少女の姿であり、2人は一切面識がない少女であった。
『被害者である彼女の名前は、花弁千夜葉。皆からは『ベンチャーちゃん』と呼ばれる可憐な少女である』
「なんだ、これ? ナレーション?」
「私達の罪を、大罪を披露すると言っていたが、これはいったい……」
2人が困惑する中、映像は再生されて、花弁千夜葉はテーブル上に物を置いて、なにかの研究を始めるようであった。
フラスコに入った液体を、2人は見覚えがあった。
「「ルトナウムっ?!」」
『花弁千夜葉。彼女は高い技術力を保有しており、その技術力の高さ故に政府から1つの依頼を受けていました。その依頼こそ、冒険者である佐鳥愛理から持ち込まれた、ルトナウムの性能分析と、軍事転用。
ルトナウムの分析をする事によって、場合によっては戦車や戦闘機などに活用できないかと言う事。つまりは、冒険者の力を得た兵器の開発が、彼女に科せられた任務でした』
花弁千夜葉は、様々な装置を使って、ルトナウムの研究をしていた。
直接手に触れるとマズいということで、手袋を二重にし、さらには防護マスクなどもして、徹底された衛生管理の下で、彼女は研究をしている映像が流れる。
そして、映像が変わると、今度はルトナウムを手にしたまま、ぷるぷる震えている彼女の映像が映し出される。
『「まさか、そんな馬鹿なことが……しかし、だとしたら色々な事に説明がつく。この液体で冒険者のレベルを操作できること、そして直接触れてはいけない理由も……!!」
花弁千夜葉の類稀なる才能は、ルトナウムの正体を見抜いておりました。見抜いたからこそ、恐怖を覚えていたのでした』
「なんだ、彼女はいったい何を見抜いたって言うんだ?」
「しかし、私達2人の大罪と、彼女になんの関係があるんでしょう?」
2人が映像に見入っていたその時です。
花弁千夜葉の映像が消え、映し出されたのは2人の闘う姿----そう、初対面の時にぶつかり合う2人の姿でした。
『「【スピリット変換・雷神】っ!」
「【勇者天術・震】! 地面よ、震えよ!」
大地は自らを《スピリット》の力で雷へと変え、雷の超高速で海里に迫る。
一方、海里は《スピリット》の力で地面に振動の属性を与えて、うねうねとさせながら攻撃と回避を同時に行う』
そして、『ちょうどその頃----』という文字が流れ、再び、花弁千夜葉の映像に切り替わります。
彼女はルトナウムが入った瓶をテーブルの上に置いて、政府に自分が得た情報を手紙で書こうとしているようでした。
『2人の元勇者が戦っていたその頃、花弁千夜葉は情報を手紙に書き写していました。
そして、罪は犯された』
どっかああああんっ!!
『2人の攻撃の余波は、花弁千夜葉の家まで届いておりました。
大地が放った雷は、ルトナウムの入った瓶にヒビを与えました。そして、海里が放った振動は、彼女の家に揺れをもたらして-----ルトナウムは宙に放り出され、空で瓶が割れました。
"ちょうど、彼女の真上で"』
「「まさかっ……!?」」
2人の予感は、すぐさま映像に映し出されました。
ルトナウムを直に浴びた花弁千夜葉は苦しみ、悶え、そして-----
『「冒険シタイ……』
こうして、花弁千夜葉という女は、幽鬼となったのでした』
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
『続いて、ダブルエムの大罪。それは彼女が落とした【世界球体】の1つ、タロット22枚のうちの----』
映像はそこで、途切れました。
何故なら、覚醒幽鬼の胸に、ダブルエムのナイフが突き刺さっていたからである。
【たっ、探偵がこんな形で殺されるだなんて……だが、忘れるべからず! そこに居る彼女の力を使えば----】
「すぐ、#死ね」
そのまま首を掻っ切ったダブルエムの攻撃で、覚醒幽鬼は今度こそ沈黙しました。
===== ===== =====
《探偵》覚醒幽鬼を 倒しました
【世界球体=探偵世界=】が "消滅します"
確定ドロップとして 全員に 【今話題の推理小説】が ドロップします
【探偵世界】の 消滅により 消滅させた者に 呪いを付与します
ダブルエムに 【神殺しの呪い】を 付与します
既に 【神殺しの呪怨】が あることを 確認
強制的に 合成します
………
……
…
成功しました
===== ===== =====
「【テセウスの船】、応用編」
そして、呪いを受けたダブルエムは、そのまま呪いを身体の髪へと移動させる。
彼女の髪は、まるで呪いを受けた事を象徴するかのように、髪はうねうねとなっていき、蛇のようになっていた。
「あー、#髪に呪い #蛇髪 って訳ですか」
呪いを受け、さらに身体を負荷をかけたダブルエムは、うなだれる元勇者の2人に声をかける。
「あなた達は『知らなかった』。ただ、それだけを言い訳にする気ですか?
あなた達の身勝手な行動により、1人の少女がルトナウムを被り、幽鬼となった。それが事実であり、あなた達の罪と言う奴です。
私は自らの罪と向き合います。例え、呪いによってあと幾何の命と知りつつも、向き合います。それが人間と言う物です。
人間を越えた力を持ち、勇者なる人外の存在となったあなた方には、その覚悟がないんですか?」
「ほら、立って。そのまま帰れ」と、2人に告げる。
ある意味、彼女なりの応援が込められた言葉に、2人の元勇者はうるうると涙を流して----
「「おっ、お母さんっ!!」」
「……え? 誰が? #カオス ですね?」
(※)【崖上の犯人】
【探偵】のスキルの中でも、超強力な洗脳攻撃を放つスキル。洗脳と呼ぶよりかは、対象者の罪を映像として再現して、人々にショックを与えるスキル
対象者の大罪がなんなのかはスキルが判断するため、どれくらいの罪なのかは使用した本人にも分からない
(※)しりとり
《探偵》覚醒幽鬼の基となった、茅ケ崎廻の未練。『る』攻めされて、悩んでいたことが彼女の未練である
ちなみに、今まで登場した世界幽鬼・覚醒幽鬼もまた、しりとりになっている
・《ワラルー》世界幽鬼 村林継雄
・《左手》世界幽鬼 尾上ののか
・《鳩時計》世界幽鬼 花弁千夜葉
・《日曜日》世界幽鬼 羽生嘉人
・《チーズフォンデュ》世界幽鬼/《チーズフォンデュ》覚醒幽鬼 戸張与一
・《探偵》覚醒幽鬼 茅ヶ崎廻
それは勿論、マナ系統職業の1つ、【探偵】もまたそうである。
元に戻す光と、光属性の魔法攻撃。
その他、ありとあらゆるトラップを解除できるだけのスキルと知恵。
勿論、【探偵】の職業の力が、それだけで終わる訳もなく。
【探偵】には、とっておきのスキルがある。
そのスキルこそ、【探偵】の固有スキルである、強力な洗脳攻撃。
【自らが犯した罪を見て、後悔するが良い!!
----【探偵】スキル、【崖上の犯人】!】
そして、《探偵》覚醒幽鬼の全身が光り輝くと共に、空海大地と天地海里を包み込む。
===== ===== =====
【探偵】スキル 【崖上の犯人】が 発動しました
対象者として 【空海大地】と 【天地海里】に 作用されます
対象者として 【ダブルエム】に 作用されます
まず、2人に共通する 大罪が 映像として 再現されます
映像を 再現します
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☆ ☆ ☆ ☆ ☆
2人の目の前に映し出されたのは、1人の少女の姿である。
片眼鏡とシルクハット、それに黒いトレンチコート。
まるで19世紀のロンドンに出てきそうな、探偵の恰好をした少女の姿であり、2人は一切面識がない少女であった。
『被害者である彼女の名前は、花弁千夜葉。皆からは『ベンチャーちゃん』と呼ばれる可憐な少女である』
「なんだ、これ? ナレーション?」
「私達の罪を、大罪を披露すると言っていたが、これはいったい……」
2人が困惑する中、映像は再生されて、花弁千夜葉はテーブル上に物を置いて、なにかの研究を始めるようであった。
フラスコに入った液体を、2人は見覚えがあった。
「「ルトナウムっ?!」」
『花弁千夜葉。彼女は高い技術力を保有しており、その技術力の高さ故に政府から1つの依頼を受けていました。その依頼こそ、冒険者である佐鳥愛理から持ち込まれた、ルトナウムの性能分析と、軍事転用。
ルトナウムの分析をする事によって、場合によっては戦車や戦闘機などに活用できないかと言う事。つまりは、冒険者の力を得た兵器の開発が、彼女に科せられた任務でした』
花弁千夜葉は、様々な装置を使って、ルトナウムの研究をしていた。
直接手に触れるとマズいということで、手袋を二重にし、さらには防護マスクなどもして、徹底された衛生管理の下で、彼女は研究をしている映像が流れる。
そして、映像が変わると、今度はルトナウムを手にしたまま、ぷるぷる震えている彼女の映像が映し出される。
『「まさか、そんな馬鹿なことが……しかし、だとしたら色々な事に説明がつく。この液体で冒険者のレベルを操作できること、そして直接触れてはいけない理由も……!!」
花弁千夜葉の類稀なる才能は、ルトナウムの正体を見抜いておりました。見抜いたからこそ、恐怖を覚えていたのでした』
「なんだ、彼女はいったい何を見抜いたって言うんだ?」
「しかし、私達2人の大罪と、彼女になんの関係があるんでしょう?」
2人が映像に見入っていたその時です。
花弁千夜葉の映像が消え、映し出されたのは2人の闘う姿----そう、初対面の時にぶつかり合う2人の姿でした。
『「【スピリット変換・雷神】っ!」
「【勇者天術・震】! 地面よ、震えよ!」
大地は自らを《スピリット》の力で雷へと変え、雷の超高速で海里に迫る。
一方、海里は《スピリット》の力で地面に振動の属性を与えて、うねうねとさせながら攻撃と回避を同時に行う』
そして、『ちょうどその頃----』という文字が流れ、再び、花弁千夜葉の映像に切り替わります。
彼女はルトナウムが入った瓶をテーブルの上に置いて、政府に自分が得た情報を手紙で書こうとしているようでした。
『2人の元勇者が戦っていたその頃、花弁千夜葉は情報を手紙に書き写していました。
そして、罪は犯された』
どっかああああんっ!!
『2人の攻撃の余波は、花弁千夜葉の家まで届いておりました。
大地が放った雷は、ルトナウムの入った瓶にヒビを与えました。そして、海里が放った振動は、彼女の家に揺れをもたらして-----ルトナウムは宙に放り出され、空で瓶が割れました。
"ちょうど、彼女の真上で"』
「「まさかっ……!?」」
2人の予感は、すぐさま映像に映し出されました。
ルトナウムを直に浴びた花弁千夜葉は苦しみ、悶え、そして-----
『「冒険シタイ……』
こうして、花弁千夜葉という女は、幽鬼となったのでした』
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
『続いて、ダブルエムの大罪。それは彼女が落とした【世界球体】の1つ、タロット22枚のうちの----』
映像はそこで、途切れました。
何故なら、覚醒幽鬼の胸に、ダブルエムのナイフが突き刺さっていたからである。
【たっ、探偵がこんな形で殺されるだなんて……だが、忘れるべからず! そこに居る彼女の力を使えば----】
「すぐ、#死ね」
そのまま首を掻っ切ったダブルエムの攻撃で、覚醒幽鬼は今度こそ沈黙しました。
===== ===== =====
《探偵》覚醒幽鬼を 倒しました
【世界球体=探偵世界=】が "消滅します"
確定ドロップとして 全員に 【今話題の推理小説】が ドロップします
【探偵世界】の 消滅により 消滅させた者に 呪いを付与します
ダブルエムに 【神殺しの呪い】を 付与します
既に 【神殺しの呪怨】が あることを 確認
強制的に 合成します
………
……
…
成功しました
===== ===== =====
「【テセウスの船】、応用編」
そして、呪いを受けたダブルエムは、そのまま呪いを身体の髪へと移動させる。
彼女の髪は、まるで呪いを受けた事を象徴するかのように、髪はうねうねとなっていき、蛇のようになっていた。
「あー、#髪に呪い #蛇髪 って訳ですか」
呪いを受け、さらに身体を負荷をかけたダブルエムは、うなだれる元勇者の2人に声をかける。
「あなた達は『知らなかった』。ただ、それだけを言い訳にする気ですか?
あなた達の身勝手な行動により、1人の少女がルトナウムを被り、幽鬼となった。それが事実であり、あなた達の罪と言う奴です。
私は自らの罪と向き合います。例え、呪いによってあと幾何の命と知りつつも、向き合います。それが人間と言う物です。
人間を越えた力を持ち、勇者なる人外の存在となったあなた方には、その覚悟がないんですか?」
「ほら、立って。そのまま帰れ」と、2人に告げる。
ある意味、彼女なりの応援が込められた言葉に、2人の元勇者はうるうると涙を流して----
「「おっ、お母さんっ!!」」
「……え? 誰が? #カオス ですね?」
(※)【崖上の犯人】
【探偵】のスキルの中でも、超強力な洗脳攻撃を放つスキル。洗脳と呼ぶよりかは、対象者の罪を映像として再現して、人々にショックを与えるスキル
対象者の大罪がなんなのかはスキルが判断するため、どれくらいの罪なのかは使用した本人にも分からない
(※)しりとり
《探偵》覚醒幽鬼の基となった、茅ケ崎廻の未練。『る』攻めされて、悩んでいたことが彼女の未練である
ちなみに、今まで登場した世界幽鬼・覚醒幽鬼もまた、しりとりになっている
・《ワラルー》世界幽鬼 村林継雄
・《左手》世界幽鬼 尾上ののか
・《鳩時計》世界幽鬼 花弁千夜葉
・《日曜日》世界幽鬼 羽生嘉人
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・《探偵》覚醒幽鬼 茅ヶ崎廻
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