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おまけ(家庭教師カタリーナ視点)
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(家庭教師目線)
私は、カタリーナ・エドバンス。
この帝国でも随一の音楽一家と言われる伯爵家に生まれ育ち、幼いろから私が出るコンクールは全て総なめのレベルでその血筋を発揮してきた。
この腕前をこの度帝国王に認められたのである。
伯爵家総出で送りだされた。
お教えするのは陛下の他国からきた婚約者であり、その国では素行の悪い令嬢として有名だったと聞く。
音楽は正直素質も大事になる。素質がなかったとしてもそれなりには仕上げねば私の家系に泥を塗ることになる。
貴族女性として社交の場で音楽を聴くことはもちろんだが、披露をすることもある。
何か一つでも得意なものがあれば社交界の世界で女性としての武器になるのだ。皇妃になるならば、もちろんだ。
家庭教師になるにあたって契約書の取り交わしがあったのだが内容が・・・・
〝皇妃の情報を外に漏らすことを禁ずる〟などはわかる。(皇妃とここで断定はやや違和感はあるが・・・)
〝必要枠の知識のみ与えることとし、外部の情報を必要以上に与えることを禁ずる〟
などちょっと変わった内容のものもあったが、教えるにあたって問題はない。
もし今のミシェルには何もなくとも、私の家紋にかけて何とかしてみせる、という覚悟を持ってミシェルに向き合おうと心に決めた。
初日。
その覚悟も超えて度肝を抜かれる衝撃を受けることになった・・・・
挨拶を交わすと、まだ少しぎこちないカーテシーだがマナーも習得しつつあることが伺える。
何より、噂と違って穏やかな雰囲気で驚いた。
見目も、あの美しい陛下に見初められるだけある。
「后妃様、楽器や声楽のご経験はあられますよね?」
「は・・・・はい。歌は好き・・・だと思います。楽器はピアノを少々やっていたような記憶がある気も・・・します。」
「さすがでございます。記憶をなくしても、体に染みついたものもあるかもしれませんね。では現状のレベル感を確認するためにお出来になる曲を教えていただきたいのですが覚えてらっしゃいますか?」
「え・・・(そもそもこの世界の曲って知らないのにー・・・)記憶喪失の関係でそこまでは思い出せません・・・ですが私が即興で披露することはできる気がいたします。」
「なんとまぁ・・・ご自分で作られるご令嬢の方には出会ったことはございません。さすがにございます。」
「いやいや・・・子供の戯れのようなレベルかと思いますが・・・」
その場で作って披露するなど、上級の音楽家でも難しいことだ。
子供の戯れだとしても、挑戦しようとされる心に関心だわ。
「かまいません。思いのままどうぞ。まずはピアノからいたしましょうか。」
「わかりました・・・えっと・・・(ぼそぼそ)私の好きな・・・尊敬の坂本龍一先生の戦場のメリークリスマスにしようかな・・・しぶいけど」
ミシェル様は旋律をイメージされているのかぶつぶつつぶやきながらピアノに座って姿勢を整えている。
姿勢も素晴らしい。良い体幹をされてらっしゃる。
そして弾き始めたわけだが・・・・
なんなの!!!!この切ない旋律の中に感じる幻想的なオーラのある曲は!!!
う・・・胸が・・・・・こんな音楽を聴いて心にぐっときたのは初めて・・・・・・・・
ピアノ技術がすごいわけではないが、なんて素晴らしい楽曲なの・・・・・
なんてこと・・・自然と涙が・・・・・・
見渡すと侍女も胸を抱えている。
私だけではない・・・こんな才能この社交界を揺るがしてしまうレベルよ・・・・
ミシェル様は弾き終わって不安そうにこちらを見てくる。
「泣かせてしまうくらいがっかりさせてしまったようで・・・すいません。ここから初心で頑張ります!」
「いえいえいえいえ!あまりの旋律に感動してしまいました・・・・何という才能でしょうか。このような曲が作れるなど大作曲家にもおりますまい。即興ということはもう二度と出会えないかもしれない曲というのが心から惜しい限りです・・・」
こんな素晴らしい曲、世の中にぜひ広めたいという音楽愛が胸を占める。
「(さすが坂本龍一先生・・・感謝)あ、楽譜かけますよ?」
そうなのだミシェルは前世でほぼ病院生活だったために脳は鍛えに鍛えられ、記憶術もすごいのだった。
「な・・・なんてこと・・・・そんな価値あるもの取り扱いに注意しないと・・・・」
「もしよろしかったら、先生との出会いの記念にプレゼントとして差し上げますよ!」
「え!?!?!?よろしいのですか!!!!!私のエドバンス家の名に懸けてこの素晴らしい楽曲を適切に伝え広めると約束いたします!!!」
淑女とは思えない大声が出てしまったが、それだけの名誉あることだ。なんという才能・・・そして心の広さ・・・感服いたします。
「これで音楽の才能は十分と言えますが、歌がお好きとのことでしたので、歌も一度聞かせていただいてもよろしいでしょうか?」
「はい!こちらも即興になりますが・・・お恥ずかしいですが、心を込めて歌いますね。」
~アニメソング 紅〇華を大熱唱~~~
なんてことなの!この細いお体のどこにこんなパワフルな声帯が!!!
そして身振り手振りを交えて心からこの歌を歌っているのを感じる。
声楽と言えばオペラやコーラスになるわけだが・・・このジャンルは一体なんなの!!!
消せない夢・・・・運命を照らして・・・・紡がれるその歌詞も独特だが、何かこう心を鷲掴みにされるものを感じるわ。
周りを見ると侍女の双子がうずくまって震えている。
あまりの曲に感動しているのだろう。
ミシェル様は気持ちよさそうに歌い切った。
パチパチパチパチ
控えている侍女や騎士も思わず皆涙して拍手を送る。
「なんてことでしょう・・・・これもまたなんて素敵な・・・・・胸の高鳴りが収まりません・・・・・!!!」
「えへへ・・・(全て前世のアーティストのおかげなんだけど)。こちらも楽譜に落とせますが差し上げましょうか?」
「なんとまぁ!!!!!この身に余る褒美でございます・・・対価に何を差し上げれば・・・・・」
「え?必要ないですよ。これから、貴族にとって覚えるべき曲などぜひ伝授してください。」
「もう必要ないのではとも思いますが・・・私にできることは何でもさせていただきます。」
こうして私は皇妃ミシェル様の大ファン&崇拝者となった。
その2曲はエドバンス伯爵家をさらに盛り立て、皇妃の残した奇跡の曲としてその後も語り継がれることになるのだった・・・・
私は、カタリーナ・エドバンス。
この帝国でも随一の音楽一家と言われる伯爵家に生まれ育ち、幼いろから私が出るコンクールは全て総なめのレベルでその血筋を発揮してきた。
この腕前をこの度帝国王に認められたのである。
伯爵家総出で送りだされた。
お教えするのは陛下の他国からきた婚約者であり、その国では素行の悪い令嬢として有名だったと聞く。
音楽は正直素質も大事になる。素質がなかったとしてもそれなりには仕上げねば私の家系に泥を塗ることになる。
貴族女性として社交の場で音楽を聴くことはもちろんだが、披露をすることもある。
何か一つでも得意なものがあれば社交界の世界で女性としての武器になるのだ。皇妃になるならば、もちろんだ。
家庭教師になるにあたって契約書の取り交わしがあったのだが内容が・・・・
〝皇妃の情報を外に漏らすことを禁ずる〟などはわかる。(皇妃とここで断定はやや違和感はあるが・・・)
〝必要枠の知識のみ与えることとし、外部の情報を必要以上に与えることを禁ずる〟
などちょっと変わった内容のものもあったが、教えるにあたって問題はない。
もし今のミシェルには何もなくとも、私の家紋にかけて何とかしてみせる、という覚悟を持ってミシェルに向き合おうと心に決めた。
初日。
その覚悟も超えて度肝を抜かれる衝撃を受けることになった・・・・
挨拶を交わすと、まだ少しぎこちないカーテシーだがマナーも習得しつつあることが伺える。
何より、噂と違って穏やかな雰囲気で驚いた。
見目も、あの美しい陛下に見初められるだけある。
「后妃様、楽器や声楽のご経験はあられますよね?」
「は・・・・はい。歌は好き・・・だと思います。楽器はピアノを少々やっていたような記憶がある気も・・・します。」
「さすがでございます。記憶をなくしても、体に染みついたものもあるかもしれませんね。では現状のレベル感を確認するためにお出来になる曲を教えていただきたいのですが覚えてらっしゃいますか?」
「え・・・(そもそもこの世界の曲って知らないのにー・・・)記憶喪失の関係でそこまでは思い出せません・・・ですが私が即興で披露することはできる気がいたします。」
「なんとまぁ・・・ご自分で作られるご令嬢の方には出会ったことはございません。さすがにございます。」
「いやいや・・・子供の戯れのようなレベルかと思いますが・・・」
その場で作って披露するなど、上級の音楽家でも難しいことだ。
子供の戯れだとしても、挑戦しようとされる心に関心だわ。
「かまいません。思いのままどうぞ。まずはピアノからいたしましょうか。」
「わかりました・・・えっと・・・(ぼそぼそ)私の好きな・・・尊敬の坂本龍一先生の戦場のメリークリスマスにしようかな・・・しぶいけど」
ミシェル様は旋律をイメージされているのかぶつぶつつぶやきながらピアノに座って姿勢を整えている。
姿勢も素晴らしい。良い体幹をされてらっしゃる。
そして弾き始めたわけだが・・・・
なんなの!!!!この切ない旋律の中に感じる幻想的なオーラのある曲は!!!
う・・・胸が・・・・・こんな音楽を聴いて心にぐっときたのは初めて・・・・・・・・
ピアノ技術がすごいわけではないが、なんて素晴らしい楽曲なの・・・・・
なんてこと・・・自然と涙が・・・・・・
見渡すと侍女も胸を抱えている。
私だけではない・・・こんな才能この社交界を揺るがしてしまうレベルよ・・・・
ミシェル様は弾き終わって不安そうにこちらを見てくる。
「泣かせてしまうくらいがっかりさせてしまったようで・・・すいません。ここから初心で頑張ります!」
「いえいえいえいえ!あまりの旋律に感動してしまいました・・・・何という才能でしょうか。このような曲が作れるなど大作曲家にもおりますまい。即興ということはもう二度と出会えないかもしれない曲というのが心から惜しい限りです・・・」
こんな素晴らしい曲、世の中にぜひ広めたいという音楽愛が胸を占める。
「(さすが坂本龍一先生・・・感謝)あ、楽譜かけますよ?」
そうなのだミシェルは前世でほぼ病院生活だったために脳は鍛えに鍛えられ、記憶術もすごいのだった。
「な・・・なんてこと・・・・そんな価値あるもの取り扱いに注意しないと・・・・」
「もしよろしかったら、先生との出会いの記念にプレゼントとして差し上げますよ!」
「え!?!?!?よろしいのですか!!!!!私のエドバンス家の名に懸けてこの素晴らしい楽曲を適切に伝え広めると約束いたします!!!」
淑女とは思えない大声が出てしまったが、それだけの名誉あることだ。なんという才能・・・そして心の広さ・・・感服いたします。
「これで音楽の才能は十分と言えますが、歌がお好きとのことでしたので、歌も一度聞かせていただいてもよろしいでしょうか?」
「はい!こちらも即興になりますが・・・お恥ずかしいですが、心を込めて歌いますね。」
~アニメソング 紅〇華を大熱唱~~~
なんてことなの!この細いお体のどこにこんなパワフルな声帯が!!!
そして身振り手振りを交えて心からこの歌を歌っているのを感じる。
声楽と言えばオペラやコーラスになるわけだが・・・このジャンルは一体なんなの!!!
消せない夢・・・・運命を照らして・・・・紡がれるその歌詞も独特だが、何かこう心を鷲掴みにされるものを感じるわ。
周りを見ると侍女の双子がうずくまって震えている。
あまりの曲に感動しているのだろう。
ミシェル様は気持ちよさそうに歌い切った。
パチパチパチパチ
控えている侍女や騎士も思わず皆涙して拍手を送る。
「なんてことでしょう・・・・これもまたなんて素敵な・・・・・胸の高鳴りが収まりません・・・・・!!!」
「えへへ・・・(全て前世のアーティストのおかげなんだけど)。こちらも楽譜に落とせますが差し上げましょうか?」
「なんとまぁ!!!!!この身に余る褒美でございます・・・対価に何を差し上げれば・・・・・」
「え?必要ないですよ。これから、貴族にとって覚えるべき曲などぜひ伝授してください。」
「もう必要ないのではとも思いますが・・・私にできることは何でもさせていただきます。」
こうして私は皇妃ミシェル様の大ファン&崇拝者となった。
その2曲はエドバンス伯爵家をさらに盛り立て、皇妃の残した奇跡の曲としてその後も語り継がれることになるのだった・・・・
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