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8.いざ!帝国へ向けて出発
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アラン陛下にお姫様抱っこで部屋に連れて行かれ、当然のように一緒に入ろうとする陛下を、今目の前で侍女たち4人が立ち塞がっている・・・
「・・・へ、陛下・・まだお二人はご成婚前にございます。お慎みください」
『君たちに何の権限が?私たちを引き離そうとする者に私が容赦すると?』
そして気のせいじゃないと思うが周囲の気温が一気に下がった気が・・・
離れたくない気持ちはあるけれど、アラン様が一緒では恥ずかしすぎて寝られない気がする。。。そして侍女の方たちにも迷惑がかかりそうよね。明日は旅立ちだもの!アラン様にもしっかり休んでもらわないと。
そして私はアラン様の服の裾を掴んでくいっとして見上げた
「えっと・・・アラン様、皆さんの迷惑になっちゃいます。明日また会えるのを楽しみにできるのも嬉しいですっ\\\」
『ぐっ!・・・上目遣いなんて反則だよ。私のミシェルはなんて小悪魔なんだ・・つらい・・・私の前でだけだからね』
とアラン様は私の首に顔を埋めて、スーハースーハーをしてから泣く泣く解放してくれた。
もちろん私の顔は真っ赤に染まっていっぱいいっぱいだったのだけど、
その間侍女たちが悶えていたなんて知る由もない・・・
私はベッドに入ると疲れが溜まっていたのか泥のように眠りについた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
夢の中
「香織や。おばあちゃんだよ。」
おばあちゃんの声だ。
おばあちゃんは時々病室に来てくれて、いつも私に素敵な言葉とパワーをくれたんだ。
母方の家系は代々龍神様を祀る神社に仕えていて、母は父に嫁いだので関わりはなかったが、おばあちゃんは巫女だった。おばあちゃんはいつも私の体を健やかにとお祈りをしてくれたんだ。
私の大好きなおばあちゃん。
「香織。この声が届いていることを祈ってるよ。香織には龍神様の加護があるんだ。一度ばぁばと神社の池で感じたあの感覚を忘れてはいけないよ。」
おばあちゃん?これは夢・・だよね。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ミシェル様、おはようございます。そろそろお昼前になりますので・・・」
侍女に声をかけられて私は起きた。まさかそんなに寝てるなんて!
「そんな時間に!自分で起きられずすいません!」
「色んなことが一気に起きたのですから、お疲れだったのでしょう。起こすのは忍びなかったですが、出発のお時間もありますので。それよりもアラン陛下の方がやっかい・・いえ、ご心配されてらっしゃったので早めにお顔を見せてあげましょう。」
その後支度をしてアラン様にご挨拶に行くと、
『よほど疲れてたんだね。起こすのは忍びなかかったが、万が一このまま目が覚めなかったらと大袈裟に心配してしまったよ・・・』と大層心配してくれていたようで、強くギュッギュと抱きしめられたのであった。
すごく恥ずかしいけれど、なんだか近くにいることが自然という感覚もあって、私も思わずぎゅっと背中に手を回した。
『今日も私のミシェルは愛おしい・・・あぁ・・隙間なくずっとこのままでいたくなるよ・・
さぁ、食事を済ませて帝国に向かおう。』
昼食をまたアラン様の膝の上で私は真っ赤になりワタワタしながら食べさせてもらった。
荷造りとはいっても私は何も荷物はないのですぐに馬車に乗れる状態だ。
使用人の方たちに挨拶を済ませ、その後また豪華だが品のある馬車に乗り込む。
広い馬車の中だが、なぜか横に座る私たち・・・
『ここから数日ほどかけて帝国に向かうよ。』
いよいよ帝国・・・酷い噂しかない令嬢が婚約破棄後に帝国王の番いに・・・歓迎されないことだけは確実な気がする・・・
私は膝の上の手を思わずぎゅっと握り込んだ。
するとその上からアラン様の手が重なる。
『不安な気持ちも無理はない。だが私がいかなる障害からも守ると誓うよ。君と共にあるためならこの地位だって捨て去れるんだからね。』
「お気持ちありがとうございます。ですが私の力で認められたい・・・けど挫けそうになることもあるかもしれません。その時は応援してくださると嬉しいです///」
『そんなの当たり前だよ。いつだって私は君の最大の味方だ。』
ミシェルが挫けそうになるくらい心を傷つける輩がいたとしたら跡形もなく消すだけだけどね。あー想像しただけで虫唾が走る。
というアランの心の声はミシェルには届かないのだった。
「・・・へ、陛下・・まだお二人はご成婚前にございます。お慎みください」
『君たちに何の権限が?私たちを引き離そうとする者に私が容赦すると?』
そして気のせいじゃないと思うが周囲の気温が一気に下がった気が・・・
離れたくない気持ちはあるけれど、アラン様が一緒では恥ずかしすぎて寝られない気がする。。。そして侍女の方たちにも迷惑がかかりそうよね。明日は旅立ちだもの!アラン様にもしっかり休んでもらわないと。
そして私はアラン様の服の裾を掴んでくいっとして見上げた
「えっと・・・アラン様、皆さんの迷惑になっちゃいます。明日また会えるのを楽しみにできるのも嬉しいですっ\\\」
『ぐっ!・・・上目遣いなんて反則だよ。私のミシェルはなんて小悪魔なんだ・・つらい・・・私の前でだけだからね』
とアラン様は私の首に顔を埋めて、スーハースーハーをしてから泣く泣く解放してくれた。
もちろん私の顔は真っ赤に染まっていっぱいいっぱいだったのだけど、
その間侍女たちが悶えていたなんて知る由もない・・・
私はベッドに入ると疲れが溜まっていたのか泥のように眠りについた。
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夢の中
「香織や。おばあちゃんだよ。」
おばあちゃんの声だ。
おばあちゃんは時々病室に来てくれて、いつも私に素敵な言葉とパワーをくれたんだ。
母方の家系は代々龍神様を祀る神社に仕えていて、母は父に嫁いだので関わりはなかったが、おばあちゃんは巫女だった。おばあちゃんはいつも私の体を健やかにとお祈りをしてくれたんだ。
私の大好きなおばあちゃん。
「香織。この声が届いていることを祈ってるよ。香織には龍神様の加護があるんだ。一度ばぁばと神社の池で感じたあの感覚を忘れてはいけないよ。」
おばあちゃん?これは夢・・だよね。
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「ミシェル様、おはようございます。そろそろお昼前になりますので・・・」
侍女に声をかけられて私は起きた。まさかそんなに寝てるなんて!
「そんな時間に!自分で起きられずすいません!」
「色んなことが一気に起きたのですから、お疲れだったのでしょう。起こすのは忍びなかったですが、出発のお時間もありますので。それよりもアラン陛下の方がやっかい・・いえ、ご心配されてらっしゃったので早めにお顔を見せてあげましょう。」
その後支度をしてアラン様にご挨拶に行くと、
『よほど疲れてたんだね。起こすのは忍びなかかったが、万が一このまま目が覚めなかったらと大袈裟に心配してしまったよ・・・』と大層心配してくれていたようで、強くギュッギュと抱きしめられたのであった。
すごく恥ずかしいけれど、なんだか近くにいることが自然という感覚もあって、私も思わずぎゅっと背中に手を回した。
『今日も私のミシェルは愛おしい・・・あぁ・・隙間なくずっとこのままでいたくなるよ・・
さぁ、食事を済ませて帝国に向かおう。』
昼食をまたアラン様の膝の上で私は真っ赤になりワタワタしながら食べさせてもらった。
荷造りとはいっても私は何も荷物はないのですぐに馬車に乗れる状態だ。
使用人の方たちに挨拶を済ませ、その後また豪華だが品のある馬車に乗り込む。
広い馬車の中だが、なぜか横に座る私たち・・・
『ここから数日ほどかけて帝国に向かうよ。』
いよいよ帝国・・・酷い噂しかない令嬢が婚約破棄後に帝国王の番いに・・・歓迎されないことだけは確実な気がする・・・
私は膝の上の手を思わずぎゅっと握り込んだ。
するとその上からアラン様の手が重なる。
『不安な気持ちも無理はない。だが私がいかなる障害からも守ると誓うよ。君と共にあるためならこの地位だって捨て去れるんだからね。』
「お気持ちありがとうございます。ですが私の力で認められたい・・・けど挫けそうになることもあるかもしれません。その時は応援してくださると嬉しいです///」
『そんなの当たり前だよ。いつだって私は君の最大の味方だ。』
ミシェルが挫けそうになるくらい心を傷つける輩がいたとしたら跡形もなく消すだけだけどね。あー想像しただけで虫唾が走る。
というアランの心の声はミシェルには届かないのだった。
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