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本編
(8)元天使君の逆燐に触れてしまったらしい…ー真SIDEー
しおりを挟む推しとの癒やしの1日を終えて寮の部屋へ戻ると般若のような顔をした元天使もとい、愛羅君が仁王立ちで立っていた。
「ねぇ、どういうつもりなの?」と言ってきた。開口一番がコレかよ!である。
「桜ヶ丘君?どうしたの?」
「質問してるのはこっちなんだけど?」
「えっと…もしかして親之の事?」
「馴れ馴れしく俺の親之を呼び捨てにしないでくれる?不愉快なんだけど」
皆の前では『僕』だったよね!俺は心の中でだけ『俺』で話すときは『僕』を使い分けている。だって、社会人になれば『私』もしくは『僕』を使った方が良いって言うからね…
「馴れ馴れしくしたつもりはないんだけど…」
「俺の隣に居るべきである親之が君なんかと一緒に居るなんて業腹なんだけど!」
「誰が誰と居るかなんて本人が決める事だと思うよ?…痛っ!」
なんと平手打ちを頂いてしまった。『パチーン』と…地味に痛い。しかも顔だよ顔!
「口答えしないでくれる?モブ風情が…」
その台詞は主人公君が吐くべき台詞ではないね!悪役の台詞だよ!というか、明日も推しである親之様と会うんだけど!どうするよコレ!何か俺のせいでさらに二人が仲違いする未来しか見えないんだけど!
「何とか言ったらどうなの?」
り、理不尽…なんという理不尽なヤツだ!コレは推しとの未来を応援できんわ!前の天使な主人公君だったなら推しの幸せの為に応援したのに!
「何とかって言われても…」と言い淀んでいると、顔だけは可愛い主人公君が眉間にシワを寄せて舌打ちしてきた。
「とにかく、親之にはもう近づかないで!本人だって君みたいな子に付きまとわれて嫌がっているはずだよ!空気読んでくれる?気持ち悪い。」
という捨て台詞と共に会話が終了した。それはもう一方的に…
いや、寧ろ推しから誘ってくれてるんだけど!俺からなんてとてもムリ!断られたら軽く魂飛ぶから!
でも、約束は約束だし…会うからね!と心の中で言っておく。
一応、大事なものは全て持って出よう。今の彼なら何をしでかすかわからないしね…
*
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