婚約破棄された直後に隣の帝国王に番認定されてあっという間に囲い込まれてデロデロに愛されます!

ちゃこ

文字の大きさ
上 下
13 / 15

おまけ(侍女アンナの視点)

しおりを挟む

(アンナ視点)

私は王家の遠縁にあたり、その恩恵は少ないものの魔法も使える。王家の血筋は皆優秀な傾向にある。私も貴族令嬢の中では昔から淑女の鏡と言われているようだ。

今の陛下は過去類を見ないほど血筋が濃く、異才であり血縁の中でも異次元で、親戚といえどそのオーラに圧倒され近くにいると気が休まることはない。

政治も全てが合理的に非の打ちどころがない。逆を言うと人間味がない。
感情をどこかに置き忘れてきたような方だ。

だが圧倒的な実力から陛下の従僕であることは誇りであるし、私自身もある程度信頼を得ているのではと思っている。

だからこそ、今回陛下の番であられるミシェル様の侍女として任命いただいた。番の存在の大きさは私も頭では理解している。
令嬢として大きく問題があると聞くが、陛下の手中にあれば好き勝手できるわけもないし、所詮少女だ。
そこは侍女である私がうまくコントロールできるだろう。番が彼女だったことはなんとでもなるし、何より陛下の心が満たされるかもしれないことに私は喜んだ。

新たに整備された陛下たちの住まい空間を確認すると、私はさすが陛下と納得した。
これはもうじゃじゃ馬を飼いならす鳥かごじゃないの。
陛下の手を煩わせることなく、しっかりここで私が躾てみせましょう。


私のこの思いはミシェル様が宮殿に到着され数日で崩れ去ったのだ。
記憶喪失とは聞いていたが・・・もはや人が違うとしか思えない。
確かに・・・確かにマナーも何もわかってない娘ではある・・・だが違うのだ。
私も化けの皮を被っている可能性もあり様子を見ていたが・・・

私が入浴介助をしようとすると恥ずかしそうに
「アンナさん!あ、だめなのか・・・アンナ、私自分のことを自分でやるのが夢だったの・・・一人でしてみてもいいかしら」

私が髪の毛を溶かし朝の身だしなみを整えていると
「ふふふ。アンナに梳いてもらうととっても気持ちい・・・お母さんみたい・・・ あ!ごめんなさい/// アンナのお子さんはとっても幸せだね!」

私が寝る前の支度をしていると
「アンナいつもありがとう。アンナの顔を見るとなんだかホッとしてすぐ眠くなっちゃう えへへ。アンナもちゃんと休んでね!また明日~むにゃむにゃ」


いつもおどおど自信がなさそうにしているように見えるが、人のため相手のためにはしっかり気持ちを伝えることができる。
自分のことより周囲への気遣い。
異常なこの環境にも感謝しか抱いてないようだ・・・

・・・・・・・きゃわいい!!!!!

私は息子を2人育てあげたが娘が欲しかったのだっっ
義理の娘はいるが、淑女としてはいいが、腹の中がわからない女の戦いをこなしてきているのだ、いかんせん可愛げはない。


この子には私が必要よ!!!!!

陛下はこれまで感情がなかったに等しい。ミシェル様の態度を見ていると、番とは言え、執着どころではない雰囲気だ。
このままでは、ミシェル様の自由を奪い続けてでも、自分だけの番として人の目に触れさせず囲い込む未来が想像できる。

陛下の能力があれば妃が表に出ずとも問題はないだろうが、
ミシェル様のためを思うとそれは何ともかわいそうだ。

私がしっかりフォローしてあげないと。



陛下はミシェル様の行動一つでが人が変わったように機嫌も態度も変わる
言葉は悪いが・・・・腑抜けに見えることがある。

逆を言うとミシェル様を害する者がいたときの殺戮は容易に想像ができる。

ミシェル様のための許可をもぎ取った庭の散歩中、私が姫様の騎士たちに支持を出しており一瞬目を離した隙に、専属庭師にミシェル様が花を褒める言葉をかけてしまった。
遅かった・・・・
ミシェル様の笑顔に見惚れていたヘラヘラしていた男性庭師は即日解雇された。

この血筋のことを私は知っているだけに、ミシェル様が望めば本気で王座も捨てるだろうし世界も滅ぼしかねないんじゃないかと思う。


これは私の天命かもしれない・・・・
帝国のため、そして可愛いミシェルのため、一層緊張感と庇護欲がみなぎるアンナなのであった。

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

×一夜の過ち→◎毎晩大正解!

名乃坂
恋愛
一夜の過ちを犯した相手が不幸にもたまたまヤンデレストーカー男だったヒロインのお話です。

軽い気持ちで超絶美少年(ヤンデレ)に告白したら

夕立悠理
恋愛
容姿平凡、頭脳平凡、なリノアにはひとつだけ、普通とちがうところがある。  それは極度の面食いということ。  そんなリノアは冷徹と名高い公爵子息(イケメン)に嫁ぐことに。 「初夜放置? ぜーんぜん、問題ないわ! だって旦那さまってば顔がいいもの!!!」  朝食をたまに一緒にとるだけで、満足だ。寝室別でも、他の女の香水の香りがしてもぜーんぜん平気。……なーんて、思っていたら、旦那さまの様子がおかしい? 「他の誰でもない君が! 僕がいいっていったんだ。……そうでしょ?」  あれ、旦那さまってば、どうして手錠をお持ちなのでしょうか?  それをわたしにつける??  じょ、冗談ですよね──!?!?

彼氏に別れを告げたらヤンデレ化した

Fio
恋愛
彼女が彼氏に別れを切り出すことでヤンデレ・メンヘラ化する短編ストーリー。様々な組み合わせで書いていく予定です。良ければ感想、お気に入り登録お願いします。

じゃない方の私が何故かヤンデレ騎士団長に囚われたのですが

カレイ
恋愛
 天使な妹。それに纏わりつく金魚のフンがこの私。  両親も妹にしか関心がなく兄からも無視される毎日だけれど、私は別に自分を慕ってくれる妹がいればそれで良かった。  でもある時、私に嫉妬する兄や婚約者に嵌められて、婚約破棄された上、実家を追い出されてしまう。しかしそのことを聞きつけた騎士団長が何故か私の前に現れた。 「ずっと好きでした、もう我慢しません!あぁ、貴方の匂いだけで私は……」  そうして、何故か最強騎士団長に囚われました。

ヤンデレ旦那さまに溺愛されてるけど思い出せない

斧名田マニマニ
恋愛
待って待って、どういうこと。 襲い掛かってきた超絶美形が、これから僕たち新婚初夜だよとかいうけれど、全く覚えてない……! この人本当に旦那さま? って疑ってたら、なんか病みはじめちゃった……!

逃げて、追われて、捕まって (元悪役令嬢編)

あみにあ
恋愛
平民に生まれた私には、なぜか生まれる前の記憶があった。 この世界で貴族令嬢として生きてきた記憶。 過去の私は貴族社会の頂点に立ち、さながら悪役令嬢のような存在だった。 人を蹴落とし、気に食わない女を断罪し、今思えばひどい令嬢だったと思うわ。 だから今度は平民としての幸せをつかみたい、そう願っていたはずなのに、一体全体どうしてこんな事になってしまたのかしら……。 *****ご報告**** 「逃げて、追われて、捕まって」連載版については、2020年 1月28日 レジーナブックス 様より書籍化しております。 **************** サクサクと読める、5000字程度の短編を書いてみました! なろうでも同じ話を投稿しております。

恋心を封印したら、なぜか幼馴染みがヤンデレになりました?

夕立悠理
恋愛
 ずっと、幼馴染みのマカリのことが好きだったヴィオラ。  けれど、マカリはちっとも振り向いてくれない。  このまま勝手に好きで居続けるのも迷惑だろうと、ヴィオラは育った町をでる。  なんとか、王都での仕事も見つけ、新しい生活は順風満帆──かと思いきや。  なんと、王都だけは死んでもいかないといっていたマカリが、ヴィオラを追ってきて……。

ヤンデレお兄様から、逃げられません!

夕立悠理
恋愛
──あなたも、私を愛していなかったくせに。 エルシーは、10歳のとき、木から落ちて前世の記憶を思い出した。どうやら、今世のエルシーは家族に全く愛されていないらしい。 それならそれで、魔法も剣もあるのだし、好きに生きよう。それなのに、エルシーが記憶を取り戻してから、義兄のクロードの様子がおかしい……?  ヤンデレな兄×少しだけ活発な妹

処理中です...