39 / 76
第39話 天才姫様の稽古相手は大変です配信
しおりを挟む
「まだまだ、いっくよぉ~」
私は、フランシアさんにさらに攻め込む。
私が剣で攻め込むと、フランシアさんの魔力による感知が反応して、私の剣を弾く。
フランシアさんが私の剣を弾く前に、避けて、彼女の身体を吹っ飛ばす。
「----っ!!」
フランシアさんは今のままだと良いようにやられるだけだと直感的に理解したのか、体中剣の構えを解いて、私に向かって斬りかかって来る。
良い判断なのかもしれないけれども、それは悪手である。
フランシアさんが私に攻め込むと共に、私の身体は自動的に彼女の剣を防ぐ。
そして、彼女の剣を防ぐとともに、彼女を再び斬りつける。
私が攻め込めば、フランシアさんの体中剣で防ごうとするも、私の剣はそれを避けて相手を斬る。
逆に、フランシアさんが攻め込めば、私は防ぎながら相手を弾き飛ばす。
相手が攻めようが、防ごうが、私は体中剣で防いだ上で相手に一撃を加える。
そんな風に一方的に攻めていると、フランシアさんは「凄いですね、師匠……」と褒めていた。
「隙が一切ない……流石は、師匠です」
フランシアさんが凄いと褒め称えるも、別に難しい技でも何でもない。
----ただ、『護りの剣』に『自動反撃』の魔術を組み込んでいるだけ。
相手が守りに徹すれば、自ら攻撃しに行って、『護りの剣』で弾かれるという攻撃に反撃。
一方で攻め込まれれば、『護りの剣』で防いだ上で反撃。
名付けて、『護る反撃の剣』。
体中剣で守りつつ、守った上で相手に反撃する----そういう戦闘技術である。
『護りの剣』である体中剣がしっかり出来ていれば、反撃の魔術を加えるという、ちょっとした仕込みを加えるだけで、ここまで強くなれるのである。
うんうん、『守りながら反撃する』って、理想的な戦闘技術だよね。
この戦闘技術だけで、たいていの相手には勝利できるね。
正直、フランシアさんに使うのも、勿体ない戦闘技術である。
何事も基本が大事とは、まさにこの事。
基本となる軸がしっかりしていれば、多少のアレンジを加えるだけで、ここまで強くなれるのだ。
だけれども、いまのままだとマズい。
私が押しているのは事実だが、彼女は体中剣の取得に関して、無自覚に魔力を使って対応する天才さんこと、フランシアさんである。
そんな天才さんに対して、『体中剣にカウンターの力を組み込んだら、再現できますよ』だけだと、すぐさま真似されてしまいそうな気がする。
という訳で、真似されない時間を出来る限り増やすために、別の技も交えておこう。
そうすれば、先のカウンターの理屈が判明して出来るようになったとしても、今からやる別の技を指導しておきなさいといっておけるから。
「すーっ」
私は大きく息を吸い込んで、身体の中に魔力を取り入れる。
魔術に使うのに、取り入れたのではなく、別の用途に使うために取り入れたのである。
前世で私は、"チャクラ"と呼ばれるモノの存在を認知している。
とある某忍者漫画で得たその知識は、身体の中で"チャクラ"を巡らせて、体術だの、忍術だのとして放っていたのだが、この世界には前世の世界には明らかになかった魔力という存在がある。
私はその魔力に、"チャクラ"の代わりをしてもらおうとしていた。
身体の中に魔力を巡らせ、身体全体を覆う。
これはこの世界では『身体強化魔法』として、身体能力を強化する魔法として知られているのだが、前世で"チャクラ"という知識を知る私はこの先を行う。
魔力で身体全体を覆いつつ、魔力の質自体に変化を強要する。
魔力の質に『重量化』を命じると、それに覆われている私の身体も鋼のように硬くなる。
----その名もずばり、『魔力武装』。
魔力を鎧のように武装して、その魔力の性質を変更する。
魔力の性質を変更することによって、身体全体を硬くしたり、柔らかくしたりする、私の戦闘技術である。
『魔力武装』の力によって鋼のように硬くした身体で、私はさっきと同じように体中剣を行って攻めに行く。
「----いきますっ!」
私が攻めてきたのを見て、フランシアさんが剣で攻め込んでくる。
さっきと同じように剣で防がれると思っていたフランシアさんだったが、私は剣で防がず、魔力によって硬くなった身体で防ぐ。
----カンッ!!
私の女らしい柔肌は剣を弾いて、それどころかフランシアさんの持っている剣に亀裂を与えていた。
「(体中剣はあくまでも身体に危害となる攻撃を弾いて、防ぐ。魔力操作によって身体自体を鋼のようにしている今の私にとっては、フランシアさんの剣術は脅威でないと判断したんだね)」
皮膚に攻撃したはずなのに剣の方が欠けてるのを驚いているようだけど、そんなフランシアさんに考える時間なんて与えません。
今日は師匠として訓練を施すのと同時に、フランシアさんをサンドバッグにしてストレス発散するのが目的なのだから。
その後、私は『魔力武装』によって身体を鋼のように固くしたり、紙のように軽くなって空高くふわふわと浮かぶ。
『護りの剣』である体中剣、それに魔術『自動反撃』と組み合わせて、私はストレス発散しまくるのであった。
……最後の方、体中剣に反撃をし出して対抗しだしたフランシアさんには、ちょっぴりドッキリしたけど。
やっぱこのお姫様ってば、才能の塊だわ、うん。
私は、フランシアさんにさらに攻め込む。
私が剣で攻め込むと、フランシアさんの魔力による感知が反応して、私の剣を弾く。
フランシアさんが私の剣を弾く前に、避けて、彼女の身体を吹っ飛ばす。
「----っ!!」
フランシアさんは今のままだと良いようにやられるだけだと直感的に理解したのか、体中剣の構えを解いて、私に向かって斬りかかって来る。
良い判断なのかもしれないけれども、それは悪手である。
フランシアさんが私に攻め込むと共に、私の身体は自動的に彼女の剣を防ぐ。
そして、彼女の剣を防ぐとともに、彼女を再び斬りつける。
私が攻め込めば、フランシアさんの体中剣で防ごうとするも、私の剣はそれを避けて相手を斬る。
逆に、フランシアさんが攻め込めば、私は防ぎながら相手を弾き飛ばす。
相手が攻めようが、防ごうが、私は体中剣で防いだ上で相手に一撃を加える。
そんな風に一方的に攻めていると、フランシアさんは「凄いですね、師匠……」と褒めていた。
「隙が一切ない……流石は、師匠です」
フランシアさんが凄いと褒め称えるも、別に難しい技でも何でもない。
----ただ、『護りの剣』に『自動反撃』の魔術を組み込んでいるだけ。
相手が守りに徹すれば、自ら攻撃しに行って、『護りの剣』で弾かれるという攻撃に反撃。
一方で攻め込まれれば、『護りの剣』で防いだ上で反撃。
名付けて、『護る反撃の剣』。
体中剣で守りつつ、守った上で相手に反撃する----そういう戦闘技術である。
『護りの剣』である体中剣がしっかり出来ていれば、反撃の魔術を加えるという、ちょっとした仕込みを加えるだけで、ここまで強くなれるのである。
うんうん、『守りながら反撃する』って、理想的な戦闘技術だよね。
この戦闘技術だけで、たいていの相手には勝利できるね。
正直、フランシアさんに使うのも、勿体ない戦闘技術である。
何事も基本が大事とは、まさにこの事。
基本となる軸がしっかりしていれば、多少のアレンジを加えるだけで、ここまで強くなれるのだ。
だけれども、いまのままだとマズい。
私が押しているのは事実だが、彼女は体中剣の取得に関して、無自覚に魔力を使って対応する天才さんこと、フランシアさんである。
そんな天才さんに対して、『体中剣にカウンターの力を組み込んだら、再現できますよ』だけだと、すぐさま真似されてしまいそうな気がする。
という訳で、真似されない時間を出来る限り増やすために、別の技も交えておこう。
そうすれば、先のカウンターの理屈が判明して出来るようになったとしても、今からやる別の技を指導しておきなさいといっておけるから。
「すーっ」
私は大きく息を吸い込んで、身体の中に魔力を取り入れる。
魔術に使うのに、取り入れたのではなく、別の用途に使うために取り入れたのである。
前世で私は、"チャクラ"と呼ばれるモノの存在を認知している。
とある某忍者漫画で得たその知識は、身体の中で"チャクラ"を巡らせて、体術だの、忍術だのとして放っていたのだが、この世界には前世の世界には明らかになかった魔力という存在がある。
私はその魔力に、"チャクラ"の代わりをしてもらおうとしていた。
身体の中に魔力を巡らせ、身体全体を覆う。
これはこの世界では『身体強化魔法』として、身体能力を強化する魔法として知られているのだが、前世で"チャクラ"という知識を知る私はこの先を行う。
魔力で身体全体を覆いつつ、魔力の質自体に変化を強要する。
魔力の質に『重量化』を命じると、それに覆われている私の身体も鋼のように硬くなる。
----その名もずばり、『魔力武装』。
魔力を鎧のように武装して、その魔力の性質を変更する。
魔力の性質を変更することによって、身体全体を硬くしたり、柔らかくしたりする、私の戦闘技術である。
『魔力武装』の力によって鋼のように硬くした身体で、私はさっきと同じように体中剣を行って攻めに行く。
「----いきますっ!」
私が攻めてきたのを見て、フランシアさんが剣で攻め込んでくる。
さっきと同じように剣で防がれると思っていたフランシアさんだったが、私は剣で防がず、魔力によって硬くなった身体で防ぐ。
----カンッ!!
私の女らしい柔肌は剣を弾いて、それどころかフランシアさんの持っている剣に亀裂を与えていた。
「(体中剣はあくまでも身体に危害となる攻撃を弾いて、防ぐ。魔力操作によって身体自体を鋼のようにしている今の私にとっては、フランシアさんの剣術は脅威でないと判断したんだね)」
皮膚に攻撃したはずなのに剣の方が欠けてるのを驚いているようだけど、そんなフランシアさんに考える時間なんて与えません。
今日は師匠として訓練を施すのと同時に、フランシアさんをサンドバッグにしてストレス発散するのが目的なのだから。
その後、私は『魔力武装』によって身体を鋼のように固くしたり、紙のように軽くなって空高くふわふわと浮かぶ。
『護りの剣』である体中剣、それに魔術『自動反撃』と組み合わせて、私はストレス発散しまくるのであった。
……最後の方、体中剣に反撃をし出して対抗しだしたフランシアさんには、ちょっぴりドッキリしたけど。
やっぱこのお姫様ってば、才能の塊だわ、うん。
0
お気に入りに追加
53
あなたにおすすめの小説
クラス転移、異世界に召喚された俺の特典が外れスキル『危険察知』だったけどあらゆる危険を回避して成り上がります
まるせい
ファンタジー
クラスごと集団転移させられた主人公の鈴木は、クラスメイトと違い訓練をしてもスキルが発現しなかった。
そんな中、召喚されたサントブルム王国で【召喚者】と【王候補】が協力をし、王選を戦う儀式が始まる。
選定の儀にて王候補を選ぶ鈴木だったがここで初めてスキルが発動し、数合わせの王族を選んでしまうことになる。
あらゆる危険を『危険察知』で切り抜けツンデレ王女やメイドとイチャイチャ生活。
鈴木のハーレム生活が始まる!
無能扱いされ会社を辞めさせられ、モフモフがさみしさで命の危機に陥るが懸命なナデナデ配信によりバズる~色々あって心と音速の壁を突破するまで~
ぐうのすけ
ファンタジー
大岩翔(オオイワ カケル・20才)は部長の悪知恵により会社を辞めて家に帰った。
玄関を開けるとモフモフ用座布団の上にペットが座って待っているのだが様子がおかしい。
「きゅう、痩せたか?それに元気もない」
ペットをさみしくさせていたと反省したカケルはペットを頭に乗せて大穴(ダンジョン)へと走った。
だが、大穴に向かう途中で小麦粉の大袋を担いだJKとぶつかりそうになる。
「パンを咥えて遅刻遅刻~ではなく原材料を担ぐJKだと!」
この奇妙な出会いによりカケルはヒロイン達と心を通わせ、心に抱えた闇を超え、心と音速の壁を突破する。
ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い
平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。
かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。
動物に好かれまくる体質の少年、ダンジョンを探索する 配信中にレッドドラゴンを手懐けたら大バズりしました!
海夏世もみじ
ファンタジー
旧題:動物に好かれまくる体質の少年、ダンジョン配信中にレッドドラゴン手懐けたら大バズりしました
動物に好かれまくる体質を持つ主人公、藍堂咲太《あいどう・さくた》は、友人にダンジョンカメラというものをもらった。
そのカメラで暇つぶしにダンジョン配信をしようということでダンジョンに向かったのだが、イレギュラーのレッドドラゴンが現れてしまう。
しかし主人公に攻撃は一切せず、喉を鳴らして好意的な様子。その様子が全て配信されており、拡散され、大バズりしてしまった!
戦闘力ミジンコ主人公が魔物や幻獣を手懐けながらダンジョンを進む配信のスタート!
一人だけ竜が宿っていた説。~異世界召喚されてすぐに逃げました~
十本スイ
ファンタジー
ある日、異世界に召喚された主人公――大森星馬は、自身の中に何かが宿っていることに気づく。驚くことにその正体は神とも呼ばれた竜だった。そのせいか絶大な力を持つことになった星馬は、召喚した者たちに好き勝手に使われるのが嫌で、自由を求めて一人その場から逃げたのである。そうして異世界を満喫しようと、自分に憑依した竜と楽しく会話しつつ旅をする。しかし世の中は乱世を迎えており、星馬も徐々に巻き込まれていくが……。
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第三章フェレスト王国エルフ編
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる