77 / 88
鬼の花嫁―短編―
年末年始【中編】*ーいつきSideー
しおりを挟むお風呂に入った後、普段は飲まないが、年末のこの日だけは紅輝も僕も飲むと決めていた。
晩酌をしながらテレビを見ていると、いい感じにフワフワとしてきた感覚がある。
紅輝はお酒で酔った事はないし、他の物でも酔ったところを見た事はない。
逆に僕は直ぐに酔う…
平然とした顔をしている紅輝の服をクンっと引っ張ると、紅輝は僕の方へと顔を向け穏やかな瞳で見つめてくる。
酔ったせいか視界が若干、ボヤけてはいるが…懸命に視線を合わし、少し恥ずかしくもあるが…自ら触れる程度のキスをする。
そして、身体を離して元の位置に戻り紅輝へと甘えるように、もたれかかる。すると、毎年の事ながらソファーベッドへと押し倒された。
横に座っている紅輝に触れる程度のキスをして、もたれかかるのは僕なりの『心の準備はできているよ』の意味を込めた合図である。
毎年の行動なので、紅輝もその意味を履き違える事はない。
その暗黙の了解に紅輝は応えて僕を押し倒し、僕は身体の力を抜き、紅輝を受け入れるための体勢を取る。
まぁ、解しもせずに突っ込んでくるような鬼畜外道ではないので、その辺は安心している。
いや…、鬼畜とまでは行かないが…意地悪なところはあるんだけど…
「何だ?いつき、考え事か?」
「考え事って程のものではないよ。でも、紅輝の事、考えてた」
ものは言いようである。嘘はついていないが、内容を聞かれれば先ず間違いなく「そうか…どの辺が鬼畜…いや、意地悪なのか教えてくれるか?」なんて言って行為に雪崩れ込むだろう。
そして、愛撫の途中とか後ろを解している最中の事ある毎に「コレは意地悪か?」なんて言って答えるまでイカしてはくれないだろう…その状況が目に浮かんでくる。
「その質問とかが既に意地悪だ」と言おうものなら「潤んだ瞳で必死に耐えて答えようとしている姿も可愛くてな」なんて言って開き直ってくる状況まで見えてくる…
予想とはいえ、ここまで鮮明に想像できるのは長年、紅輝と連れ添った賜物だろう。
幸い紅輝は深く聞いてくる事はなく、「そうか」と言って、僕の口を優しく塞いでくる。が、それも直ぐに深いモノへと変わった。
ソレに比例して僕のフェロモンも発情に近い甘いものへと変わったのか、紅輝のフェロモンも発情に近い甘いものへと変わりつつあった。
縋るように紅輝の首へと腕を回すと、さらに口を強く押し当てる。まだ、キスが足りない。もっとキスをしてほしい時に取る僕の行動の1つである。
理性とは別に動くから、恐らく本能で勝手に動いているのだろう。そう理解してからは抗う事なく本能に身を任せている。
少し恥ずかしくもあるが、紅輝とするのは嫌じゃない。僕自身、マンネリ化を感じてもないし…紅輝に対しての不満は全くない。寧ろ、長く繋がって居たくなる。
ただ、いくら『鬼の番』といえど、限界はある。
毎日のようにする事をシて体力が付き始めていたりだとか…シた後の復活も早いとは言っても鬼からすれば、人間に毛が生えたようなもの…根本的な作りは勿論、体力も全く違うから何度目かの絶頂で意識を失ってしまう。
紅輝は気にした様子なんてない寧ろ毎回嬉しそうではあるが、僕にはソレが残念でならない。
こんな想いは紅輝と長年一緒に過ごしてきたから湧いて来る想いであって、出会った当初の僕ならば恥ずかし過ぎて、それどころではなかったであろう変化だった…
☆
「ン…ふ…こぉき…まだぁ?」
身体のあちこちを触ったり舐め回したりの愛撫に満足したのか紅輝は漸く僕の後ろを解し始めた。
自分で解しても良かったが…紅輝がソレを許してくれず…いや、僕の意志の弱さで違う場所への愛撫が長引いたのかな…
「あっ…も、いれて…」そう言うと紅輝は「もう少しだけ待って。こっちも可愛がってやりたいんだ」と言って胸の頂きをご丁寧に舐め回す。
「ン…ぁ…じぶんでっ…やる」我慢できずに片手を後ろへと持っていこうとしたが、紅輝に阻止された。
「俺の楽しみの1つなのに」と凄~く残念そうな顔をしていたので「ぁ…んんっ…わかったぁ…でも、あんまりっ…まてないよ」と返すと心得たと言わんばかりに頷いて、嬉々として再び愛撫をし始めた。
その時にボソッと「恥じらいながら俺を見つめつつ後ろを解している姿を見るべきだったか?」なんて自問自答していたのは聞かなかった事にした。
*
0
**
【禁止次項】
●転載、盗作、荒し、中傷、醸し
●他の作品と比べること
**
【注意次項】
●説明文とか下手です。(キャラも時折迷子になります。)
●物語最終話までの構成などは全く考えておりません。(大体グダグダです。)
●全て妄想で書き上げています。(自己満足です。)
●専門的な知識などは皆無です。(ご都合主義です。)
●気がついたら直していますが、誤字やおかしい文章など多数あります。(ごめんなさい。)
●R指定は念のため【R-18→*】
●メンタル弱いです。暖かい目で見てやってください
***
全ては“自己責任”でお読み下さい。
*
【禁止次項】
●転載、盗作、荒し、中傷、醸し
●他の作品と比べること
**
【注意次項】
●説明文とか下手です。(キャラも時折迷子になります。)
●物語最終話までの構成などは全く考えておりません。(大体グダグダです。)
●全て妄想で書き上げています。(自己満足です。)
●専門的な知識などは皆無です。(ご都合主義です。)
●気がついたら直していますが、誤字やおかしい文章など多数あります。(ごめんなさい。)
●R指定は念のため【R-18→*】
●メンタル弱いです。暖かい目で見てやってください
***
全ては“自己責任”でお読み下さい。
*
お気に入りに追加
993
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。
小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。
そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。
先輩×後輩
攻略キャラ×当て馬キャラ
総受けではありません。
嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。
ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。
だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。
え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。
でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!!
……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。
本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。
こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた
翡翠飾
BL
「い、いやだ、いや……。捨てないでっ、お願いぃ……。な、何でも!何でもするっ!金なら出すしっ、えっと、あ、ぱ、パシリになるから!」
そう言って涙を流しながら足元にすがり付くαである彼氏、霜月慧弥。ノリで告白されノリで了承したこの付き合いに、βである榊原伊織は頃合いかと別れを切り出したが、慧弥は何故か未練があるらしい。
チャライケメンα(尽くし体質)×物静かβ(尽くされ体質)の話。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
あなたの隣で初めての恋を知る
ななもりあや
BL
5歳のときバス事故で両親を失った四季。足に大怪我を負い車椅子での生活を余儀なくされる。しらさぎが丘養護施設で育ち、高校卒業後、施設を出て一人暮らしをはじめる。
その日暮らしの苦しい生活でも決して明るさを失わない四季。
そんなある日、突然の雷雨に身の危険を感じ、雨宿りするためにあるマンションの駐車場に避難する四季。そこで、運命の出会いをすることに。
一回りも年上の彼に一目惚れされ溺愛される四季。
初めての恋に戸惑いつつも四季は、やがて彼を愛するようになる。
表紙絵は絵師のkaworineさんに描いていただきました。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
傷だらけの僕は空をみる
猫谷 一禾
BL
傷を負った少年は日々をただ淡々と暮らしていく。
生を終えるまで、時を過ぎるのを暗い瞳で過ごす。
諦めた雰囲気の少年に声をかける男は軽い雰囲気の騎士団副団長。
身体と心に傷を負った少年が愛を知り、愛に満たされた幸せを掴むまでの物語。
ハッピーエンドです。
若干の胸くそが出てきます。
ちょっと痛い表現出てくるかもです。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
俺にとってはあなたが運命でした
ハル
BL
第2次性が浸透し、αを引き付ける発情期があるΩへの差別が医療の発達により緩和され始めた社会
βの少し人付き合いが苦手で友人がいないだけの平凡な大学生、浅野瑞穂
彼は一人暮らしをしていたが、コンビニ生活を母に知られ実家に戻される。
その隣に引っ越してきたαΩ夫夫、嵯峨彰彦と菜桜、αの子供、理人と香菜と出会い、彼らと交流を深める。
それと同時に、彼ら家族が頼りにする彰彦の幼馴染で同僚である遠月晴哉とも親睦を深め、やがて2人は惹かれ合う。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる