俺の召喚獣だけレベルアップする

摂政

文字の大きさ
上 下
148 / 354
第4章『ダンジョンの試練、最強の黒鬼と雪ん子に師匠?!/雪ん子(オーバーロード)の章』

第140話 四次元の対決と、第3回戦の相手

しおりを挟む
「まさか、本当にうちの空亡そらなきを倒せるだなんてね。とりあえずは、おめでとうと賛辞の言葉を伝えましょう」

 パチパチパチッと、手を叩いて素直に賛辞を表現するニチアサちゃん。
 そして、渦を生み出すと、その渦の中に手を突っ込んで、武器を手にしていた。

 ニチアサちゃんが渦の中から取り出したのは、獅子の紋様を持つ聖剣。
 刀身には青い炎がゆらゆらと揺らめいており、ニチアサちゃんはその聖剣を雑に振るう。

 ----キィィィィィィンッッッ!!

 なにかとてつもなく巨大な音が聞こえたかと思っていたら、いつの間にか雪ん子が剣を片手に、虚空を薙ぎ払っていた。
 何をしたんだと思っていると、突如として空が割れて、斬撃が降り注いできた。

「----?! 何が起こったんだ?!」
「へぇ、やっぱりそっちの雪ん子ちゃんは私の攻撃を防ぐ、いや見る・・事が出来るんだね」

 ニチアサちゃんは嬉しそうに、さらに剣を振るう。
 めちゃくちゃ大きな音が聞こえていたが、斬撃や衝撃波などは一切見えない。
 そして、それに合わせるように雪ん子も、空中に剣を振るうのである。

「(なんだろう、これ?)」

 俺には見えないのだが、どうやら2人で斬り合っているようだが、見えない以上----ただ虚空に向かって、2人で剣を振り合っているようにしか見えない。

「アハハっ!! こんなにも激しく攻め合ってるのに、冴島渉くんがバカを見るような眼をしているね!
 実際は、雪ん子ちゃんが庇わなければ、既に1000回以上殺されてるというのに」

 ニチアサちゃんが適当に剣を振るうと、彼女の頭上に大きな穴が現れた。
 まるで空間を斬り刻んだ、とでも言わんばかりに。

「これは私の職業ジョブ、【旧支配者クトゥルフ】のスキルの効果。スキル名は【宇宙帝王ハスター】。スキル効果は、"四次元を斬る"というモノですよ。
 私がこのスキルを使っている時は、時と空間----時空を越えて、斬るスキル。三次元までしか認識できてない冴島渉くんには、私と雪ん子ちゃんの戦いが見えてなかったようだね」

 そう、先程まで、ニチアサちゃんと雪ん子は、四次元と呼ばれる場所で斬り合っていたのだ。

 縦と横で表現して面上の二次元、そこに奥行きが加わった三次元が俺達が暮らしているこの世界。
 そして今、ニチアサちゃんと雪ん子が斬り合っていたのは、そこに時間が加わることで生まれた、四次元----。

 四次元での斬り合いというのは、文字通り異次元の斬り合い。
 斬撃が未来の自分や、過去の自分へと、時間なんて概念をなくしての攻撃。
 ニチアサちゃんはそのように過去の雪ん子や、未来の雪ん子へと、時間を飛び越えて斬撃を放ち、それを【オーバーロード】の四大力を用いて、雪ん子は防いでいたのだ。

「文字通り、この【宇宙帝王】は防ぐことが出来ない必殺の剣だった・・・。いくら防御を固めようが、どの時間でも防御が硬いなんてことはなく、私の剣は相手に斬られた感触すら与えずに斬り伏せてきた。
 ----しかし、それを防ぐ相手が現れた」
「《ぴぴぴっ……》」
「まだ時間を飛ばしての攻撃は出来ないみたいだけど、防ぐことが出来るって事は、慣れてくれば良いって事か」

 ニチアサちゃんと雪ん子は、互いにけん制し合いながらも、斬撃を四次元に飛ばし合って攻撃しているようだ。
 しかし、俺はそれを認識する事すら出来ず、ただ2人の戦いを見ている事しか出来なかった。




「《倒す褒めてもらう……倒す褒めてもらう……倒す褒めてもらう……》」
「やる気のようだね、雪ん子ちゃん。実は私も、久方ぶりに自分の攻撃を防ぐことが出来る相手と出会って、すっごくワクワクしてるんだ! これがアレだね、『未熟なライバルを育てるために一緒に特訓する、"無駄な時間潰し"』----同じ力を持つ者同士のぶつかり合い! これが、これこそが青春というモノですか!!」

 ニチアサちゃんは笑っているが、実際に彼女は喜んでいた。
 正確には彼女の魂と結びついている、好戦的な魔王の魂が、好敵手なりうる存在の登場に喜んでいたのである。

 好戦的な者にとって、好敵手なり得る相手と言うのは、とても喜ばしいモノだ。
 その者達にとって欲しいのは勝利などではなく、自分とちゃんと戦い合いになれるだけの相手なのだから。

「《倒す----!!》」

 雪ん子はそう言って、"消えた・・・"。

「へぇ、四次元に入る事も出来るようになったんですか! それじゃあ、こちらも遠慮なく----!!」

 そして、ニチアサちゃんも"消えた・・・"。


 2人の姿が消え、しかしながら戦いの音はすぐそこから聞こえてくる。

「あ~、これはアレですね♪ 私達が観測できない所で戦ってる、というパターンですなぁ!」

 すっと、まるでさっきから居ましたとばかりに、横から現れたファイントがそう言う。

「ファイント、お前、分かるのか?」
「うんにゃ、全然☆ なんかこう、雰囲気的なもので----にしても、雪ん子ちゃんは偉い強くなったんですね☆ まさか、ダンジョンという異世界を越えて、異次元の世界で戦うだなんてね~☆
 ----まぁ、そうでもしないと戦えない相手がいるっていう事自体が、ヤバいんですけど♪」

 言われてみれば、まぁ、そうだよな……。
 四次元で戦えるようになった雪ん子よりも、そうでもしなければ戦えない相手である日野シティーミティーの方がヤバいのかもしれん。

「----さて、じゃあご主人! もうひと踏ん張り、頑張っちゃいましょうよ!」
「え? もうひと踏ん張り?」
「え~、忘れてんの、ご主人? 私達がここから出るためには、"あと1回勝たないと行けない"って」

 と、そこでようやく俺はファイントが突如として現れた意味を理解した。
 雪ん子とニチアサちゃんの、文字通り異次元な戦いを見ていたせいで、コロッと忘れていたのだが----


「そうだ、俺はこの場所から抜け出すために、あと1回、勝負に勝たなくてはならないんだった」


 そう、召喚獣対決3回戦勝負ってやつを。
 俺は今、ココアとマルガリータの2人が負け、雪ん子が勝ったという、1勝1敗。
 3回戦勝負なので、次の勝利に勝てばここから出られて、負けたら永遠にこの世界に閉じ込められる……。

 しかし、対戦相手----というか、召喚するニチアサちゃんは居なくなっており、どうすれば良いんだろう。


 そう思っていた時である。


 ===== ===== =====
 【世界球体】を使って 【黄金召喚】を 行います
 ===== ===== =====
 

 次の対戦相手、正確にはその前の物体が現れたのは。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

スキル盗んで何が悪い!

大都督
ファンタジー
"スキル"それは誰もが欲しがる物 "スキル"それは人が持つには限られた能力 "スキル"それは一人の青年の運命を変えた力  いつのも日常生活をおくる彼、大空三成(オオゾラミツナリ)彼は毎日仕事をし、終われば帰ってゲームをして遊ぶ。そんな毎日を繰り返していた。  本人はこれからも続く生活だと思っていた。  そう、あのゲームを起動させるまでは……  大人気商品ワールドランド、略してWL。  ゲームを始めると指先一つリアルに再現、ゲーマーである主人公は感激と喜び物語を勧めていく。  しかし、突然目の前に現れた女の子に思わぬ言葉を聞かさせる……  女の子の正体は!? このゲームの目的は!?  これからどうするの主人公!  【スキル盗んで何が悪い!】始まります!

俺だけ永久リジェネな件 〜パーティーを追放されたポーション生成師の俺、ポーションがぶ飲みで得た無限回復スキルを何故かみんなに狙われてます!〜

早見羽流
ファンタジー
ポーション生成師のリックは、回復魔法使いのアリシアがパーティーに加入したことで、役たたずだと追放されてしまう。 食い物に困って余ったポーションを飲みまくっていたら、気づくとHPが自動で回復する「リジェネレーション」というユニークスキルを発現した! しかし、そんな便利なスキルが放っておかれるわけもなく、はぐれ者の魔女、孤高の天才幼女、マッドサイエンティスト、魔女狩り集団、最強の仮面騎士、深窓の令嬢、王族、謎の巨乳魔術師、エルフetc、ヤバい奴らに狙われることに……。挙句の果てには人助けのために、危険な組織と対決することになって……? 「俺はただ平和に暮らしたいだけなんだぁぁぁぁぁ!!!」 そんなリックの叫びも虚しく、王国中を巻き込んだ動乱に巻き込まれていく。 無双あり、ざまぁあり、ハーレムあり、戦闘あり、友情も恋愛もありのドタバタファンタジー!

のほほん異世界暮らし

みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。 それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。

スマートシステムで異世界革命

小川悟
ファンタジー
/// 毎日19時に投稿する予定です。 /// ★☆★ システム開発の天才!異世界転移して魔法陣構築で生産チート! ★☆★ 新道亘《シンドウアタル》は、自分でも気が付かないうちにボッチ人生を歩み始めていた。 それならボッチ卒業の為に、現実世界のしがらみを全て捨て、新たな人生を歩もうとしたら、異世界女神と事故で現実世界のすべてを捨て、やり直すことになってしまった。 異世界に行くために、新たなスキルを神々と作ったら、とんでもなく生産チートなスキルが出来上がる。 スマフォのような便利なスキルで異世界に生産革命を起こします! 序章(全5話)異世界転移までの神々とのお話しです 第1章(全12話+1話)転生した場所での検証と訓練 第2章(全13話+1話)滞在先の街と出会い 第3章(全44話+4話)遺産活用と結婚 第4章(全17話)ダンジョン探索 第5章(執筆中)公的ギルド? ※第3章以降は少し内容が過激になってきます。 上記はあくまで予定です。 カクヨムでも投稿しています。

勘当貴族なオレのクズギフトが強すぎる! ×ランクだと思ってたギフトは、オレだけ使える無敵の能力でした

赤白玉ゆずる
ファンタジー
【コミックス第1巻発売です!】 早ければ、電子書籍版は2/18から販売開始、紙書籍は2/19に店頭に並ぶことと思います。 皆様どうぞよろしくお願いいたします。 【10/23コミカライズ開始!】 『勘当貴族なオレのクズギフトが強すぎる!』のコミカライズが連載開始されました! 颯希先生が描いてくださるリュークやアニスたちが本当に素敵なので、是非ご覧になってくださいませ。 【第2巻が発売されました!】 今回も改稿や修正を頑張りましたので、皆様どうぞよろしくお願いいたします。 イラストは蓮禾先生が担当してくださいました。サクヤとポンタ超可愛いですよ。ゾンダールもシブカッコイイです! 素晴らしいイラストの数々が載っておりますので、是非見ていただけたら嬉しいです。 【ストーリー紹介】 幼い頃、孤児院から引き取られた主人公リュークは、養父となった侯爵から酷い扱いを受けていた。 そんなある日、リュークは『スマホ』という史上初の『Xランク』スキルを授かる。 養父は『Xランク』をただの『バツランク』だと馬鹿にし、リュークをきつくぶん殴ったうえ、親子の縁を切って家から追い出す。 だが本当は『Extraランク』という意味で、超絶ぶっちぎりの能力を持っていた。 『スマホ』の能力――それは鑑定、検索、マップ機能、動物の言葉が翻訳ができるほか、他人やモンスターの持つスキル・魔法などをコピーして取得が可能なうえ、写真に撮ったものを現物として出せたり、合成することで強力な魔導装備すら製作できる最凶のものだった。 貴族家から放り出されたリュークは、朱鷺色の髪をした天才美少女剣士アニスと出会う。 『剣姫』の二つ名を持つアニスは雲の上の存在だったが、『スマホ』の力でリュークは成り上がり、徐々にその関係は接近していく。 『スマホ』はリュークの成長とともにさらに進化し、最弱の男はいつしか世界最強の存在へ……。 どん底だった主人公が一発逆転する物語です。 ※別小説『ぶっ壊れ錬金術師(チート・アルケミスト)はいつか本気を出してみたい 魔導と科学を極めたら異世界最強になったので、自由気ままに生きていきます』も書いてますので、そちらもどうぞよろしくお願いいたします。

クラス召喚に巻き込まれてしまいました…… ~隣のクラスがクラス召喚されたけど俺は別のクラスなのでお呼びじゃないみたいです~

はなとすず
ファンタジー
俺は佐藤 響(さとう ひびき)だ。今年、高校一年になって高校生活を楽しんでいる。 俺が通う高校はクラスが4クラスある。俺はその中で2組だ。高校には仲のいい友達もいないしもしかしたらこのままボッチかもしれない……コミュニケーション能力ゼロだからな。 ある日の昼休み……高校で事は起こった。 俺はたまたま、隣のクラス…1組に行くと突然教室の床に白く光る模様が現れ、その場にいた1組の生徒とたまたま教室にいた俺は異世界に召喚されてしまった。 しかも、召喚した人のは1組だけで違うクラスの俺はお呼びじゃないらしい。だから俺は、一人で異世界を旅することにした。 ……この物語は一人旅を楽しむ俺の物語……のはずなんだけどなぁ……色々、トラブルに巻き込まれながら俺は異世界生活を謳歌します!

異世界でリサイクルショップ!俺の高価買取り!

理太郎
ファンタジー
坂木 新はリサイクルショップの店員だ。 ある日、買い取りで査定に不満を持った客に恨みを持たれてしまう。 仕事帰りに襲われて、気が付くと見知らぬ世界のベッドの上だった。

屑スキルが覚醒したら追放されたので、手伝い屋を営みながら、のんびりしてたのに~なんか色々たいへんです

わたなべ ゆたか
ファンタジー
タムール大陸の南よりにあるインムナーマ王国。王都タイミョンの軍事訓練場で、ランド・コールは軍に入るための最終試験に挑む。対戦相手は、《ダブルスキル》の異名を持つゴガルン。 対するランドの持つ《スキル》は、左手から棘が一本出るだけのもの。 剣技だけならゴガルン以上を自負するランドだったが、ゴガルンの《スキル》である〈筋力増強〉と〈遠当て〉に翻弄されてしまう。敗北する寸前にランドの《スキル》が真の力を発揮し、ゴガルンに勝つことができた。だが、それが原因で、ランドは王都を追い出されてしまった。移住した村で、〝手伝い屋〟として、のんびりとした生活を送っていた。だが、村に来た領地の騎士団に所属する騎馬が、ランドの生活が一変する切っ掛けとなる――。チート系スキル持ちの主人公のファンタジーです。楽しんで頂けたら、幸いです。 よろしくお願いします! (7/15追記  一晩でお気に入りが一気に増えておりました。24Hポイントが2683! ありがとうございます!  (9/9追記  三部の一章-6、ルビ修正しました。スイマセン (11/13追記 一章-7 神様の名前修正しました。 追記 異能(イレギュラー)タグを追加しました。これで検索しやすくなるかな……。

処理中です...