45 / 354
第2章『新たな召喚獣、新たな世界/ファイントの章』
第44話 『ベンチャーちゃん』(1)
しおりを挟む
その日は、冒険者部に【伝えれなかった裏武芸指南書】というアイテムを渡しに行った日のことだった。
どんな業界にも需要と供給という物はあるようで、俺には必要ではなかったそれは、俺の目の前で一瞬にして部員さんが持って行ってしまった。
「(いやぁ~、俺的にはこの【お地蔵様の剣】の方がよっぽど良いと思うが)」
回復量がたったの1だけとはいえ、この剣は斬り続ければどんどん回復し続ける剣だ。
まぁ、剣全体が石で出来てるし、普通に重いんだけれども、これは雪ん子の新たな武器として渡しておこうか。
【伝えれなかった裏武芸指南書】という、要らないアイテムと交換して手に入れたにしては、破格の性能であると言えよう。
「しっかし、なかなか【黄金召喚】に使えそうなのが手に入らないな」
一度、【黄金召喚】の仕様確認のために、ダンジョンに落ちてたので拾った【光る石】というアイテムで、召喚を試みたところ、このような画面が出た。
===== ===== =====
【光る石】を使って どのタイプの 召喚獣を 召喚しますか
次の5つのタイプからお選びください
・鳥獣族(鳥型や獣型などの召喚獣類)⇒【ライトキマイラ】
;爪や尻尾が【光る石】で出来ている、光るキマイラ型召喚獣。光は照明程度の明るさで、尻尾で獲物の注意を引いてから仕掛ける
・機械族(機械型の召喚獣類)⇒【ライトランサー】
;全身が【光る石】の、槍を持つ騎士を思わせる召喚獣。下半身が馬になっており、ケンタウロスとも思われ、槍の光で相手の目を眩ませてから一気に叩く戦術を得意とする
・戦士族(著名な人間型の召喚獣類)⇒【光の柄持ち】
;とある騎士団に仕えていたとされる、従騎士の召喚獣。主から預かった【光る石】が組み込まれた柄を大切に守りながら戦う、義理堅い騎士
・精霊族(精霊型や天使型などの召喚獣類)⇒【光の小精霊アン】
;【光る石】に宿っていた、下級精霊型の召喚獣。"アン"とは"1"を意味する言葉で、一番位が下なことを意味しており、同時に世界中に一番多くいることも示していて、戦う際は周囲の他の小精霊アンを呼び出して集団で攻撃する
・邪霊族(悪魔型や幽霊型などの召喚獣類)⇒【ライティー・ジャックランタン】
;【光る石】をランプの中に隠して、相手を誘い出す邪霊型の召喚獣類。顔のかぼちゃは彼らの悪戯好きの性質が色濃く浮かんでおり、戦いの際はランプの中に隠してある火を浴びせる
===== ===== =====
----とまぁ、どうやら【黄金召喚】では、5つの種族の中から召喚したい召喚獣を選ぶみたいだ。
【折られた勇者の聖剣】を対象に行ってみた際も、似たような画面が出てきたため、どうやら【黄金召喚】ではこれらしか選べないみたいだ。
俺が今まで召喚してきた召喚獣で分けるとしたら、雪ん子は精霊族、ゴブリンやスケルトンは邪霊族と言った具合だろうか?
精霊型召喚獣であるファイントは、このどれに分類されるか分からんが。
まぁ、分かった事と言えば、使ったアイテムが身体の一部になっていること。
そして、5つのタイプのどれかで召喚できるって事だな。
赤坂先輩から教えてもらった目当てのアイテムを手に入れたとしても、5つとも、気に入らなかったら、別のアイテムを考えないとならないな。
「それに、雪ん子の問題もあるし……」
俺は、神様から与えられた命題のせいで、他の冒険者とパーティーが組めない。
だからと言って、今の《悪の手先》なんて、不吉そうな称号を持つ雪ん子とダンジョンを攻略し続けたら、いつかきっと、他の冒険者達に鑑定されて、大変なことになるかも……。
称号を変える方法なんて、どうやって変えたかも分からないから、分からないんだよな。
「うーむ……やることがいっぱいだ」
何から手を付けておくべきか。
そんな事を考えながら、玄関に向かって、学校の廊下を歩いていると、ふと掲示板が目に入った。
掲示板には野球部や卓球部、美術部に吹奏楽部など、王道の部活達の部員募集の張り紙がずらりと、所狭しに貼られている。
いつもの、見慣れた光景の中、俺は隅っこの様に、まるで隠れるようにして貼られていたその紙に、自然と眼が吸い寄せられていた。
その紙には電話番号がかかれており、俺はその場でその番号に電話を掛けた。
『冒険者部の皆さん! 困ったことがあったら、道具作りの名人たる我にお任せ!
出張、冒険便利アイテム作成!
アイテム制作ベンチャー企業 取締役 花弁千夜葉まで!』
どんな業界にも需要と供給という物はあるようで、俺には必要ではなかったそれは、俺の目の前で一瞬にして部員さんが持って行ってしまった。
「(いやぁ~、俺的にはこの【お地蔵様の剣】の方がよっぽど良いと思うが)」
回復量がたったの1だけとはいえ、この剣は斬り続ければどんどん回復し続ける剣だ。
まぁ、剣全体が石で出来てるし、普通に重いんだけれども、これは雪ん子の新たな武器として渡しておこうか。
【伝えれなかった裏武芸指南書】という、要らないアイテムと交換して手に入れたにしては、破格の性能であると言えよう。
「しっかし、なかなか【黄金召喚】に使えそうなのが手に入らないな」
一度、【黄金召喚】の仕様確認のために、ダンジョンに落ちてたので拾った【光る石】というアイテムで、召喚を試みたところ、このような画面が出た。
===== ===== =====
【光る石】を使って どのタイプの 召喚獣を 召喚しますか
次の5つのタイプからお選びください
・鳥獣族(鳥型や獣型などの召喚獣類)⇒【ライトキマイラ】
;爪や尻尾が【光る石】で出来ている、光るキマイラ型召喚獣。光は照明程度の明るさで、尻尾で獲物の注意を引いてから仕掛ける
・機械族(機械型の召喚獣類)⇒【ライトランサー】
;全身が【光る石】の、槍を持つ騎士を思わせる召喚獣。下半身が馬になっており、ケンタウロスとも思われ、槍の光で相手の目を眩ませてから一気に叩く戦術を得意とする
・戦士族(著名な人間型の召喚獣類)⇒【光の柄持ち】
;とある騎士団に仕えていたとされる、従騎士の召喚獣。主から預かった【光る石】が組み込まれた柄を大切に守りながら戦う、義理堅い騎士
・精霊族(精霊型や天使型などの召喚獣類)⇒【光の小精霊アン】
;【光る石】に宿っていた、下級精霊型の召喚獣。"アン"とは"1"を意味する言葉で、一番位が下なことを意味しており、同時に世界中に一番多くいることも示していて、戦う際は周囲の他の小精霊アンを呼び出して集団で攻撃する
・邪霊族(悪魔型や幽霊型などの召喚獣類)⇒【ライティー・ジャックランタン】
;【光る石】をランプの中に隠して、相手を誘い出す邪霊型の召喚獣類。顔のかぼちゃは彼らの悪戯好きの性質が色濃く浮かんでおり、戦いの際はランプの中に隠してある火を浴びせる
===== ===== =====
----とまぁ、どうやら【黄金召喚】では、5つの種族の中から召喚したい召喚獣を選ぶみたいだ。
【折られた勇者の聖剣】を対象に行ってみた際も、似たような画面が出てきたため、どうやら【黄金召喚】ではこれらしか選べないみたいだ。
俺が今まで召喚してきた召喚獣で分けるとしたら、雪ん子は精霊族、ゴブリンやスケルトンは邪霊族と言った具合だろうか?
精霊型召喚獣であるファイントは、このどれに分類されるか分からんが。
まぁ、分かった事と言えば、使ったアイテムが身体の一部になっていること。
そして、5つのタイプのどれかで召喚できるって事だな。
赤坂先輩から教えてもらった目当てのアイテムを手に入れたとしても、5つとも、気に入らなかったら、別のアイテムを考えないとならないな。
「それに、雪ん子の問題もあるし……」
俺は、神様から与えられた命題のせいで、他の冒険者とパーティーが組めない。
だからと言って、今の《悪の手先》なんて、不吉そうな称号を持つ雪ん子とダンジョンを攻略し続けたら、いつかきっと、他の冒険者達に鑑定されて、大変なことになるかも……。
称号を変える方法なんて、どうやって変えたかも分からないから、分からないんだよな。
「うーむ……やることがいっぱいだ」
何から手を付けておくべきか。
そんな事を考えながら、玄関に向かって、学校の廊下を歩いていると、ふと掲示板が目に入った。
掲示板には野球部や卓球部、美術部に吹奏楽部など、王道の部活達の部員募集の張り紙がずらりと、所狭しに貼られている。
いつもの、見慣れた光景の中、俺は隅っこの様に、まるで隠れるようにして貼られていたその紙に、自然と眼が吸い寄せられていた。
その紙には電話番号がかかれており、俺はその場でその番号に電話を掛けた。
『冒険者部の皆さん! 困ったことがあったら、道具作りの名人たる我にお任せ!
出張、冒険便利アイテム作成!
アイテム制作ベンチャー企業 取締役 花弁千夜葉まで!』
0
お気に入りに追加
190
あなたにおすすめの小説
嵌められたオッサン冒険者、Sランクモンスター(幼体)に懐かれたので、その力で復讐しようと思います
ゆさま
ファンタジー
美少女パーティーにオヤジ狩りの標的にされ、生死の境をさまよっていたら、Sランクモンスターに懐かれてしまった、ベテランオッサン冒険者のお話。
懐いたモンスターが成長し、美女に擬態できるようになって迫ってきます。どうするオッサン!?

玲子さんは自重しない~これもある種の異世界転生~
やみのよからす
ファンタジー
病院で病死したはずの月島玲子二十五歳大学研究職。目を覚ますと、そこに広がるは広大な森林原野、後ろに控えるは赤いドラゴン(ニヤニヤ)、そんな自分は十歳の体に(材料が足りませんでした?!)。
時は、自分が死んでからなんと三千万年。舞台は太陽系から離れて二百二十五光年の一惑星。新しく作られた超科学なミラクルボディーに生前の記憶を再生され、地球で言うところの中世後半くらいの王国で生きていくことになりました。
べつに、言ってはいけないこと、やってはいけないことは決まっていません。ドラゴンからは、好きに生きて良いよとお墨付き。実現するのは、はたは理想の社会かデストピアか?。
月島玲子、自重はしません!。…とは思いつつ、小市民な私では、そんな世界でも暮らしていく内に周囲にいろいろ絆されていくわけで。スーパー玲子の明日はどっちだ?
カクヨムにて一週間ほど先行投稿しています。
書き溜めは100話越えてます…
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

荷物持ちの代名詞『カード収納スキル』を極めたら異世界最強の運び屋になりました
夢幻の翼
ファンタジー
使い勝手が悪くて虐げられている『カード収納スキル』をメインスキルとして与えられた転生系主人公の成り上がり物語になります。
スキルがレベルアップする度に出来る事が増えて周りを巻き込んで世の中の発展に貢献します。
ハーレムものではなく正ヒロインとのイチャラブシーンもあるかも。
驚きあり感動ありニヤニヤありの物語、是非一読ください。
※カクヨムで先行配信をしています。

俺のスキルが無だった件
しょうわな人
ファンタジー
会社から帰宅中に若者に親父狩りされていた俺、神城闘史(かみしろとうじ)。
攻撃してきたのを捌いて、逃れようとしていた時に眩しい光に包まれた。
気がつけば、見知らぬ部屋にいた俺と俺を狩ろうとしていた若者五人。
偉そうな爺さんにステータスオープンと言えと言われて素直に従った。
若者五人はどうやら爺さんを満足させたらしい。が、俺のステータスは爺さんからすればゴミカスと同じだったようだ。
いきなり金貨二枚を持たされて放り出された俺。しかし、スキルの真価を知り人助け(何でも屋)をしながら異世界で生活する事になった。
【お知らせ】
カクヨムで掲載、完結済の当作品を、微修正してこちらで再掲載させて貰います。よろしくお願いします。

家の庭にレアドロップダンジョンが生えた~神話級のアイテムを使って普通のダンジョンで無双します~
芦屋貴緒
ファンタジー
売れないイラストレーターである里見司(さとみつかさ)の家にダンジョンが生えた。
駆除業者も呼ぶことができない金欠ぶりに「ダンジョンで手に入れたものを売ればいいのでは?」と考え潜り始める。
だがそのダンジョンで手に入るアイテムは全て他人に譲渡できないものだったのだ。
彼が財宝を鑑定すると驚愕の事実が判明する。
経験値も金にもならないこのダンジョン。
しかし手に入るものは全て高ランクのダンジョンでも入手困難なレアアイテムばかり。
――じゃあ、アイテムの力で強くなって普通のダンジョンで稼げばよくない?

白雪姫の継母の夫に転生したっぽいんだが妻も娘も好きすぎるんで、愛しい家族を守るためにハッピーエンドを目指します
めぐめぐ
ファンタジー
※完結保証※
エクペリオン王国の国王レオンは、頭を打った拍子に前世の記憶――自分が井上拓真という人間であり、女神の八つ当たりで死んだ詫びとして、今世では王族として生まれ、さらにチート能力を一つ授けて貰う約束をして転生したこと――を思い出した。
同時に、可愛すぎる娘が【白雪姫】と呼ばれていること、冷え切った関係である後妻が、夜な夜な鏡に【世界で一番美しい人間】を問うている噂があることから、この世界が白雪姫の世界ではないかと気付いたレオンは、愛する家族を守るために、破滅に突き進む妻を救うため、まずは元凶である魔法の鏡をぶっ壊すことを決意する。
しかし元凶である鏡から、レオン自身が魔法の鏡に成りすまし、妻が破滅しないように助言すればいいのでは? と提案され、鏡越しに対峙した妻は、
「あぁ……陛下……今日も素敵過ぎます……」
彼の知る姿とはかけ離れていた――
妻は何故破滅を目指すのか。
その謎を解き明かし、愛する家族とのハッピーエンドと、ラブラブな夫婦関係を目指す夫のお話。
何か色々と設定を入れまくった、混ぜるな危険恋愛ファンタジー
※勢いだけで進んでます! 頭からっぽでお楽しみください。
※あくまで白雪姫っぽい世界観ですので、「本来の白雪姫は~」というツッコミは心の中で。

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる