暇つぶしのために王子は、ようせいを育てる。

摂政

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見栄っ張り令嬢

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 その日の放課後、アルブレンド・コビーと妖精のカフェオレはしぶしぶ、仕方なく、指定された体育館裏へと足を運んでいた。
 彼にしてみればこの戦いを受け入れる理由はなにひとつなく、だからと言ってあそこまで言われて引き下がる気合はなかった。クラスメイト達からの執拗な行け行けコールも受けていたので、行かなかった場合にどう言われるのも鑑みてだが。

「逃げずに良く来たわね」
「(出来れば放っておきたかったのだが)そうも行かなくてな」
「ふっ……それでこそ、レア妖精を手に入れた者ね」

 なにをどう納得したのか。
 コビーには全然理解できなかったが、どうやら相手の方----先に来て、優雅に紅茶を飲んでいたトルテッタはそれを勝手に理解していた。勝手に納得していた。
 こうなるとコビーの方からは何も言えなかった。

「ルールを確認しましょうか、後でとやかく文句を言わないように」

 どちらかと言えばそれを言いそうなのは、トルテッタの方だったが、ここで文句を言うとややこしくなるのは目に見えていたので、コビーは黙って頷いた。
 紅茶を置いて、彼女はテーブルの上の花瓶に飾ってあった2本の紫色の花を手に取る。

「これが決闘の決着を見極めるのに使う、魔バルーン草よ。これを身体の前側のどこかに着けるのよ」
"キュキュ? マえ?"
「……学習力が高い妖精ね。さらに欲しくなったわ。前につける理由は簡単よ、その方が決着が分かりやすいからよ。後、防御魔法をやめさせる理由もあるわ。決闘なのに、防御魔法を使われるとシラケますし」

 決闘の際に重要となってくるのは、"どこで勝利と敗北を見極めるか"。
 魔力を与えると紫色の果汁を辺りに飛び散らせる特殊な花を用いているのだ。その果汁が"ついた"と言うのが分かりやすくないと、わざわざ使った意味がない。
 それなので、これが分かるように"前につける"のだ。前で割れれば、すぐに分かるから。

 防御魔法が使えないのは、魔バルーン草が魔力に反応するからだ。
 防御魔法は魔法で盾を生み出す魔法だが、それは身体に近ければ近いほど効果が高くなる。そのため、防御魔法は身体に接着して発動される。その発動の魔力に反応して、魔バルーン草が破裂してしまう。
 この魔バルーン草を決闘で使う目的としては、防御魔法を使われないようにするという意図もあるのである。

「魔バルーン草をつけたら、後は魔法の打ち合い。決闘の始まりよ」
「1対1、それで負けたら妖精1匹ずつを差し出す。その条件に相違ないな?」
「えぇ、そうよ。ちなみに横入れは禁止。これは鉱山国コールフィールドの貴族として当然、それを今確約するわ」

 本当かどうかは分からない、むしろこの女の性格ならば横入れもあり得るだろう。
 けれどもここで指摘するのかは、微妙である。それなので、分かったと了承する。
 そしてコビーは右のわき腹、トルテッタはお腹の辺りに魔バルーン草を付けて決闘開始を待っていた。

「では、早速----先手必勝!」

 トルテッタは距離を取ると共に、いきなり複数の光の球を作り出す。
 数は20で、大きさはバラバラ。精度としては微妙なところだが、この決闘という面で見れば十分だろう。

「私はこうやって決闘に勝ってきた! この光の球体を複数生み出す、私の必勝コンボ!
 破れるモノなら、破ってみせなさいっ!」

 トルテッタが腕を振るい、それに誘われるように光の球体達はそのままコビーに向かって放たれていた。
 大量の光がコビーに向かって降り注ぎ、コビーの姿は光の球体で生まれた土煙で消え去っていた。

"キュウゥ?!"
「あははっ! どうやら氷の妖精さんは主のことが心配でしょうがないみたいねっ! けれどもその心配は、もうしない方が良いわよ? だってこれで私の勝利、という訳であなたが心配するのはこの私っ! 誇り高い貴族である、タタン・トルテッタ様----」

「……やっぱり、こういう手か」

 土煙の中、コビーがそういう心あきれた声を言うと共に、煙の中からコビーが現れた。
 魔バルーン草も割れておらず、まったく傷を負っていない状態であった。

"キュッ?!"
「……?! まさか!?」

 コビーが現れたことで、必勝コンボが決まっていないことに気付いたトルテッタが、慌てて同じように光の球を作り出す。
 今度は40、大きさはさらにバラバラ。今度は当てるだけ、どうやって防いだのかを知る目的のために作りあげる。

「防御魔法、使ってないわよね? だって、魔バルーン草が割れてないもの。
 それだったらどうやってあの数を防いだのか、興味深い! わねっ!」

 先ほどと同じように、さっきよりも正確にコビーに向かって当たるようにトルテッタは光の球を放っていた。放たれた大量の光の球は、コビーへと----

「……何度やっても、一緒だぞ。トルテッタ」

 ‐‐‐‐轟っ、いきなり強烈な風が荒れ狂う。
 荒れ狂う風は嵐のように、その風が光の球全てを吹き飛ばしていた。

「なるほど、【氷】は【水】と----【風】の複合属性。その風で、私の光の球を吹き飛ばしたという訳。姑息な真似をしてくれるわね、忌々しいっ!」
「どっちが姑息だよ……」

 自分の身体から出す風を止め、今度は水で剣を作り出す。

「同じように球を連射だと芸がないからね、こっちは直接そのバルーンを割りに行くさ」

 片手には水で出来た剣を構え、もう片方の手は地面の方に向けて大量の水を放つ。放たれた大量の水はコビーの身体を物理的に押し流し、そのまま勢いよくトルテッタの元へと流れていく。

「速っ----」
「終わり」

 そうして、水に流されるようにして----高速で動いたコビーの身体、その手に持った水の剣はトルテッタの魔バルーン草を割る。

 ぱんっ、という勢い良い音と共に、彼女の身体に大量の紫色の果汁がぶっかかっていた。



「ふぅー、はい。終わり、終わり」
"キュゥゥゥ!"

 心配で、心配で、しょうがなかった。
 そんな感じいっぱいで決闘が終わると共に、抱き着いてきたカフェオレを適度に相手にしつつ、コビーは相手が相当な"バカ"であったことにホッとしていた。

 魔法使いにとって、一撃目はただのけん制。二撃目以降、その先の方が重要だ。
 もし仮に一撃で勝負をつけるんだったら、そんなのは最大火力の魔法の撃ち合いをすれば良い。わざわざこの決闘を選んだ理由がなくなる。
 この決闘で重要なのは、いかに的確に、相手の魔バルーン草を魔力で叩くか。その一点のみ。
 それなのに自分ですら相手が負けたかどうか分からない大量の光の球で押しつぶしたり、防がれたことに驚いて油断したり----呆気ないにも程がある。

「(こんなので勝ちまくって来たとか、この学園の魔法学習は相当遅れてるなぁ)」

 つまらない。
 退屈。
 相手にならない。
 むしろ哀れ。

 コビーが感じた感情は、ただそれだけだった。

 勝利の喜びも。
 血が沸くような情熱も。
 激しい感動も。
 窮地を制した安心も。

 そのどれもがないのだから。
 ‐‐‐‐やはり、世界は退屈でしかたがない。彼はそう結論付けた。

"キュッ!"

 てぃっ、と暇でしょうがない彼の頬を、小さく叩く存在があった。

「あぁ、そうだったな」

 今は暇つぶしが居るんだ。
 コビーはそれを思い出し、若干笑顔になる。退屈な日常にも、まだ退屈しないことが残っているのだと。


「まだっ、よっ!」

 ‐‐‐‐しかし、そこにあきらめの悪い女が居た。
 トルテッタは自分が初めに提案した色と言う明確な敗北条件を無視し、それでもなおコビーへと鋭い視線を向ける。

「あなたに敗ける訳にはいかないの! ここで即座に敗北を認めてしまえば、私と言う高貴な存在に傷がつく! 私は勝ち続ける、それが私の意義!」
「勝ち続ける……だったか。今回の戦いはどちらかの敗北の意思表示ではなく、どちらかの攻撃が当たったのが明確になった状態だったはず。君がいくら吠えたところで、それは変わらんが?」

 コビーにしてみれば、もう帰りたかった。
 だが、その呆気なさそうに対応する態度が、さらにトルテッタをイラつかせる。

「~~~~っ! いいえ、まだよっ! あなたとの勝負、ここであなたの魔バルーン草を割って、引き分けまで持ち込むわっ! たとえ、"これ"を使ってもねっ!」

 彼女はそう言って口を大きく開ける。
 ‐‐‐‐その瞬間だった。

 コビーの、魔バルーン草が割れる。

「……っ?! 攻撃?!」
"キュルゥ?!"

 割れたことによって大量の紫色の液体がコビー、そしてカフェオレの2人にかかる。


「‐‐‐‐2回戦、よ。1回戦の勝利はあなたにくれてあげるし、後で報酬の妖精1匹もあげる。けれども、2回戦が終わってから、ね。
 2回戦、戦いの勝負は"妖精の優劣"。あなたの妖精カフェオレと、私の妖精。妖精のみの力で、どちらかが相手を地に伏させた方が勝ち、よっ!」

----バンッ!

 今度はトルテッタは大きく口を開けていない。
 しかし、トルテッタの方からさっきと同じ衝撃が放たれ、コビーとカフェオレは吹っ飛ばされる。

"キュリ?"
「あぁ……いってぇ。痛みは小さいが、確かに痛いわ」
"キュイイイイ!"

 カフェオレの身体は----地面には倒れこんでいなかった。
 一緒に吹き飛ばされたコビーの身体の上に乗せられるように倒れこむことで、敗北とはなっていなかった。

「ちっ! 無様に這いつくばって、負けを回避とか……足搔きが過ぎるわよっ!」

----バンッ!

 またしても、だ。
 "先ほどから攻撃が見えない"。

 自分に、コビーに当たる前に、カフェオレは身を守る盾を氷によって作り出す。
 作り出した氷の盾は一瞬で粉々になるものの、見えない衝撃波から2人を守っていた。

"キュィー"
「安心してるばかりじゃいけないぞ、カフェオレ。今は、お前の対決なんだから」
"キュイ!"

 了解とばかりに、安どから一転。相手をしっかりと見て、戦いに集中する。

「アルブレンド・コビー。時間をあげるわ。そこから退きなさい、さもないと妖精ともども、吹っ飛ばされて、けがするわよ?」
「ご忠告どうも、けれども目当ての妖精を傷つけていいのか?」
「ご心配なく。こう見えて私、治癒が得意な【光】属性が得意なの」
「(光……そういえば、さっきからの攻撃も光の球だった)」

 魔術にはそれぞれ得意、不得意がある。
 コビーは【氷】、それを形成する【水】と【風】。一方でトルテッタは【光】が得意のようだ。
 不得意と言えども一応は2人とも扱えるだろうが、扱いづらい物をこんな決闘で使うはずもなく。結果として、相手の得意属性がすぐに分かる結果となった。

「一つ、いいこと教えてあげるわ。妖精ってのは主人の得意な属性の魔力を吸って生まれるの。だからその属性の妖精しか生まれない。あなたの得意属性が【氷】だったみたいで【氷】の妖精が生まれたように、私は【光】が得意なの」
「‐‐‐‐だから、妖精も【光】ってか?」
「えぇ、そうよ。そして私の妖精は、今この場にいるこの娘だけ。何が言いたいかって? 自慢ですわっ!」

 高笑いを浮かべるトルテッタに対し、コビーは思考を巡らせる。

 妖精同士の対決、さっきから攻撃が見えないのは恐らく【光】の特性が関係している。
 それぞれ魔術の属性には特性が、いわゆるその属性でしか出来ないことがある。【光】ならば確か----

「(そう、か。そういう事か)」

 不自然に、最初の一撃だけ大きく口を開けたこと。
 そして攻撃が見えないこと。
 その2つからして、恐らく彼女の妖精とは----

「助言はなし、よ。アルブレンド・コビー」
「良いさ、その方が面白そうだ」

 やっと面白くなってきたところなのだ、こんなところで自分から水を差すわけにはいかなかった。
 コビーはこの戦いに、ようやくわくわくを感じ始めていた。



 カフェオレは言葉を上手く喋れない。それは彼女が言葉を喋れる機能を持っていないのではなく、ただ単にまだ言葉を覚えていないだけなのだ。
 生まれてまだ1日かそこいらでここまで喋れるという方が、逆にすごいのだが。

 それだけ知能が高いカフェオレは、その頭脳でトルテッタの妖精について考えをまとめていた。

----相手の女は先ほどから【光】の属性の攻撃を行っている
----彼女の妖精もまた【光】の属性の妖精だと考えられる
----攻撃はなにかを放っている
----放っているが確認できない
----相手が大きく口を開いた時から攻撃が開始されている
----その後は口を開けていないのに、攻撃している

 短い時間の中で、端的に情報をまとめるカフェオレ。
 それはまだ断片的な情報でしかなかったが、必要な情報のみを取捨選択し、その上で推理すべき場所なども合わせて----彼女は1つの結論を導き出していた。
 結論が出たら、後はそれが正しいか。それを"実践するのみ"。

「ふふっ、さぁ止めよっ! いきなさいっ、私の妖精!」

 彼女が命じると共に、彼女の妖精が"動く・・"。

"イた!"

 その瞬間、カフェオレは小さな氷の刃を作り出して放つ。
 小さくしたのは出来る限り見えにくくするため、そして刃状にしたのは"単なる嫌がらせ"である。

「‐‐‐‐きゃっ?!」
"ぎょぇぇぇぇぇぇぇぇ!"

 彼女の胸元から、ポロリと"それ"が落ちる。
 彼女の胸元の上から落ちたそれは、全身が真っ白いキツネ。彼女の首に巻くマフラーくらいの大きさの、小柄な2本の尻尾を持つキツネであり、光に当たる具合によってキツネの身体が透明になっていた。
 仕掛けの種としては単純。この【光】属性のキツネの妖精は、全身を光で覆うことによってその姿をカモフラージュしていたのだ。

 彼女の、トルテッタの口に潜み、口を大きく開けた際に出てきて、それ以降は光で見えないようにしながら攻撃をしていたのだ。
 真っ白なキツネの妖精は、氷の刃を受けてそのまま地面へと倒れる。
 思った通り、口の中でずっと機会をうかがっていたという事は、そうした方が良いほど耐久力が低いと思っていたが、どうやらその通りだったようだ。

「~~~~っ!!」

 そして、落ちたのはキツネの妖精だけじゃなかった。
 キツネの妖精がころんだったのに対して、それを表すとすれば----"ぽろん"。

 彼女の胸元から落ちて、豊かだった彼女の乳房は見る影もなくなっていた。


偽乳パットね……」

 ご主人の、なんとなく気まずい口調と共に、カフェオレは《見栄っ張り》な令嬢との勝負に勝利したのであった。
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