34 / 88
本編
31
しおりを挟む情事中に意識が飛んだらしい…起きると腰に凄く違和感があった。
「痛ッ…」
動くと首が凄く痛い。触れると革の感触ではなく、包帯の感触があった。
ピリッとした痛みに俺の動きが著しく止まった。その時、寝室の扉が開いた。入ってきたのは上半身裸で下はスラックスを履いている義輝だった。頭にはタオルを被っており、髪の毛はしっとりと濡れている。
片手にはペットボトルを持っており俺に気づいたのか、意外そうな顔をして俺を見た。
「あれ?起きてたんだ~?」
「よしっ…ゲボゲボッ…」
義輝の名前を呼ぼうとして、思わず咳き込んだ。咳き込む俺へと近づいてくると、背中を優しく撫でられる。
「あー、よしよし。大丈夫、大丈夫。お水だよ~飲める?」
そう言ってペットボトルの蓋を開けると俺の口元へソレを近づけてきた。俺はされるがままに水を飲む。
ゴクゴクと飲んだ俺は『もう要らない』という意味を込めて義輝の手を掴んで口から離そうとする動作をした。
すると、義輝は傾けていたペットボトルを持ち直すと俺の口から離し、今度は自分がソレに口をつけて飲んだ。
水を飲む度に義輝の喉仏が上下する。その姿がなんだか無性に色っぽい。
食い入るように見つめていたのがバレたようで悪戯めいた笑みを浮かべて俺を見た。
「何?もしかして、見惚れてたの?それともー…シたくなっちゃった?」
なんて言って近寄ってくるから思わず睨んで少しでも距離を取ろうと動いた。
「ンなわけねーだろ。」
「本当に?」
お風呂上がりの色っぽい姿が目に毒である。自分の顔が赤くなるという現象を止めることができない。
距離を取ろうとした俺に構うことなく義輝はそのまま近づいてきて俺の耳朶を唇で食んできた。
鼻から抜けたような甘ったるい声が口から微かに漏れ、ピクリと反応した俺の身体に気を良くしたのか、今度は口へとキスをしてきた。
耳朶同様に唇を食んできた。ソレを数回繰り返してくる。俺はそうする事が当たり前かのように唇を薄く開いた。
義輝は『ふふ』っと笑うと間髪を入れずにスルリと舌を入れてくる。
気がつけば義輝の首に腕を回して夢中でキスをしていた。
息が上がった頃、ゆっくりと離れて行った。義輝の口の周りと俺の口の周りは2人の唾液でグッチョリと濡れていた。
酸欠でぼんやりとする頭で義輝を見ていると楽しそうに俺を見下ろしていた。
「義輝?」
呼びかける俺の声音は怪訝そうなものが出た。
「いや~。ふふ、良い傾向になってきたなって思っただけだよ。」
「良い傾向?」
「ふふ…気にしないで~」
そう言って俺の口についていた唾液を舐めとると妖しく笑った。その笑みにお腹の奥の方がズクンと疼いたような感覚があった。
薬を飲み始めてからあった違和感とは違い鮮明になっており、『鬼』の精液を受け入れる事でソレは徐々に強まっている気がした。
*
0
**
【禁止次項】
●転載、盗作、荒し、中傷、醸し
●他の作品と比べること
**
【注意次項】
●説明文とか下手です。(キャラも時折迷子になります。)
●物語最終話までの構成などは全く考えておりません。(大体グダグダです。)
●全て妄想で書き上げています。(自己満足です。)
●専門的な知識などは皆無です。(ご都合主義です。)
●気がついたら直していますが、誤字やおかしい文章など多数あります。(ごめんなさい。)
●R指定は念のため【R-18→*】
●メンタル弱いです。暖かい目で見てやってください
***
全ては“自己責任”でお読み下さい。
*
【禁止次項】
●転載、盗作、荒し、中傷、醸し
●他の作品と比べること
**
【注意次項】
●説明文とか下手です。(キャラも時折迷子になります。)
●物語最終話までの構成などは全く考えておりません。(大体グダグダです。)
●全て妄想で書き上げています。(自己満足です。)
●専門的な知識などは皆無です。(ご都合主義です。)
●気がついたら直していますが、誤字やおかしい文章など多数あります。(ごめんなさい。)
●R指定は念のため【R-18→*】
●メンタル弱いです。暖かい目で見てやってください
***
全ては“自己責任”でお読み下さい。
*
お気に入りに追加
193
あなたにおすすめの小説
後輩に嫌われたと思った先輩と その先輩から突然ブロックされた後輩との、その後の話し…
まゆゆ
BL
澄 真広 (スミ マヒロ) は、高校三年の卒業式の日から。
5年に渡って拗らせた恋を抱えていた。
相手は、後輩の久元 朱 (クモト シュウ) 5年前の卒業式の日、想いを告げるか迷いながら待って居たが、シュウは現れず。振られたと思い込む。
一方で、シュウは、澄が急に自分をブロックしてきた事にショックを受ける。
唯一自分を、励ましてくれた先輩からのブロックを時折思い出しては、辛くなっていた。
それは、澄も同じであの日、来てくれたら今とは違っていたはずで仮に振られたとしても、ここまで拗らせることもなかったと考えていた。
そんな5年後の今、シュウは住み込み先で失敗して追い出された途方に暮れていた。
そこへ社会人となっていた澄と再会する。
果たして5年越しの恋は、動き出すのか?
表紙のイラストは、Daysさんで作らせていただきました。

田舎育ちの天然令息、姉様の嫌がった婚約を押し付けられるも同性との婚約に困惑。その上性別は絶対バレちゃいけないのに、即行でバレた!?
下菊みこと
BL
髪色が呪われた黒であったことから両親から疎まれ、隠居した父方の祖父母のいる田舎で育ったアリスティア・ベレニス・カサンドル。カサンドル侯爵家のご令息として恥ずかしくない教養を祖父母の教えの元身につけた…のだが、農作業の手伝いの方が貴族として過ごすより好き。
そんなアリスティア十八歳に急な婚約が持ち上がった。アリスティアの双子の姉、アナイス・セレスト・カサンドル。アリスティアとは違い金の御髪の彼女は侯爵家で大変かわいがられていた。そんなアナイスに、とある同盟国の公爵家の当主との婚約が持ちかけられたのだが、アナイスは婿を取ってカサンドル家を継ぎたいからと男であるアリスティアに婚約を押し付けてしまう。アリスティアとアナイスは髪色以外は見た目がそっくりで、アリスティアは田舎に引っ込んでいたためいけてしまった。
アリスは自分の性別がバレたらどうなるか、また自分の呪われた黒を見て相手はどう思うかと心配になった。そして顔合わせすることになったが、なんと公爵家の執事長に性別が即行でバレた。
公爵家には公爵と歳の離れた腹違いの弟がいる。前公爵の正妻との唯一の子である。公爵は、正当な継承権を持つ正妻の息子があまりにも幼く家を継げないため、妾腹でありながら爵位を継承したのだ。なので公爵の後を継ぐのはこの弟と決まっている。そのため公爵に必要なのは同盟国の有力貴族との縁のみ。嫁が子供を産む必要はない。
アリスティアが男であることがバレたら捨てられると思いきや、公爵の弟に懐かれたアリスティアは公爵に「家同士の婚姻という事実だけがあれば良い」と言われてそのまま公爵家で暮らすことになる。
一方婚約者、二十五歳のクロヴィス・シリル・ドナシアンは嫁に来たのが男で困惑。しかし可愛い弟と仲良くなるのが早かったのと弟について黙って結婚しようとしていた負い目でアリスティアを追い出す気になれず婚約を結ぶことに。
これはそんなクロヴィスとアリスティアが少しずつ近づいていき、本物の夫婦になるまでの記録である。
小説家になろう様でも2023年 03月07日 15時11分から投稿しています。



なぜか大好きな親友に告白されました
結城なぎ
BL
ずっと好きだった親友、祐也に告白された智佳。祐也はなにか勘違いしてるみたいで…。お互いにお互いを好きだった2人が結ばれるお話。
ムーンライトノベルズのほうで投稿した話を短編にまとめたものになります。初投稿です。ムーンライトノベルズのほうでは攻めsideを投稿中です。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる