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本編
(11)可笑しくなった親友と距離を置いたら、隣の席の子と同室の流れになって新たな一面を知ったー親之SIDEー
しおりを挟む真は朝に弱い。これは同室になって知った事…
スマホのアラームがひっきりなしに鳴る中スヤスヤと気持ちよさそうに寝ている。全く起きないのだから素直に凄いと思う。初日は時間ギリギリになっても起きず、仕方なく揺すった。
「う…んんっ…」と言って安眠を妨害されたのが気に入らないのか煩わしそうな表情に変わるが、まだ起きる気配がない。
可哀想な気もするが心を鬼にして起こすと、寝ぼけ眼でこちらを見やりギュッと抱きついて来た。本格的に寝惚けているようだ。
「んんっ…おしがいる~。すき~」なんて言って甘えたように首元にスリスリと頬を擦り付けてくる。頭を撫でつつ、制服へと着替えるように促すと動きが止まった。
「んんっ?良い匂い…ぁ…あれ?何か凄~くリアル…ぁ…あ"」
変態臭い台詞と共に完全に覚醒したらしい真が数秒フリーズした後に可愛さの欠片もない奇声を上げて鼻血を出した。
その日は2人で遅刻した。それ以来、余裕をもって起こす事にしている。
☆
真は甘い物が好きなようだ。そして、俺が作った物を美味しそうに食べる。誰得なのか俺のエプロン姿を撮らせてほしいと床に額を擦り付ける勢いで懇願され承諾すると鼻にティッシュを詰めながらもスマホのカメラで凄く連写してニヤついていた。
端から見たらかなり怪しい行動である…それが真だから『あぁ、いつも通りだ』なんて思えてしまうあたり、俺も相当だと思う。
何がそんなに嬉しいのかは分からないが「推し尊い」と言って花の咲くような笑みを浮かべている真が可愛かったので良しとしよう。
そして、愛羅だが、やっぱりというべきか…「生徒会に所属してるって聞いたから期待してたのに!あのモブなんなの!?」という怒りのメッセージが俺のスマホに届いた。
無視をしているとまだまだ続く。「親之の嘘つき」やら「サイテー」やら「漸く本来の役目を全うしてくれると思ったら」とか「期待ハズレ」なんて事も送ってきた。
ソレも全て無視している。着信にも出てない。真には大丈夫なのか聞かれたが、大丈夫だと返しておいた。
あの日以来、内心平和とは程遠かったが、漸く平穏になってきたのだから不穏な要素は排除したいというのが本音であった…
*
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