人間×ドラゴンのハーフの少年、地球侵略ドラゴン達と戦う-ハーフドラゴンのスバルくんっ!-

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Secret Ingredient of Chicken Soup -マイヨールの秘密-(後編)

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「‐‐‐‐スバルさん、聞いてほしいことがあるの」

 2人でお風呂からあがるなり、物々しい顔でマイヨールがそう告げる。
 その横でマグノリアが「是非とも、聞いてね! スバルさん!」と、ワクワクもんだぁ、みたいな顔をしている。

「(‐‐‐‐どうも、真面目な話が始まるみたいだ)」

 多分、お風呂に入っている間に話し合ったのだとは思うが、今の僕は龍の力を失っている。
 半分だけ龍の力があった頃だったら、このくらいの距離ならば聞こえていたんだけれども……。

「とりあえず、話は聞きますが‐‐‐‐それはしないと駄目なタイプ?」
「うんっ! してくれないと、協力しないんだから! ねっ!」

 僕達を過去の世界へと連れてきた龍を探し出し、そいつの力で元の世界に帰る。
 マグノリアには、その龍の捜索をお願いして、場合によっては手伝ってもらう。
 
 そういう、作戦であったはずである。

「(それなのに、マイヨールの話を聞かないと、協力しないとか……)」

 マグノリアが居なければ、そもそもの作戦事態が成り立たない。
 だから、僕はマイヨールの話を聞くことに、頷いていた。

「わっ! やっぱりスバルさんは優しいねぇ!
 ねっ? マイヨールちゃん、この人はちゃんと話を聞いてくれるって」
「その事については……その、元の世界で知ってますので。この人が、そう言うのをちゃんと聞いてくれるタイプの人……って言うのは」

 と、マイヨールはしんみりとした顔で、こう話し始める。

「実は……私、超能力者を率いる組織に入っているわけでして」
「うんうん」

 それに関しては、僕もすでに知っている。
 と言うか、それだからこそ僕は彼女にリチャード・ラフバラーを紹介して貰ったり、したのだから。

「それで、リーダーになるためには適性試験なんかをクリアしないとならなくて」
「まぁ、リーダー適性がないと、逆に危険になるかもしれないし。試験とかも必要なんじゃ……」
「えぇ、ただ超能力者として組織に入る以上に、リーダー試験と言うのは難しい訳です。
 強い能力を持っているというだけでなく、性格や頭脳といった所でも判断されますので」

 ----そりゃあ、難しい訳だ。
 だからこそ、それをクリアしてリーダーになった彼女が、凄いという話だろうか?

「でね、ですね。私がリーダーになる際に、私もその試験を受けたわけで」

 ‐‐‐‐見事に、落ちました。

 彼女はちょっぴり、言いづらそうにそう言った。

「‐‐‐‐私は、リーダーになる試験を、"不正合格"した人間。
 つまりは、裏口合格者なんです」



 マイヨール・ロスチャイルドが、超能力組織のリーダーになろうと思ったのは、組織に入って1年が経過した頃だった。

 その頃、組織内では様々な問題が起きていた。その問題とは、大型の犯罪者ヴィランが、彼女達の組織で管理していた監獄から逃げ出した事。
 その犯罪者は特殊能力こそないが、数々の犯罪を起こしてきた悪党で、これを捕まえる事でマイヨールはリーダーの1人として、部隊を預かる責任者リーダーとなれるはずだった。

 そして、彼女はその任を受けて、ヨーヨーに光を纏わせるその力によって、その悪党を"捕まえた"。

「‐‐‐‐と、言う事になっています」
「その言い方だと、本当は‐‐‐‐」
「えぇ……捕まえて、ません」

 つまり、簡単に言えば、彼女はリーダーになるための試験に失敗している。
 彼女が捕まえるはずだった悪党、【闇痛みペインディーク】を取り逃がすも、身体の一部‐‐‐‐心臓を持ち帰り、それを討伐の証拠として提出して、リーダーとなった、との事。

「けれども、心臓を奪われたのなら、普通、死んでるんじゃないんですか? 特殊能力がないのなら」
「いや、それも確かではなく……」

 リーダー試験を受けていた頃、彼女の光能力は今よりもかなり不安定で、【闇痛み】との戦闘中に能力が暴走。
 気が付いたら、自分に力を与えたUFOと同じもの‐‐‐‐以前に戦った魔性龍コウフジンにそっくりな、貴婦人のUFOと会って、今のように力が制御できるようになったのだとか。

「だから、あのリュウシント‐‐‐‐コウフジンの姿を見た時に、自分に力を与えたUFOを思い出して……。
 なのにっ! それ、なのにっ! なんで、なんでなんでなんでっ! なんでぇ、トリダシチキンスープ、なんですかぁぁぁぁ!」
「うわぁお! なんだか、いきなりびっくりするくらいの絡み酒なんだけど?」
「気にしないでください、マグノリアさん。ただの発作みたいなモノなので」

 とまぁ、とりあえず戦闘の際に暴走していたために、その暴走に巻き込んで【闇痛み】を消してしまったか、あるいは心臓をとっても生き残っているか分からない。
 そのために、今でもマイヨールは時折、心臓を取られた彼女が生きているのだと思っているみたいであった。

「……まぁ、心臓を奪われたら、そんなには生きてないだろうし。けれども、【闇痛み】の場合は‐‐‐‐」
「つ・ま・りぃ、マイヨールちゃん……えっと、チキスプちゃんはその経緯があって」
「ちょっと待ってください。そのチキスプとかいう、変なあだ名はもしかして私の事ですか? そうですか? そうなんですか?」
「だから、リーダーとして率いるのに不安があるだって。今は、いつもフォローしてくれているメンバーが居ないから」

 マグノリアが綺麗にまとめ、僕は彼女、未だにチキンスープで弄られていじけているマイヨールに目を向ける。
 そんな彼女に、僕は‐‐‐‐

「マイヨールさん」

 僕は彼女の肩に手をのせる。

「その【闇痛み】がどうなったのかは、僕は知りません。けれども、あなたと出会った時、僕は安心しました」
「……安心?」

 そう、僕は彼女から超能力者であると教えられたとき、僕と彼女はコウフジンに挑まれた。
 彼女は勇ましく戦い、僕は彼女にバレないのならと、そのまま帰ろうとした。

「あなたは、コウフジンの時に僕の前に立って、僕を守ろうとしてくれていました。
 あの時、あなたは僕が力を持っている者かを、父に聞いていたから……最悪、見捨てられたはずだ。それでどうするかを見ていれば良かったのに」

 僕が力を持っているかを手っ取り早く見極めるならば、僕を守らずに、迫ってくる危機にどう対処するかを見れば済む話だ。
 力があるのならば仕方がないと防ぐ、とっくの昔に父から能力持ちだと聞いているならばなおさら。

 けれども彼女は、僕を守るために、僕の前に立った。

 そんな彼女だから、僕は力を使って、助けようとした。

「あなたは僕が思うに、ちゃんと、立派なリーダーです」
「スバルさん……」

 僕の言葉に、マイヨールは小さく、「ありがとう」と返した。



「さてさて、では本題に入りましょうかね!」

 僕とマイヨールの話を見ていたマグノリアがぽんっと、床を叩く。

 ‐‐‐‐どごぉぉぉぉぉん!

「なっ、なんだ?」
「地震っ?! いえ、ここは空の上で……」

 僕とマイヨールがびっくりするくらい、家は大きく揺れる。

「いやぁ、要するにあれでしょ? ドラバニア・ファミリーの、タイムリープ能力持ちを見つければ良いんでしょ?」

 家が大きく揺れる中、1人、笑っているマグノリアがあっけらかんとした様子で、そう言う。

「だから、あれだ。"空を飛ぶ家"なんて、あからさまに私の家だと言うのが、無防備に飛んでれば」

 どぉんっ、と床が吹っ飛び、その衝撃でマグノリアの腹に木が一本かする。
 そんな床は、焼けたとか、切れたとかではなく、ただ消滅していた。そう、まるでマフデルタの攻撃みたいに。

 ----ばんっ!

 床が弾け飛び、マグノリアの頬が飛んできた木片にて傷つき、僕もまた同じように手に傷がつく。

「痛っ! 木片?! と言うか、マグノリアさん、なんでいきなり攻撃が?!」
「このように、マフデルタが攻撃してくるから見つかるかな~、って? 今、透明化のベクトルを解除したところなの」
「「まさかの、囮?!」」

 僕とマイヨールは、マグノリアが見つけてくれると、断言していたので信じていた。
 けれどもまさか、そんな風な形でマフデルタ、いや僕達を過去に送ったリュウシントを見つけるだなんて!
 それもその方法だと、マフデルタとリュウシントが出会ってないと、意味がないような?!

「よし、このまま一直線に落ちます! 《重力操作・ベクトルダウン》!」

 彼女が床を叩くと共に、床が一気に下へと落ちる。正しくは落下についていけないくらい、無重力状態が落ちるくらいの速度で、一気に地面へと、僕達が居る家が落ちていく。

「(落ちる、落ちる、落ちるぅぅぅぅぅぅ!)」

 ‐‐‐‐どごぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉん!

 さっきのマフデルタの一発目の攻撃で揺れた地震クラス、それよりも遥かに大きい勢いで、僕とマイヨールは家ごと地面へと落ちた。

「あなたのお母さん……無茶苦茶すぎません……?」
「父、やべぇ……あれと結婚するとか……」

 物凄い落下で頭がふらふらしつつも、何とか起き上がると、ころころと、卵が転がってくる。

「(‐‐‐‐卵?)」

 その卵は、龍と人‐‐‐‐2種類の模様が手を取り合っている卵。
 見た瞬間に分かった、これは僕の卵であると。

 卵を取ろうとした次の瞬間、僕の首がぎりぎりと、強い握力で圧迫される。

「かはっ……!」
「スバルさんっ!」

 ギリギリ、ギリ……。
 僕の首をあの時の、シグマズルカの龍鱗の手が僕の首を、強い力で握りしめる。
 握り潰そうと、力を籠める。

【また、手だけになってしまうとは……あぁ、忌々しい!】

 身体はなく、龍鱗の手単体のみの存在たるシグマズルカは、恨みがましく、僕の首を絞めていた。

【まさか、まさか家ごと、てんくうから落ちてくるだなんて、思いもしませんでしたよ。
 おかげで、折角の新しい身体……改変龍トロイメライが壊されてしまった。あぁ、忌々しい忌々しい忌々しいっ!】
「うぐぐっ……!」
「スバルさんっ! 今、助け……」
【ほぅ? どうきゅうじょすると?】

 マイヨールは僕の首を絞める手をヨーヨーで絡み取り、僕を助けようとしていた。
 けれども、それは出来なかった。

 僕も手で掴んで、シグマズルカを離そうとしているのだが、無理だったから。
 シグマズルカの手は僕の首を掴んでいた、ただし"僕の皮膚の中に"。

「皮膚に、スバルさんの首の中に、シグマズルカの手が……!」
【これこそ、シグマズルカの能力、"相手の大事なモノを奪い取る程度の能力"の真骨頂!
 我が手は、空間も、時間も、あらゆるモノをすり抜けて、対象物のみを奪い取る。その力を使えば、あなたの首をへし折るくらい、楽々ですよ!】

 すり抜け能力……その力によって、シグマズルカの手は、僕の首の中に入り込み、僕の首を絞めていた。
 マイヨールは、首を絞めるシグマズルカの手を取ろうとするも、皮膚の中にあるため、自身の力では無理だと判断した。

「(と言うか、今の家が落ちた衝撃で、どう考えてもこの過去に連れてきたリュウシントが倒されてるっぽいんですが……?)」

 マグノリアに助けを求めようとするも、彼女はマフデルタと戦闘に入っていた。

「もぅ! マフデルタちゃん、今は邪魔しないでよ! 今はマヌスとして、人助けしてる最中だから!」
「そうも行きません。あなたをこの剣の錆にして、この惑星は丸々、我々のモノにします!」

 助けを期待できる状況ではなかった。

「うぐぐっ……!」
【このまま、あなたの首をへし折り、意識を飛ばす。そしてあなたという幸福じんかくを奪い、私がその身体の主役となるっ!】

 マイヨールは、自分になにか出来る事はないかと考える。
 今の自分に、彼を救う方法は何かないかと。

「なにか、なにか……」

 早くしないとスバルが死んでしまう、そんな状況の中でマイヨールは卵を、人と龍の模様が描かれた卵を手に取る。

「これが、彼の力の源である卵だとしたら‐‐‐‐」
【持ったところで無駄ですよ! それを自然に還すにはちょう時間じかんかかるし、合体するには私や母のようの力が必要!
 それが出来るのは、私と母だけが、神たる白龍様に許されし事! たかが人間ごときが出来るはずがないでしょうが!】

 そうこうしている間にも、シグマズルカの手はどんどん、どんどん奥へと、僕の喉を絞めようと、進んでくる。

 そろそろ、意識を保つのが、しんどくなってくる中‐‐‐‐

「なにが、白い龍ですかっ!」

 マイヨールが龍の卵を右手に取ると、左手で光を纏わせたヨーヨーを物凄い勢いで上下に跳ねさせる。

 跳ねる。跳ねる。跳ねる。
 跳ねるごとに、光のヨーヨーはその速度が増していく。

「できないなんてっ! 勝手に決めないで!
 私はリーダー! 超能力者部隊を率いるリーダー! 私は失敗しない!」

 そしてそのまま右手に持っている龍の卵を、こちらの胸元にめがけて、投げつけるマイヨール。

「‐‐‐‐私が、私の光で、彼を救う! そして、元の時代に帰ってやる!
 それがリーダーとして、私がこれから為す事です!」

 そのまま龍の卵は僕の胸に当たると、やはり僕の身体の中に入らずそのまま跳ね返り‐‐‐‐

「おりゃああああああ!」

 その卵を、彼女のヨーヨーがぶち壊して、粉々になった卵の殻ごと、僕の腹に入っていく。

「よしっ! 粉々になった卵を、身体に入れられました!」
【私ののつもりですか!? 残念ですが、その程度で混ざるなんて‐‐‐‐】



【Subaru-Forden! After All A Default Is The Best!】

 シグマズルカの目論見通りにはならず、僕の身体が白く光り始めて、その余波によってシグマズルカの手も僕の身体から追い出される。

【ばっ、ばかな! 私と母との、大切な行為が‐‐‐‐】
「よしっ、出来たようだね!」

 と、いつの間にか現れたマグノリアさんが、シグマズルカの手を掴んでいた。

「オーケーみたいだし、私の力でなんとか元に戻してみせるよ! この手が、時空を超える力を持っていたのは確かみたいだし……」
【ばっ、馬鹿め! 時空を超えるのは改変龍トロイメライの能力! 私の手を持っても、元の世界にはっ!】
「何事も、やってみなくちゃ分からない! 《時空操作! タイムベクトルライン!》」

 シグマズルカの手が光り輝くと共に、マグノリアの背後に大きな金色の渦が現れる。

「よしっ! なんかできたっ!」
【嘘っ!? ちっ、やはりマグノリアは化け物かっ!】

 そして、僕とマイヨールの2人はその金色の渦へと、飲み込まれるように、吸い込まれていく。
 あまりにも金色の渦の勢いに呑まれ、僕とマイヨールは、マグノリアに感謝を伝える事が出来ずに‐‐‐‐


「‐‐‐‐また、ね。マイヨールちゃんに、スバルちゃん」

 そんな彼女の言葉を聞き切る前に、僕は渦に飲み込まれてしまっていた。
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