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感情を語る帰路
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帰り際に母さんに
「あっ、そういえば綾人君が連絡がつかないって心配して何度か家にきてくれたわよ!先輩と合宿に行ってるのよって伝えてるから!誰だってすごく聞かれたけどママ気を利かせて黙っておいたから♪ふふ」
と言われたが....理由が変だけど当たらずも遠からずなんでまぁよしとしよう。
僕の必要な荷物を整理しようと思ったんだけど、先輩が業者さん?部下の人達?が全てしてくれるということで、元気の良い母と妹に安心というか...疲れた僕はお言葉に甘えさせてもらうことにした。
そして今は....
帰りの道中。
高級車の中の....先輩の膝の上である。
お姫様抱っこのような横抱きの体制だ。ここ最近ほぼ常に接触しているといえるくらい近くにいるが...まだまだ慣れない///
真っすぐ向くと先輩の美しい横顔が間近になっちゃって照れてしまうので、僕は先輩の顔の横の肩にもたれかかるようにしている。
先輩の首元から良い匂いが香ってくる。高貴な人のフェロモンはこの匂いですって言われたら納得する。クンクンしたいけど、運転手さんもいるし、車の中だし、我慢だっ///
「う...../// あの...僕の家族が騒がしくて..びっくりしましたよね。なんかすいません。そしてあんなにあっさりは家を出ることを認められるとは...」
『夏樹の家族って感じだねー。だから言ったでしょ大丈夫だって。大丈夫じゃなくても攫っていくから結局大丈夫。』
「はぇ?」
攫うって...僕も実際不良さんたちに攫われたわけだけど...そんな不良たちに囲まれ続けてきた先輩は、価値観がおかしくなったのかもしれない....
大丈夫です!僕はそんな先輩を否定しませんし、ゆっくり一般ピーポーの感覚を教えてあげますからね!
「先輩、強行突破しなくても話し合いで解決できるのが俗世なんですよ」
気持ちが伝わるように、先輩の首の後ろに手を回して軽くギュッとする。
『俺から離れなければ大丈夫なだけでしょ?』
「家では一緒なわけですから、付き合ってる限りは離れられないってことになりますから安心してくださいねっ」
すると先輩のまとう雰囲気が一気に下がった気がする。
『...はぁ...夏樹はさ、どうやったら俺のところまで堕ちてくるんだろうね....』
表情は見えないがこれ絶対無表情お怒りモード....だよねっ(汗。
「ふぇ?落ちるって、先輩より僕の方が確実に底辺人間ですよ!」
先輩...まさか自己肯定感まで低いなんて....
励まさないと!と身を起こして先輩の顔を覗いてみると....
目には光がなく、氷のように冷たい表情.... 前までの僕だったら震えあがってたと思うけれど、今の僕は先輩の恋人としてちゃんと向き合う覚悟があるのだ!
『やっぱり手の中に入れておかないと....』
しまいには呟きが始まっている....蓮先輩...実は陰キャ.....
ま....まずいっ
僕をその瞳に映してほしくて僕は先輩の顔を手で挟んでぐいっと顔を近づけた。
「蓮先輩!どんなに先輩が殻に閉じこもっても僕がちゃんと救い出しますからね!大丈夫ですっ」
『俺を救う?だったら俺と死んでくれる?夏樹が別れるかもしれない関係と思ってると感じるだけで自分がコントロールできなくなる....』
僕が別れない限りって言ったから...それで......?
こんなのだめなのかもだけど.....なんでなんだろう....ぞくぞくってする感覚....嬉しいって思っちゃう。
「先輩っ、僕....なんだか嬉しいです。先輩が僕の言葉で一喜一憂してくれるって思うと...ドキドキしちゃいます。僕、どんな先輩でも好きって思っちゃうんだろうなって思います///えへへ」
すると、少し眉を寄せる先輩。その姿も色っぽくて....思わず見惚れてしまう。
『夏樹には想像できないだろうね....人の手に渡ることを想像するだけで、殺してでも永遠に手に入れようと思う感情が。』
「それだけ僕のことを思ってくれるってことですよね?僕、先輩の気持ちは全部受け止めたいし、別れるなんて考えてませんから!死にたくはないけど、一緒に幸せになりたいですっ 初恋が実ったんですから///」
この怖いほど美しい陰のある人は僕の恋人なんだと思うと、放って置けないという気持ちというより、この感情を僕にも分けてほしいというゾクゾクした思いが生まれる。
『幸せ...か。願ったことも考えたこともなかったけど、夏樹の全てを俺にくれたらそうなれるのかも』
「もう蓮先輩には僕の初めてもぜーんぶあげてますよ?///」
僕は恥ずかしくて顔も赤くなってると思うけど...ちゃんと僕にとっても特別って伝えていきたい。
するとギュッと苦しくなるくらい強くギュッとされる。
「はぅんッ♡」
『俺の夏樹...全部支配したい....」
きゅんっっ♡
こんなにも求められるって...嬉しいな.....
「せんぱいも....僕だけでいてくださいね♡」
『はぁ....ホントに俺がどうにかされそう....かわい。』
先輩の僕を見る目が熱っぽく見える。
『ねぇ夏樹、舌出して?』
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ヤンデレの蓮をさらっと受け入れる夏樹こそ実は最強では....
※今回は私用で更新がとても遅くなったのに、たくさんのエールをいただき.....本当に素敵な読者様しかいらっしゃらない...支えてくださりありがとうございます!
「あっ、そういえば綾人君が連絡がつかないって心配して何度か家にきてくれたわよ!先輩と合宿に行ってるのよって伝えてるから!誰だってすごく聞かれたけどママ気を利かせて黙っておいたから♪ふふ」
と言われたが....理由が変だけど当たらずも遠からずなんでまぁよしとしよう。
僕の必要な荷物を整理しようと思ったんだけど、先輩が業者さん?部下の人達?が全てしてくれるということで、元気の良い母と妹に安心というか...疲れた僕はお言葉に甘えさせてもらうことにした。
そして今は....
帰りの道中。
高級車の中の....先輩の膝の上である。
お姫様抱っこのような横抱きの体制だ。ここ最近ほぼ常に接触しているといえるくらい近くにいるが...まだまだ慣れない///
真っすぐ向くと先輩の美しい横顔が間近になっちゃって照れてしまうので、僕は先輩の顔の横の肩にもたれかかるようにしている。
先輩の首元から良い匂いが香ってくる。高貴な人のフェロモンはこの匂いですって言われたら納得する。クンクンしたいけど、運転手さんもいるし、車の中だし、我慢だっ///
「う...../// あの...僕の家族が騒がしくて..びっくりしましたよね。なんかすいません。そしてあんなにあっさりは家を出ることを認められるとは...」
『夏樹の家族って感じだねー。だから言ったでしょ大丈夫だって。大丈夫じゃなくても攫っていくから結局大丈夫。』
「はぇ?」
攫うって...僕も実際不良さんたちに攫われたわけだけど...そんな不良たちに囲まれ続けてきた先輩は、価値観がおかしくなったのかもしれない....
大丈夫です!僕はそんな先輩を否定しませんし、ゆっくり一般ピーポーの感覚を教えてあげますからね!
「先輩、強行突破しなくても話し合いで解決できるのが俗世なんですよ」
気持ちが伝わるように、先輩の首の後ろに手を回して軽くギュッとする。
『俺から離れなければ大丈夫なだけでしょ?』
「家では一緒なわけですから、付き合ってる限りは離れられないってことになりますから安心してくださいねっ」
すると先輩のまとう雰囲気が一気に下がった気がする。
『...はぁ...夏樹はさ、どうやったら俺のところまで堕ちてくるんだろうね....』
表情は見えないがこれ絶対無表情お怒りモード....だよねっ(汗。
「ふぇ?落ちるって、先輩より僕の方が確実に底辺人間ですよ!」
先輩...まさか自己肯定感まで低いなんて....
励まさないと!と身を起こして先輩の顔を覗いてみると....
目には光がなく、氷のように冷たい表情.... 前までの僕だったら震えあがってたと思うけれど、今の僕は先輩の恋人としてちゃんと向き合う覚悟があるのだ!
『やっぱり手の中に入れておかないと....』
しまいには呟きが始まっている....蓮先輩...実は陰キャ.....
ま....まずいっ
僕をその瞳に映してほしくて僕は先輩の顔を手で挟んでぐいっと顔を近づけた。
「蓮先輩!どんなに先輩が殻に閉じこもっても僕がちゃんと救い出しますからね!大丈夫ですっ」
『俺を救う?だったら俺と死んでくれる?夏樹が別れるかもしれない関係と思ってると感じるだけで自分がコントロールできなくなる....』
僕が別れない限りって言ったから...それで......?
こんなのだめなのかもだけど.....なんでなんだろう....ぞくぞくってする感覚....嬉しいって思っちゃう。
「先輩っ、僕....なんだか嬉しいです。先輩が僕の言葉で一喜一憂してくれるって思うと...ドキドキしちゃいます。僕、どんな先輩でも好きって思っちゃうんだろうなって思います///えへへ」
すると、少し眉を寄せる先輩。その姿も色っぽくて....思わず見惚れてしまう。
『夏樹には想像できないだろうね....人の手に渡ることを想像するだけで、殺してでも永遠に手に入れようと思う感情が。』
「それだけ僕のことを思ってくれるってことですよね?僕、先輩の気持ちは全部受け止めたいし、別れるなんて考えてませんから!死にたくはないけど、一緒に幸せになりたいですっ 初恋が実ったんですから///」
この怖いほど美しい陰のある人は僕の恋人なんだと思うと、放って置けないという気持ちというより、この感情を僕にも分けてほしいというゾクゾクした思いが生まれる。
『幸せ...か。願ったことも考えたこともなかったけど、夏樹の全てを俺にくれたらそうなれるのかも』
「もう蓮先輩には僕の初めてもぜーんぶあげてますよ?///」
僕は恥ずかしくて顔も赤くなってると思うけど...ちゃんと僕にとっても特別って伝えていきたい。
するとギュッと苦しくなるくらい強くギュッとされる。
「はぅんッ♡」
『俺の夏樹...全部支配したい....」
きゅんっっ♡
こんなにも求められるって...嬉しいな.....
「せんぱいも....僕だけでいてくださいね♡」
『はぁ....ホントに俺がどうにかされそう....かわい。』
先輩の僕を見る目が熱っぽく見える。
『ねぇ夏樹、舌出して?』
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ヤンデレの蓮をさらっと受け入れる夏樹こそ実は最強では....
※今回は私用で更新がとても遅くなったのに、たくさんのエールをいただき.....本当に素敵な読者様しかいらっしゃらない...支えてくださりありがとうございます!
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