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13.魔王との契約2日目①
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2日目の朝を迎えた・・鏡で晴れない自分の顔を見てみる。
「平凡な私が表情もこれだと幸の薄さが一段と・・・今日も憂鬱ね。。」
せっかくの私の晴れやかな青春のスタートが・・魔族との死の契約というホラー作品になりつつあるわけだが。
もはや甘酸っぱい私のファーストキスまで契約のために奪われた・・あれは無効よね!忘れましょ!
憂鬱な気持ちを抱えたまま通学しBクラスのドアを開ける。
あっ。オリバーはまだいないわね。ほっ・・・
席に着くと、先生が入ってきた。
「えー、午前は薬学だ。午後は魔法基礎だ。午前は2人ペアになってくれ。課題は15ページのポーション作りだ。材料はここにある。あとは2人で教科書を見ながら作ってみてくれ。」
2人ペア・・・みんな友達だったり隣の人とペアになりつつある。私はもちろん流れに乗れず・・・
何でこんな時にあいつがいないのよ。友達になるんでしょ・・
「リーベル君と、アーカイル君が残りのペアかな」と先生から言われ、余物の私とアーカイルという男性とのペアになった。
彼は綺麗なエメラルドグリーンの髪の色だがもさっとしており長い前髪と分厚いメガネで顔はよく見えず、話しかけないでオーラが出ている気がする。前世の私のような、似たもの同士の感覚を勝手に覚えた。私は彼に近寄り
「アーカイル様、私アナシア・リーベルと申します。よろしくお願いします。」
「あ・・あぁ。フィオナ・アーカイルです。よろしくお願いします。」
と聞こえるか聞こえないかの声音で答えてくれた。確か伯爵家の方ね。この学園は一応身分関係なく話していいので目上の家柄の方にもこちらから話しかけても大丈夫だ。とはいえ、嫌がる方もいるはず。アーカイル様は別に話しかけて嫌がっているようには思えず安心した。
「さぁ、さっそくやってみましょう!」前世の私は科学は大好き。正しくやれば裏切らない。ルンルンしながら顕微鏡のようなものや、測りを使って進めていく。
アーカイル様もどんどん必要工程を私の右腕として進めてくれている。アーカイル様の必要最低限の的確な会話が私にとってとても心地いい。
ふふ!楽しいっ
「アーカイル様!この材料面白いですよ!この結晶がですねっ!」
「・・・」
あ・・あれ、私1人で白熱しちゃってた・・恥ずかしいっ///
「・・あの、リーベル様は私が気持ち悪くないのですか?」
「え?気持ち悪い?なぜですか?」
「皆私の根暗な性格や冴えない見た目で避けられるんです・・」
彼には彼の色んな経験からの悩みがあるのだろう。こういう時に下手に慰めても、お前に何がわかるのかと思うかもしれない。素直な気持ちだけ伝えよう。
私は自然な笑顔を向け
「私も友達はできたこともほぼないですし、見た目も平凡です。だから気持ちがわかるということではないですが、アーカイル様がどんな見た目であっても、アーカイル様といる温度感や雰囲気とても居心地が良くて好きだなって同じように私は思いますよ!」
「えっ・・・・そんな。僕は本当に陰険で・・」
とアーカイル様はワタワタと慌て出した。
ふふふ。精神年齢30越えてる私からすると可愛いわね!
「アーカイル様、嬉しいと思ったら素直に受け取ってくださいまし。」
「う・・・わ、私もリーベルさんとはとても自然に過ごせて居心地が良かったです。」
素直に言われると照れるわね。
と2人で微笑みあっていると
『アナシア。具合が悪くて遅刻しちゃった。』
とオリバーがやってきて、私を体ごとオリバーのいるアーカイル様と反対方向に向かせられた。
「それはそれは・・・お大事に。私、実験中ですので」暗に離してくれと伝えると
『アナシア、具合がまだ悪いから医務室に連れてって⭐︎』
「全然元気そうですが・・・」
すると実験用の鋭利なピンセットで自らの腕を切った。血がどくどく流れている。
『ほら、連れてって』
「えっっ・・何をっ」
私の精神年齢がいかに高いとはいえ、これは驚く。異常だわ・・
アーカイル様の表情は見えないが間違いなく引いているだろう。オリバーをここにこのまま残すことが危険な気がする。
「アーカイル様すいません。ポーションはもう完成ですのでこのままご提出ください。私は彼を連れて行きますので。」
「・・・わかりました。」
彼の反応からはよく感情が見えなかったが、ごめんなさい変なことに巻き込んで!と心の中で謝りながらオリバーを掴んで教室を出た。
「平凡な私が表情もこれだと幸の薄さが一段と・・・今日も憂鬱ね。。」
せっかくの私の晴れやかな青春のスタートが・・魔族との死の契約というホラー作品になりつつあるわけだが。
もはや甘酸っぱい私のファーストキスまで契約のために奪われた・・あれは無効よね!忘れましょ!
憂鬱な気持ちを抱えたまま通学しBクラスのドアを開ける。
あっ。オリバーはまだいないわね。ほっ・・・
席に着くと、先生が入ってきた。
「えー、午前は薬学だ。午後は魔法基礎だ。午前は2人ペアになってくれ。課題は15ページのポーション作りだ。材料はここにある。あとは2人で教科書を見ながら作ってみてくれ。」
2人ペア・・・みんな友達だったり隣の人とペアになりつつある。私はもちろん流れに乗れず・・・
何でこんな時にあいつがいないのよ。友達になるんでしょ・・
「リーベル君と、アーカイル君が残りのペアかな」と先生から言われ、余物の私とアーカイルという男性とのペアになった。
彼は綺麗なエメラルドグリーンの髪の色だがもさっとしており長い前髪と分厚いメガネで顔はよく見えず、話しかけないでオーラが出ている気がする。前世の私のような、似たもの同士の感覚を勝手に覚えた。私は彼に近寄り
「アーカイル様、私アナシア・リーベルと申します。よろしくお願いします。」
「あ・・あぁ。フィオナ・アーカイルです。よろしくお願いします。」
と聞こえるか聞こえないかの声音で答えてくれた。確か伯爵家の方ね。この学園は一応身分関係なく話していいので目上の家柄の方にもこちらから話しかけても大丈夫だ。とはいえ、嫌がる方もいるはず。アーカイル様は別に話しかけて嫌がっているようには思えず安心した。
「さぁ、さっそくやってみましょう!」前世の私は科学は大好き。正しくやれば裏切らない。ルンルンしながら顕微鏡のようなものや、測りを使って進めていく。
アーカイル様もどんどん必要工程を私の右腕として進めてくれている。アーカイル様の必要最低限の的確な会話が私にとってとても心地いい。
ふふ!楽しいっ
「アーカイル様!この材料面白いですよ!この結晶がですねっ!」
「・・・」
あ・・あれ、私1人で白熱しちゃってた・・恥ずかしいっ///
「・・あの、リーベル様は私が気持ち悪くないのですか?」
「え?気持ち悪い?なぜですか?」
「皆私の根暗な性格や冴えない見た目で避けられるんです・・」
彼には彼の色んな経験からの悩みがあるのだろう。こういう時に下手に慰めても、お前に何がわかるのかと思うかもしれない。素直な気持ちだけ伝えよう。
私は自然な笑顔を向け
「私も友達はできたこともほぼないですし、見た目も平凡です。だから気持ちがわかるということではないですが、アーカイル様がどんな見た目であっても、アーカイル様といる温度感や雰囲気とても居心地が良くて好きだなって同じように私は思いますよ!」
「えっ・・・・そんな。僕は本当に陰険で・・」
とアーカイル様はワタワタと慌て出した。
ふふふ。精神年齢30越えてる私からすると可愛いわね!
「アーカイル様、嬉しいと思ったら素直に受け取ってくださいまし。」
「う・・・わ、私もリーベルさんとはとても自然に過ごせて居心地が良かったです。」
素直に言われると照れるわね。
と2人で微笑みあっていると
『アナシア。具合が悪くて遅刻しちゃった。』
とオリバーがやってきて、私を体ごとオリバーのいるアーカイル様と反対方向に向かせられた。
「それはそれは・・・お大事に。私、実験中ですので」暗に離してくれと伝えると
『アナシア、具合がまだ悪いから医務室に連れてって⭐︎』
「全然元気そうですが・・・」
すると実験用の鋭利なピンセットで自らの腕を切った。血がどくどく流れている。
『ほら、連れてって』
「えっっ・・何をっ」
私の精神年齢がいかに高いとはいえ、これは驚く。異常だわ・・
アーカイル様の表情は見えないが間違いなく引いているだろう。オリバーをここにこのまま残すことが危険な気がする。
「アーカイル様すいません。ポーションはもう完成ですのでこのままご提出ください。私は彼を連れて行きますので。」
「・・・わかりました。」
彼の反応からはよく感情が見えなかったが、ごめんなさい変なことに巻き込んで!と心の中で謝りながらオリバーを掴んで教室を出た。
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