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第4章『ダンジョンの試練、最強の黒鬼と雪ん子に師匠?!/雪ん子(オーバーロード)の章』
第137話 第2回戦:雪ん子の天敵、空亡(2)
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「《あぅん?!》」
----雪ん子が足を踏み出すと共に、突如として現れたバナナの皮に転んで滑ってコケていた。
「《こなくそぉ!!》」
----剣を振ろうとして、雪ん子の頭にタライが落ちて痛がっていた。
「《ううんっ?!》」
----それでも攻撃しようと空亡に近付こうとして、雪ん子は落とし穴に足を踏み入れて落っこちていた。
雪ん子が空亡に攻撃しようとする度に、雪ん子に不幸が訪れる。
バナナの皮、タライ、落とし穴……どこぞのバラエティー番組かってぐらいに、雑な仕掛けを受け続ける雪ん子。
「う~♪ マンボぉ♪ イェ~イ、めっちゃ術中にハマってて、楽しいですねぇ、あるじぃ!」
空亡はマラカスを楽しそうに振りつつ、マイクで楽しそうに熱唱していた。
……うん、戦いかな? アレは?
「(恐らくは空亡が持つ能力と言うよりも、職業の方の力と言う感じだろうか?)」
だとしても、確か空亡の職業って【シンデレラ】とか表記が出てたような?
それがどうして、あんなドッキリバラエティーみたいな使い方になるのだろう?
「《ピピピィィィ! もウ怒っタ!》」
あまりの理不尽な攻撃に、雪ん子がキレた。
何回目なのかは覚えてない、ゴミを頭からぶっ被ってゴミ塗れとなった彼女の髪が、青い炎に包まれる。
そしてポッキリと折れていたはずの剣が、青い炎を纏って再生していた。
===== ===== =====
強力な殺意を 解放しました
特殊条件を 解放しました
【殺意の目】が 進化します
……
…………
……………………
【殺意の目】は進化し 【神呪の目】を 会得しました
【神呪の目】;世の理不尽を呪い、神をも殺したいと願う気持ちが起こした奇跡のスキル。神を疎むそのスキルにより、新たなる四大力【オーバーロード】を扱えるようになります
===== ===== =====
雪ん子の、【オーバーロード】形態。
青い炎を纏った、雪ん子の強化形態に、彼女は再びなっていた。
彼女の髪は青い炎に包まれており、手や剣にも同じように青い炎が宿っていた。
蒼炎を纏った雪ん子は、蒼炎の剣と共に空亡を睨みつけていた。
「……え? イメチェン?」
「《一気に行クッ!!》」
雪ん子は言葉通り、一気に攻める。
タライやバナナの皮、突風やら爆発やらが雪ん子を襲うが、それらは青い炎によって、全部ぶっ潰していた。
「《止メっ!!》」
「【シンデレラ】スキル、【銀の踊り蹴り】!」
蒼炎を纏った剣による鋭い突きを、空亡は銀の靴で雪ん子の身体を蹴り飛ばしていた。
蒼炎の剣を振るう雪ん子と、空亡の銀の靴を履いての蹴りの応酬。
剣と蹴りが飛び交い、雪ん子と空亡の戦いは激しさを増すのであった。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「イメチェンしようが、一緒だね☆ メイクで変えれるのは姿だけだからね、基が妖怪である限りはこの空ちゃんには絶対に勝てないんだかね☆ きらぁ~ん☆」
こちらに飛び込んできた雪ん子を、空亡は靴で蹴りつけて距離を取る。
そして軽い調子で相手を挑発している空亡ではあったが、その心の中では自分の身体に傷がつけられている事に驚いていた。
「(まさか、雪ん子がうちにダメージを与えられるだなんて。今の種族は【雪の女神ポリアフ】とあるけど、基は妖怪の彼女が、うちにちょっとでもダメージを与えるだなんてね)」
百鬼夜行の王である空亡は、妖怪達の王であり、妖怪達にとっての神である。
故に【百鬼夜行の王】という、"相手が妖怪である限り、ダメージを受ける事はない"という固有スキルを持っている。
それなのに、妖怪を基にして召喚された召喚獣の雪ん子が、自分に傷をつけた。
「(流石は、【オーバーロード】の力だねっ!)」
空亡は、雪ん子が今しがた使っている四大力【オーバーロード】を賞賛していた。
何故、賞賛したのかと言われれば、その力を出させることが、空亡が召喚された意味だからである。
そもそも【イメージ召喚】とは、召喚主が心の中に思い浮かべている物を具現化して与えて、召喚する力であり、言うなれば【召喚士】が考えている事で存在を書き換える力である。
雪ん子は手袋に星の模様を入れられただけなので、動きをある程度コントロールされるくらいだが、空亡は違った。
日野シティーミティーの【イメージ召喚】の力によって、全身を【カラオケ】というテーマでトータルコーディネートされた空亡には、召喚主である日野シティーミティーの想いがある程度流れ込んでいたのである。
空亡が召喚された理由----それは雪ん子に【オーバーロード】を習得させること。
そのために、【オーバーロード】を使わなければ倒せない相手として、空亡が召喚されたのである。
【オーバーロード】とは、四大力を越えた四大力。
その力は、摂理や倫理を大きく超える力。
例えば、『相手をたった1回、剣を振るだけで、100回以上斬り伏せた』という、突拍子もない攻撃があったとする。
あまりにも突拍子もない攻撃ではあるが、四大力を使えば実現できなくはない。
肉体強化の【オーラ】ならば目にも見えない速さで100回以上斬りつけ。
魔法使用の【マナ】ならば1振り分の剣の威力を100回分に増やし。
性質変化の【スピリット】ならば100回以上斬りつけるまで消えない斬撃に性質を変化させ。
治療性質の【プラーナ】ならば斬撃を与えた後に、傷がどんどん広がるような治療をしておく。
----とまぁ、他の四大力でも、力を行使すれば出来ない事もない。
さて、肝心の【オーバーロード】ならば、どうなるかと言われれば、文字通り、そうなるとしか言いようがない。
たった1回、剣を振ればそれと同時に、100回分振った際の斬撃が発動する。
因果や結果すらも書き換えて、望んでる結果に変化させる----それが【オーバーロード】の力。
本来、妖怪を基にしていれば絶対に傷一つ負わせることが出来ない空亡に、攻撃を当てられたのが、【オーバーロード】を使っている証明と言えよう。
「(ただまぁ、まだ粗いなぁ)」
今の雪ん子は、【オーバーロード】を使えるだけ。
現に、空亡を倒せずにいるのだから。
「(音程外れまくってたら、加点入らなくて点数高くならないのと同じだよ☆ 音出てるだけじゃあ、カラオケでは良い点を叩きだせないんだから!)」
「(もう少し追い込む必要があるな)」と空亡は感じて、さらに攻撃を激しくするのであった。
----雪ん子が足を踏み出すと共に、突如として現れたバナナの皮に転んで滑ってコケていた。
「《こなくそぉ!!》」
----剣を振ろうとして、雪ん子の頭にタライが落ちて痛がっていた。
「《ううんっ?!》」
----それでも攻撃しようと空亡に近付こうとして、雪ん子は落とし穴に足を踏み入れて落っこちていた。
雪ん子が空亡に攻撃しようとする度に、雪ん子に不幸が訪れる。
バナナの皮、タライ、落とし穴……どこぞのバラエティー番組かってぐらいに、雑な仕掛けを受け続ける雪ん子。
「う~♪ マンボぉ♪ イェ~イ、めっちゃ術中にハマってて、楽しいですねぇ、あるじぃ!」
空亡はマラカスを楽しそうに振りつつ、マイクで楽しそうに熱唱していた。
……うん、戦いかな? アレは?
「(恐らくは空亡が持つ能力と言うよりも、職業の方の力と言う感じだろうか?)」
だとしても、確か空亡の職業って【シンデレラ】とか表記が出てたような?
それがどうして、あんなドッキリバラエティーみたいな使い方になるのだろう?
「《ピピピィィィ! もウ怒っタ!》」
あまりの理不尽な攻撃に、雪ん子がキレた。
何回目なのかは覚えてない、ゴミを頭からぶっ被ってゴミ塗れとなった彼女の髪が、青い炎に包まれる。
そしてポッキリと折れていたはずの剣が、青い炎を纏って再生していた。
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強力な殺意を 解放しました
特殊条件を 解放しました
【殺意の目】が 進化します
……
…………
……………………
【殺意の目】は進化し 【神呪の目】を 会得しました
【神呪の目】;世の理不尽を呪い、神をも殺したいと願う気持ちが起こした奇跡のスキル。神を疎むそのスキルにより、新たなる四大力【オーバーロード】を扱えるようになります
===== ===== =====
雪ん子の、【オーバーロード】形態。
青い炎を纏った、雪ん子の強化形態に、彼女は再びなっていた。
彼女の髪は青い炎に包まれており、手や剣にも同じように青い炎が宿っていた。
蒼炎を纏った雪ん子は、蒼炎の剣と共に空亡を睨みつけていた。
「……え? イメチェン?」
「《一気に行クッ!!》」
雪ん子は言葉通り、一気に攻める。
タライやバナナの皮、突風やら爆発やらが雪ん子を襲うが、それらは青い炎によって、全部ぶっ潰していた。
「《止メっ!!》」
「【シンデレラ】スキル、【銀の踊り蹴り】!」
蒼炎を纏った剣による鋭い突きを、空亡は銀の靴で雪ん子の身体を蹴り飛ばしていた。
蒼炎の剣を振るう雪ん子と、空亡の銀の靴を履いての蹴りの応酬。
剣と蹴りが飛び交い、雪ん子と空亡の戦いは激しさを増すのであった。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「イメチェンしようが、一緒だね☆ メイクで変えれるのは姿だけだからね、基が妖怪である限りはこの空ちゃんには絶対に勝てないんだかね☆ きらぁ~ん☆」
こちらに飛び込んできた雪ん子を、空亡は靴で蹴りつけて距離を取る。
そして軽い調子で相手を挑発している空亡ではあったが、その心の中では自分の身体に傷がつけられている事に驚いていた。
「(まさか、雪ん子がうちにダメージを与えられるだなんて。今の種族は【雪の女神ポリアフ】とあるけど、基は妖怪の彼女が、うちにちょっとでもダメージを与えるだなんてね)」
百鬼夜行の王である空亡は、妖怪達の王であり、妖怪達にとっての神である。
故に【百鬼夜行の王】という、"相手が妖怪である限り、ダメージを受ける事はない"という固有スキルを持っている。
それなのに、妖怪を基にして召喚された召喚獣の雪ん子が、自分に傷をつけた。
「(流石は、【オーバーロード】の力だねっ!)」
空亡は、雪ん子が今しがた使っている四大力【オーバーロード】を賞賛していた。
何故、賞賛したのかと言われれば、その力を出させることが、空亡が召喚された意味だからである。
そもそも【イメージ召喚】とは、召喚主が心の中に思い浮かべている物を具現化して与えて、召喚する力であり、言うなれば【召喚士】が考えている事で存在を書き換える力である。
雪ん子は手袋に星の模様を入れられただけなので、動きをある程度コントロールされるくらいだが、空亡は違った。
日野シティーミティーの【イメージ召喚】の力によって、全身を【カラオケ】というテーマでトータルコーディネートされた空亡には、召喚主である日野シティーミティーの想いがある程度流れ込んでいたのである。
空亡が召喚された理由----それは雪ん子に【オーバーロード】を習得させること。
そのために、【オーバーロード】を使わなければ倒せない相手として、空亡が召喚されたのである。
【オーバーロード】とは、四大力を越えた四大力。
その力は、摂理や倫理を大きく超える力。
例えば、『相手をたった1回、剣を振るだけで、100回以上斬り伏せた』という、突拍子もない攻撃があったとする。
あまりにも突拍子もない攻撃ではあるが、四大力を使えば実現できなくはない。
肉体強化の【オーラ】ならば目にも見えない速さで100回以上斬りつけ。
魔法使用の【マナ】ならば1振り分の剣の威力を100回分に増やし。
性質変化の【スピリット】ならば100回以上斬りつけるまで消えない斬撃に性質を変化させ。
治療性質の【プラーナ】ならば斬撃を与えた後に、傷がどんどん広がるような治療をしておく。
----とまぁ、他の四大力でも、力を行使すれば出来ない事もない。
さて、肝心の【オーバーロード】ならば、どうなるかと言われれば、文字通り、そうなるとしか言いようがない。
たった1回、剣を振ればそれと同時に、100回分振った際の斬撃が発動する。
因果や結果すらも書き換えて、望んでる結果に変化させる----それが【オーバーロード】の力。
本来、妖怪を基にしていれば絶対に傷一つ負わせることが出来ない空亡に、攻撃を当てられたのが、【オーバーロード】を使っている証明と言えよう。
「(ただまぁ、まだ粗いなぁ)」
今の雪ん子は、【オーバーロード】を使えるだけ。
現に、空亡を倒せずにいるのだから。
「(音程外れまくってたら、加点入らなくて点数高くならないのと同じだよ☆ 音出てるだけじゃあ、カラオケでは良い点を叩きだせないんだから!)」
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