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おまけ(侍女アンナの視点)
しおりを挟む(アンナ視点)
私は王家の遠縁にあたり、その恩恵は少ないものの魔法も使える。王家の血筋は皆優秀な傾向にある。私も貴族令嬢の中では昔から淑女の鏡と言われているようだ。
今の陛下は過去類を見ないほど血筋が濃く、異才であり血縁の中でも異次元で、親戚といえどそのオーラに圧倒され近くにいると気が休まることはない。
政治も全てが合理的に非の打ちどころがない。逆を言うと人間味がない。
感情をどこかに置き忘れてきたような方だ。
だが圧倒的な実力から陛下の従僕であることは誇りであるし、私自身もある程度信頼を得ているのではと思っている。
だからこそ、今回陛下の番であられるミシェル様の侍女として任命いただいた。番の存在の大きさは私も頭では理解している。
令嬢として大きく問題があると聞くが、陛下の手中にあれば好き勝手できるわけもないし、所詮少女だ。
そこは侍女である私がうまくコントロールできるだろう。番が彼女だったことはなんとでもなるし、何より陛下の心が満たされるかもしれないことに私は喜んだ。
新たに整備された陛下たちの住まい空間を確認すると、私はさすが陛下と納得した。
これはもうじゃじゃ馬を飼いならす鳥かごじゃないの。
陛下の手を煩わせることなく、しっかりここで私が躾てみせましょう。
私のこの思いはミシェル様が宮殿に到着され数日で崩れ去ったのだ。
記憶喪失とは聞いていたが・・・もはや人が違うとしか思えない。
確かに・・・確かにマナーも何もわかってない娘ではある・・・だが違うのだ。
私も化けの皮を被っている可能性もあり様子を見ていたが・・・
私が入浴介助をしようとすると恥ずかしそうに
「アンナさん!あ、だめなのか・・・アンナ、私自分のことを自分でやるのが夢だったの・・・一人でしてみてもいいかしら」
私が髪の毛を溶かし朝の身だしなみを整えていると
「ふふふ。アンナに梳いてもらうととっても気持ちい・・・お母さんみたい・・・ あ!ごめんなさい/// アンナのお子さんはとっても幸せだね!」
私が寝る前の支度をしていると
「アンナいつもありがとう。アンナの顔を見るとなんだかホッとしてすぐ眠くなっちゃう えへへ。アンナもちゃんと休んでね!また明日~むにゃむにゃ」
いつもおどおど自信がなさそうにしているように見えるが、人のため相手のためにはしっかり気持ちを伝えることができる。
自分のことより周囲への気遣い。
異常なこの環境にも感謝しか抱いてないようだ・・・
・・・・・・・きゃわいい!!!!!
私は息子を2人育てあげたが娘が欲しかったのだっっ
義理の娘はいるが、淑女としてはいいが、腹の中がわからない女の戦いをこなしてきているのだ、いかんせん可愛げはない。
この子には私が必要よ!!!!!
陛下はこれまで感情がなかったに等しい。ミシェル様の態度を見ていると、番とは言え、執着どころではない雰囲気だ。
このままでは、ミシェル様の自由を奪い続けてでも、自分だけの番として人の目に触れさせず囲い込む未来が想像できる。
陛下の能力があれば妃が表に出ずとも問題はないだろうが、
ミシェル様のためを思うとそれは何ともかわいそうだ。
私がしっかりフォローしてあげないと。
陛下はミシェル様の行動一つでが人が変わったように機嫌も態度も変わる
言葉は悪いが・・・・腑抜けに見えることがある。
逆を言うとミシェル様を害する者がいたときの殺戮は容易に想像ができる。
ミシェル様のための許可をもぎ取った庭の散歩中、私が姫様の騎士たちに支持を出しており一瞬目を離した隙に、専属庭師にミシェル様が花を褒める言葉をかけてしまった。
遅かった・・・・
ミシェル様の笑顔に見惚れていたヘラヘラしていた男性庭師は即日解雇された。
この血筋のことを私は知っているだけに、ミシェル様が望めば本気で王座も捨てるだろうし世界も滅ぼしかねないんじゃないかと思う。
これは私の天命かもしれない・・・・
帝国のため、そして可愛いミシェルのため、一層緊張感と庇護欲がみなぎるアンナなのであった。
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