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死神?登場
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※暴力的表現がございますのでご注意ください
すごい音がしたのはドアを無理やり壊した音だったようだ。
映画のヒーロー登場シーンみたいに砂埃が舞っている。
その先には.........っ!!!
「蓮先輩っ!」
嬉しさと安堵で涙でぐちゃぐちゃになった僕が叫んだ。
こういう時ってヒロインを助けるヒーロー的に、待たせたな、とかで爽やかに現れ助けるイメージだが、こちらに向かってくる先輩は.....
いつもよりも一層氷のように冷たい無表情。
美しい造形なだけに人ならざるもののような...身がすくむほどの威圧感を放っている圧倒的な強者のオーラ....多分これが殺気と言われるものなのだろう。
闇から現れしって感じの...
まるで、魔王とか死神のようだ。
そして先輩の瞳は迷いなく僕に真っ直ぐに向いている。
ズクンッ....
普通なら身がすくむくらいの視線だろうが、その視線を向けられると体の芯が熱くなるような、胸がキュンとする。
先輩はゆっくりとした足取りでこちらに向かってくる。
『俺のに手を出したらどうなるのか..お前らで見せしめとしようか』
その圧倒的な威圧感に皆呪われたように誰もがこの事態に反応ができていなかったが、先輩の一言で我に返った。
「ひっ.....」白髪さんが思わず僕の拘束を辞めて飛び退く。
「....お...おいっ!見張はどうしたんだ!まさか1人で...」
『あの虫けらどもで足止めなんて笑わせる』
「お・・・お前ら!!!ぼうっとするな!!!やれ!!!」
一人が背後から鉄パイプを持って襲い掛かる。
先輩は後ろも見ずに男を蹴り飛ばす。
「ぐあっ!!!」
え..これ漫画?バリに吹っ飛んでいく。
一人で立ち向かうなんて無理だとどう見ても分かる。
他のリベン〇ャーズたちが角材や鉄パイプ、ナイフを持っている者も一気に襲い掛かる。
「「「おらぁぁぁ!」」」
先輩は軽くステップを踏むくらいの動きで、目にも止まらぬ速さでどんどん彼らを沈めていく。
一発殴るれただけで血を吐いている者もいる。バキィッ、と鈍い音もする。骨が折れる音を初めて聞いた...
「げほっ....ごほっ」
「ぐっ....なんなんだよっ!コイツ!」
「人間じゃねーよ...」
ほぼ誰ももうまともに立ち上がれない状態だ。
どう考えても劣勢の状況に青髪は夏樹の首にナイフをあてて蓮先輩に向かって叫ぶ。
「御堂っ!久しぶりだなーあの時の借りを返さないとな」
その様子を見て、一層先輩の視線が冷たく淀む。
『お前誰。そんなに死にたいのか。』
「覚えてないだと....ふざけるなぁぁっ!」
恐怖や怒りから力の加減がコントロールできないのか、果たして僕を殺すつもりなのか、青髪のナイフが首に食い込み皮膚が破れて血が流れてくるのを感じる。
痛みはあるけど僕は怖くない...不思議な感覚だ。目の前の先輩から目が離せない。返り血もなんだかとっても似合って綺麗....と見惚れていると、
「がはぁ!!!!!なんだ・・・これ・・・・」
青髪の拘束が解かれ、青髪が倒れこむ。
え?早すぎて見えなかった....
青髪を見ると胸にナイフが刺さっている。
先輩は青髪の方に向かうと、頭を蹴り飛ばし踏みつけ続けている。青髪は歯もボロボロなのではというくらい血まみれだ...抵抗ももう出来ておらず、意識もないのだろう。
このままでは先輩が本当に殺しちゃう...!止めなきゃ!
と僕は蓮先輩にしがみついた。
「蓮先輩!僕・・・もう大丈夫ですっ!」
先輩は僕を見て、冷たいだけの瞳だったものが、少し緩んだように変化する。
『俺の夏樹に手を出したんだ。死にたいと思えるくらいには処理しないと。』
「もういいんですっ!蓮先輩きてくれてありがとう...嬉しい....」
と先輩にもっと力を込めてぎゅっとして胸に顔をうずめた。
すると先輩も僕の無事を確かめるようにぎゅっと抱き返してくれる。
『すまなかった....』
え?先輩が僕に謝るなんて...と顔を話してその顔を見上げると、
哀しみと戸惑いと複雑な色が混ざったような瞳で....その美しい顔をゆがめている...
「えへへ。蓮先輩かっこよかったです!」
と僕は先輩の初めての表情を見ながら、またギュッと抱きつく。
安心した僕は先輩にそのまま力が抜けて意識を手放した。
----------------------------
腕に倒れこむ夏樹をお姫様抱っこにして抱えなおし、腕の中の夏樹の新たについている噛み跡を見て、どうしようもない怒りが込み上げてくる。これが怒るという感情か・・・面白くない、面倒くさいという感覚は生まれるが、自分をコントロールできないような怒りを感じたのは初めてだ。
そのまま夏樹を抱えて表に控えさせている車に乗り込む。
「若様、処理部隊を向かわせております」
『ああ。青髪のやつだけは捕らえておけ。俺がやる。』
まずは歯、指、夏樹に触れた全ての部位を切り取ってやろうか。
当時蓮が父親から「唯一に出会ったら、牢に入れてでも手に入れ守れ」と言われたことを思い出す。
すごい音がしたのはドアを無理やり壊した音だったようだ。
映画のヒーロー登場シーンみたいに砂埃が舞っている。
その先には.........っ!!!
「蓮先輩っ!」
嬉しさと安堵で涙でぐちゃぐちゃになった僕が叫んだ。
こういう時ってヒロインを助けるヒーロー的に、待たせたな、とかで爽やかに現れ助けるイメージだが、こちらに向かってくる先輩は.....
いつもよりも一層氷のように冷たい無表情。
美しい造形なだけに人ならざるもののような...身がすくむほどの威圧感を放っている圧倒的な強者のオーラ....多分これが殺気と言われるものなのだろう。
闇から現れしって感じの...
まるで、魔王とか死神のようだ。
そして先輩の瞳は迷いなく僕に真っ直ぐに向いている。
ズクンッ....
普通なら身がすくむくらいの視線だろうが、その視線を向けられると体の芯が熱くなるような、胸がキュンとする。
先輩はゆっくりとした足取りでこちらに向かってくる。
『俺のに手を出したらどうなるのか..お前らで見せしめとしようか』
その圧倒的な威圧感に皆呪われたように誰もがこの事態に反応ができていなかったが、先輩の一言で我に返った。
「ひっ.....」白髪さんが思わず僕の拘束を辞めて飛び退く。
「....お...おいっ!見張はどうしたんだ!まさか1人で...」
『あの虫けらどもで足止めなんて笑わせる』
「お・・・お前ら!!!ぼうっとするな!!!やれ!!!」
一人が背後から鉄パイプを持って襲い掛かる。
先輩は後ろも見ずに男を蹴り飛ばす。
「ぐあっ!!!」
え..これ漫画?バリに吹っ飛んでいく。
一人で立ち向かうなんて無理だとどう見ても分かる。
他のリベン〇ャーズたちが角材や鉄パイプ、ナイフを持っている者も一気に襲い掛かる。
「「「おらぁぁぁ!」」」
先輩は軽くステップを踏むくらいの動きで、目にも止まらぬ速さでどんどん彼らを沈めていく。
一発殴るれただけで血を吐いている者もいる。バキィッ、と鈍い音もする。骨が折れる音を初めて聞いた...
「げほっ....ごほっ」
「ぐっ....なんなんだよっ!コイツ!」
「人間じゃねーよ...」
ほぼ誰ももうまともに立ち上がれない状態だ。
どう考えても劣勢の状況に青髪は夏樹の首にナイフをあてて蓮先輩に向かって叫ぶ。
「御堂っ!久しぶりだなーあの時の借りを返さないとな」
その様子を見て、一層先輩の視線が冷たく淀む。
『お前誰。そんなに死にたいのか。』
「覚えてないだと....ふざけるなぁぁっ!」
恐怖や怒りから力の加減がコントロールできないのか、果たして僕を殺すつもりなのか、青髪のナイフが首に食い込み皮膚が破れて血が流れてくるのを感じる。
痛みはあるけど僕は怖くない...不思議な感覚だ。目の前の先輩から目が離せない。返り血もなんだかとっても似合って綺麗....と見惚れていると、
「がはぁ!!!!!なんだ・・・これ・・・・」
青髪の拘束が解かれ、青髪が倒れこむ。
え?早すぎて見えなかった....
青髪を見ると胸にナイフが刺さっている。
先輩は青髪の方に向かうと、頭を蹴り飛ばし踏みつけ続けている。青髪は歯もボロボロなのではというくらい血まみれだ...抵抗ももう出来ておらず、意識もないのだろう。
このままでは先輩が本当に殺しちゃう...!止めなきゃ!
と僕は蓮先輩にしがみついた。
「蓮先輩!僕・・・もう大丈夫ですっ!」
先輩は僕を見て、冷たいだけの瞳だったものが、少し緩んだように変化する。
『俺の夏樹に手を出したんだ。死にたいと思えるくらいには処理しないと。』
「もういいんですっ!蓮先輩きてくれてありがとう...嬉しい....」
と先輩にもっと力を込めてぎゅっとして胸に顔をうずめた。
すると先輩も僕の無事を確かめるようにぎゅっと抱き返してくれる。
『すまなかった....』
え?先輩が僕に謝るなんて...と顔を話してその顔を見上げると、
哀しみと戸惑いと複雑な色が混ざったような瞳で....その美しい顔をゆがめている...
「えへへ。蓮先輩かっこよかったです!」
と僕は先輩の初めての表情を見ながら、またギュッと抱きつく。
安心した僕は先輩にそのまま力が抜けて意識を手放した。
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腕に倒れこむ夏樹をお姫様抱っこにして抱えなおし、腕の中の夏樹の新たについている噛み跡を見て、どうしようもない怒りが込み上げてくる。これが怒るという感情か・・・面白くない、面倒くさいという感覚は生まれるが、自分をコントロールできないような怒りを感じたのは初めてだ。
そのまま夏樹を抱えて表に控えさせている車に乗り込む。
「若様、処理部隊を向かわせております」
『ああ。青髪のやつだけは捕らえておけ。俺がやる。』
まずは歯、指、夏樹に触れた全ての部位を切り取ってやろうか。
当時蓮が父親から「唯一に出会ったら、牢に入れてでも手に入れ守れ」と言われたことを思い出す。
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