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門で待ち合わせシーン
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恋人の家に迎えに行って待ち合わせも、カップルで電車登校も、もう諦めた......
あとやりたいことは....一緒に学食でしょ?恋人の作ったお弁当を中庭でとか?屋上でさぼったり?放課後にクレープとか....一緒に図書館で試験勉強などなど...うん!まだいっぱいあるから、これくらいは諦めよう。
このままだと学校に行けなくなってしまう!
「蓮先輩!いざ行かん!今日こそは!」
『ふわぁー。ねむーい。はいはいお姫様の言う通りに。』
高級車に乗り込み、いつものごとく先輩に横抱きにされて向かっていると僕は今更気づいたが.....。
あれ??車通学NGだったよね....さらに一緒に車登校ってもはやカップルどころか同棲すら匂わせますよね?
僕は蓮先輩と一緒にいることが当たり前になってきちゃってるけど....学校のみんなはいきなり驚く..よね。
確か先輩って有名人のはず。そんな先輩が一緒に車から平々凡々な僕と降りちゃったら..きっと注目される.....そうなると....
コミュ障の先輩は嫌になって、しまいには家からもう一生出ないとかこじらせかねないのでは...??
僕の憧れエピソードの実現どころじゃなくなり学校にさらに行けなくなるコース....??
となると...リハビリが必要な先輩には、段階を追っていかないとだよね......
そしてだよ?家で待ち合わせができなかったから、せめて門で待ち合わせがしてみたい!
「えっとですね?蓮先輩。車通学ってそもそも違反ですよね。」
『俺は大丈夫だよー』
さすが権力者です。
「むむ。ではですね。先輩と一緒に車から降りたら、生徒たちがパニックになりそうな予感がしています。」
『で?』
「僕を先に手前で下ろしてもらえますか?」
僕を抱える先輩の腕の力がグッと痛いくらい強くなる。
『....なに?見られたら不都合でもあるの?』
「ぐっ.......」
『綾人とかいうやつが関係してたりしたら許せないなー』
くるし....っ
僕は先輩の腕を話そうと力を込めながら涙目になりつつ訴えた。
「もうっ!違いますって!注目されると先輩がまた帰るって言いだしそうだし?それに家お迎えシーンができなかったから、せめて門の前で待ち合わせシーンをしたいんですって!」
『んー?俺と門の前で待ち合わせごっこがしたいの?』
「そうですっ!クラスが違う恋人同士、もう門の前に来ているのにほんのちょっとの時間でも一緒にいたいというシーンです。」
『あはは。変なのー でもそれならいいよーやったげる。』
「よーし!では、車から僕が降りる方が見られたら変だと思うので、先輩が門の前に先に待っててくださいね!」
『ん』
僕は学校から200Mくらいは離れたところでおろしてもらった。
先輩の膝から降りる時に、
『んー離れる前に充電』
ぎゅっとされて、僕もぎゅっとし返した。
ほんのちょっと離れるだけなのに先輩大げさなんだから、と思った僕だけど、いざ一人でぽつぽつ歩いていると、ここ最近トイレ以外はいつもくっついているくらいの距離感だったから、見えるところに先輩がいないのがなんだか...違和感だ。
なんかちょっと.....寂しい.....かも......
門が見えてきた!
心なしかざわついている?ようにも見えるけど.....
あ!先輩だ!誰よりも身長が高いから目立つんだけど、朝日に照らされてつやつやの銀髪も、陶器のような白い肌もきらめいている......胸がキュンキュンなるくらい僕の恋人は素敵だ~!!
先輩も僕を見てる。
僕は早くこの先輩が近くにいない違和感を埋めたくて、先輩めがけて駆け出した。
ん?先輩ちょっと手を広げてない?
僕が走り抜けて勢い余って転ばないように受け止めようとしてくれているのかも.....頼りになるっ
僕は安心してそのまま駆けていって先輩に一直線に向かって先輩の胸に飛び込んだ。
すると蓮先輩はぎゅっと僕を抱きとめてくれる。
僕は先輩を見上げると、こちらを優しく見下ろしてくれるのが分かる。
「えへへっ♡お待たせっ!ちょっと離れただけなのに寂しかったですっ」
『はぁ..... かわいい.....閉じ込めたい.......このまま帰りたい。』
まずい!コミュ障の先輩が人混みに拒否反応が出始めている!
教室に早く連れてかないと!
「さぁ!先輩行きますよ!」
と僕はぐいぐい先輩の手を掴んで校舎に向かったのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【目撃した教師目線】
俺は体育教師で朝の挨拶運動のために門に今日も立っている。
すると、あり得ない人物が目の前にいるのだが........
御堂連.......学園長からも特別に扱うように常日頃から言われている権力者の息子で、さらに不良少年。
そのあたりが理解できず、御堂を指導しようとした教師は入院し、トラウマから教師を辞めたとも聞く。
関わらないに越したことない......
もちろん朝から学校に来ているところなんか見たことないわけだが....
なんでいるんだ!
そしてなんで門から動かないんだ!
かなりレアな光景に通学中の学生たちも、そわそわしている。
この見た目だから、女子生徒はちらちら盗み見て色めき立っているし、男子生徒は恐怖から極力目立つまいと下を向いて足早に校舎へ向かう。
おいおい....誰か待ってるのか??
朝から誰か気に入らないやつを待っていて、喧嘩でもおっぱじめようっていうんじゃないよな....関わりたくないのに.....
動かない御堂を横目にちらっと見ると、手を広げている.....?
えーーーーーーーーーーーー!?!?!?!??!
なんか一人の男子学生が飛び込んできたんだが!!?!?!???!?
周りの学生たちもぎょっと唖然としているので、俺の見間違いではないはず.......
さらに抱きしめてないかあれ....????
その後ニコニコした普通の男子学生が御堂をひっぱりその場を去っていった。
俺もその場にいた生徒も皆立ち止まり。
呆然と二人を見送るのだった。
御堂なんか見たことない優しい表情してなかったか....???
俺幻覚でも見たのかな.......
あとやりたいことは....一緒に学食でしょ?恋人の作ったお弁当を中庭でとか?屋上でさぼったり?放課後にクレープとか....一緒に図書館で試験勉強などなど...うん!まだいっぱいあるから、これくらいは諦めよう。
このままだと学校に行けなくなってしまう!
「蓮先輩!いざ行かん!今日こそは!」
『ふわぁー。ねむーい。はいはいお姫様の言う通りに。』
高級車に乗り込み、いつものごとく先輩に横抱きにされて向かっていると僕は今更気づいたが.....。
あれ??車通学NGだったよね....さらに一緒に車登校ってもはやカップルどころか同棲すら匂わせますよね?
僕は蓮先輩と一緒にいることが当たり前になってきちゃってるけど....学校のみんなはいきなり驚く..よね。
確か先輩って有名人のはず。そんな先輩が一緒に車から平々凡々な僕と降りちゃったら..きっと注目される.....そうなると....
コミュ障の先輩は嫌になって、しまいには家からもう一生出ないとかこじらせかねないのでは...??
僕の憧れエピソードの実現どころじゃなくなり学校にさらに行けなくなるコース....??
となると...リハビリが必要な先輩には、段階を追っていかないとだよね......
そしてだよ?家で待ち合わせができなかったから、せめて門で待ち合わせがしてみたい!
「えっとですね?蓮先輩。車通学ってそもそも違反ですよね。」
『俺は大丈夫だよー』
さすが権力者です。
「むむ。ではですね。先輩と一緒に車から降りたら、生徒たちがパニックになりそうな予感がしています。」
『で?』
「僕を先に手前で下ろしてもらえますか?」
僕を抱える先輩の腕の力がグッと痛いくらい強くなる。
『....なに?見られたら不都合でもあるの?』
「ぐっ.......」
『綾人とかいうやつが関係してたりしたら許せないなー』
くるし....っ
僕は先輩の腕を話そうと力を込めながら涙目になりつつ訴えた。
「もうっ!違いますって!注目されると先輩がまた帰るって言いだしそうだし?それに家お迎えシーンができなかったから、せめて門の前で待ち合わせシーンをしたいんですって!」
『んー?俺と門の前で待ち合わせごっこがしたいの?』
「そうですっ!クラスが違う恋人同士、もう門の前に来ているのにほんのちょっとの時間でも一緒にいたいというシーンです。」
『あはは。変なのー でもそれならいいよーやったげる。』
「よーし!では、車から僕が降りる方が見られたら変だと思うので、先輩が門の前に先に待っててくださいね!」
『ん』
僕は学校から200Mくらいは離れたところでおろしてもらった。
先輩の膝から降りる時に、
『んー離れる前に充電』
ぎゅっとされて、僕もぎゅっとし返した。
ほんのちょっと離れるだけなのに先輩大げさなんだから、と思った僕だけど、いざ一人でぽつぽつ歩いていると、ここ最近トイレ以外はいつもくっついているくらいの距離感だったから、見えるところに先輩がいないのがなんだか...違和感だ。
なんかちょっと.....寂しい.....かも......
門が見えてきた!
心なしかざわついている?ようにも見えるけど.....
あ!先輩だ!誰よりも身長が高いから目立つんだけど、朝日に照らされてつやつやの銀髪も、陶器のような白い肌もきらめいている......胸がキュンキュンなるくらい僕の恋人は素敵だ~!!
先輩も僕を見てる。
僕は早くこの先輩が近くにいない違和感を埋めたくて、先輩めがけて駆け出した。
ん?先輩ちょっと手を広げてない?
僕が走り抜けて勢い余って転ばないように受け止めようとしてくれているのかも.....頼りになるっ
僕は安心してそのまま駆けていって先輩に一直線に向かって先輩の胸に飛び込んだ。
すると蓮先輩はぎゅっと僕を抱きとめてくれる。
僕は先輩を見上げると、こちらを優しく見下ろしてくれるのが分かる。
「えへへっ♡お待たせっ!ちょっと離れただけなのに寂しかったですっ」
『はぁ..... かわいい.....閉じ込めたい.......このまま帰りたい。』
まずい!コミュ障の先輩が人混みに拒否反応が出始めている!
教室に早く連れてかないと!
「さぁ!先輩行きますよ!」
と僕はぐいぐい先輩の手を掴んで校舎に向かったのだった。
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【目撃した教師目線】
俺は体育教師で朝の挨拶運動のために門に今日も立っている。
すると、あり得ない人物が目の前にいるのだが........
御堂連.......学園長からも特別に扱うように常日頃から言われている権力者の息子で、さらに不良少年。
そのあたりが理解できず、御堂を指導しようとした教師は入院し、トラウマから教師を辞めたとも聞く。
関わらないに越したことない......
もちろん朝から学校に来ているところなんか見たことないわけだが....
なんでいるんだ!
そしてなんで門から動かないんだ!
かなりレアな光景に通学中の学生たちも、そわそわしている。
この見た目だから、女子生徒はちらちら盗み見て色めき立っているし、男子生徒は恐怖から極力目立つまいと下を向いて足早に校舎へ向かう。
おいおい....誰か待ってるのか??
朝から誰か気に入らないやつを待っていて、喧嘩でもおっぱじめようっていうんじゃないよな....関わりたくないのに.....
動かない御堂を横目にちらっと見ると、手を広げている.....?
えーーーーーーーーーーーー!?!?!?!??!
なんか一人の男子学生が飛び込んできたんだが!!?!?!???!?
周りの学生たちもぎょっと唖然としているので、俺の見間違いではないはず.......
さらに抱きしめてないかあれ....????
その後ニコニコした普通の男子学生が御堂をひっぱりその場を去っていった。
俺もその場にいた生徒も皆立ち止まり。
呆然と二人を見送るのだった。
御堂なんか見たことない優しい表情してなかったか....???
俺幻覚でも見たのかな.......
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