72 / 88
鬼の花嫁―短編―
自業自得とはいえ…*―紅輝side―
しおりを挟む微かに呻くような声に意識が浮上した。
発生源は隣で寝ているいつきである。
腕枕して抱き締めて寝ていたが…寝ている間に締めすぎたのだろうかと不安になり、覗き込むように体勢を変えて注視していると…
どうにも違うらしいと思い至る…
頬が上気し息が微かに上がっている…熱か何かかと思い触ったのがダメだった。
「ぁ…」
微かに喘ぐ可愛らしい唇に動きが止まる…どうやら夢の中でそういう事をヤっているらしい…
途端に芽生える悪戯心…餓鬼かよと呆れる反面、自分の行動は思ったよりも素直だった…
後々さらに後悔する事になるのだが―…
「いつき?」と起こさないように気を付けながら耳元で囁いてみる。
すると、いつきが情事中のような可愛らしい声で俺の名前を呼んだ…
「ぁ…だめぇっ…こぉき…そこ、ヤだぁ」と、イヤイヤと軽く首を振っている。
その様子に夢の中の相手は俺のようで安心した…
夢の中とはいえ、他の誰かとなんて考えたくもない…
もっとその声で俺を呼んで欲しくて、起こさないように細心の注意をはらいながら服の上から胸の頂を摘まむと可愛い声が若干、大きくなる。
段々とエスカレートする悪戯に、いつきの身体は素直に反応し、誘っているかのように太股を擦り合わせ始める。
起きたのかと思ったが―…思ったよりも眠りが深いらしい、いつきは快楽に顔を歪めながらも起きることはなかった。
まぁ、当然と言えば当然なのだが―…その痴態に反応しない筈もなく…完全に勃起してしまっている己のソレにどう処理するべきか迷った。
いつきを起こしてヤるべきか…久しぶりの自慰でおさめるべきなのかという二択で迷った…その中に出さないという選択肢はなかった。
「自慰でイケるか?」という自問自答をしつつ、いつきに触れる手はそのままに、起こさないように気を付けながら身体をずらし、腕をいつきの下から引き抜いていく…
そして、自身が纏う寝巻きのズボンを寛げ、ソレに手を伸ばす。
痴態を晒しているとはいえ、寝ているいつきを起こすのは可哀想だと思い、取り敢えず自分で処理してみる事にした…
★
自慰をするのはいつきの妊娠以来であり、久しぶりだ。
強弱をつけて扱きあげているが、思ったよりも滑りが悪い…
軽く溜め息が出た。仕方ないので寝ているいつきには悪いが、手伝ってもらうことにした…
手っ取り早く触っていた手を移動させ、いつきの内股を我ながらやらしいと思う手つきでなぞるように上へと撫で上げる。
すると、起きたんじゃないかと思うくらいに激しく反応した。
それと平行するように情事中のいつきを思い浮かべる。
「ぁあっ…んん…」
「っ…これは…ヤバい…な…」
という独り言がポツリと出る。その言葉通りに、いつきの声に反応し、さらに想像の中のいつきを犯しつつソレを強めに扱く…
思っていたよりも興奮材料になったらしい…自分でも呆れるほど早くその時は来た。
先端から先走りが流れ始めるほど興奮しているのだ。
正直、いつきの声だけでイきそうになっている。
その事実に何とも表し難い感情が生まれる…
自慰行為を思うと早期決着は好ましいが―…俺にもそれなりにプライドというものがある…
流石にもう少し粘れよと呆れている…
そんな俺に追い討ちをかけてくるのも―…いつきだけだった…
内股をヤワヤワと揉んでいた俺の手を足で挟み、擦り付けてくるのだ…
その都度、微かに聞こえてくる『ぬちゃぬちゃ』という粘着音と微かに喘ぐ声に興奮がさらに増していく。
難なくイケそうな自分に何とも言い難い感情が生まれるが、こんな痴態を目の当たりにし、尚且つ寝ているとはいえ、自身の掌に擦り付けるように動かし、まるで自慰をしているかのような光景に興奮しない方がおかしい…
まぁ、相手がいつきなので性的興奮を覚えるのは仕方ないと自己完結しておく…
チラリといつきの顔を覗き見ると上気したままであり、瞼は微かに震えているものの閉じられたままだ。
夢の中であっても自分の声を聞かれるのは恥ずかしいのか、口元に手をやり『ふぅ…ふぅ…』と荒い息を繰り返し、時折喘いでいる。
どこまで俺を興奮させれば気が済むのか…可愛いすぎるだろ…
「んっ…はっ…こぉき…イくっ…」という言葉に思わず動きが止まり凝視してしまった。
扱くのも忘れて、いつきを見つめる…意図せず喉がゴクリと鳴った。
夢精するのか?俺と夢の中でヤりながら?その痴態を見れるのか?という思考に埋め尽くされ、いつきから目を離さず見ていると程なくして果てた。
それはもう可愛く喘ぎながら果てた。
布越しとはいえ、掌に伝わるのは紛れもなくいつきの体液の温もり…そして、鼻孔を擽るのはいつき特有のフェロモンの匂い…その香りが強くなった。
自慰どころではなくなってしまった。これはもう、自分ではおさまりがつかないであろう事は十分に理解できた。
さぁ、どうやって起こそうかと考えていると、さらに艶かしく喘ぎ始めた。
「ふぅ…っ…んんっ…」どうやら夢の中の俺はまだ満足していないらしい…
表情と身体の動きから伝わる微かな振動はそういう事らしい…
俺もいつきのナカに挿れたい…という思いから、いつきを揺すり起こす。
「いつき、起きてくれると助かるんだが―…」
★
「んんっ、ぁあっ!こぉき…はげしぃのぉ!」
寝ぼけ眼の状態から夢精してしまったと悟ったのだろう、その羞恥から一気に覚醒したいつきは今現在俺の上で腰を振っている…
攻め立てられるまま理性が完全に飛んだらしい…
「っ…ここが好きなんだろう?」そう聞きながら突き上げて後悔した。
「ぁあんっ…!しゅきぃっ…もっとぉ!こぉき、もっとぉ!っ…んっ…」
「くっ…」
「はぁっ…ひんっぁあ!あ、あちゅいのでてりゅのぉ~」
完全に快楽落ちしたような表情で言いながら妖しく腰を振るものだから思わずイってしまった。
耐えられなかった…情けない話だが出てしまった。
俺の後を追うように射精し、俺の腹を汚したいつきは未だに妖艶な笑みを浮かべ舌舐りをしながら俺を挑発してくる…
「こぉき、もっとぉ!おく、おくがいいのぉっ…おくにだしてぇ!」
「避妊具着けてないぞ」とは言ったものの…もう手遅れだと思うが―…念のため後で避妊薬を飲ませておく事にする…
「ふぅ…んんっ…」
決して早漏じゃないぞ!さっきイきそうになって止まっていたからなんだ!そういう事にしておく…
俺は腰を掴むといつきがヨガるイイトコロを遠慮なく突き上げた。
「ぁあっ!」
ズチュンと入ったソレにいつきの身体はくねりながら仰け反り、少し白濁が飛ぶ。
衝撃で軽くイったらしい…イった直後だが、容赦なく攻め立て始めると、全身を震わせ、艶かしく色づいた身体が揺さぶられながら美味しそうに俺を誘う。
「はぁんっ…ふかいのぉっ…」
「ここも好きだもんっ…な!」
「ひんっ…やぁあっ!」
快楽が強すぎるのか首を振り乱しながらではあるが、いつきは縋るように手を伸ばして、腰を掴んでいる俺の手に重ねてきた。
「あっ、あっんん!また、またぁあっ…こぉき!こぉき!も、ぼくぅ!」
「ん~?」
「ひっ…ぁあー!」
グチュンと奥まで挿入された先端はいつきの子宮へと到達した。発情期ではないとはいえ、いつきと俺の身体の相性を考えれば、妊娠する確率の方が高いと考えられる…
避妊薬は必ず飲ませるからと心の中で詫び、子宮に先端が侵入したというのが感覚でわかった。
いつきは艶かしく腰をくねらせながら盛大にイくと、ぐったりと倒れかかってきた。
ヤワヤワと背中を擦ってやると、それだけで今のいつきは感じてしまうらしく、甘い息を吐いている。
「はぁっ…はぁっ…んんっ…ぁ…」
俺の上に倒れかかり、ピクピク身体を痙攣させながら荒い息を繰り返している。
挑発で調子に乗った俺は子宮から少し引いたとはいえ、いつきの子宮にグリグリと先端を擦り付けている始末である。
やはりというべきか…その瞬間にいつきの最奥が蠢き、俺の精液を搾り取ろうとする。俺といつきの腹の間でピクリといつきの先端が動き、ビュクっと白濁が微量に出てきたのがわかった。
「ぁあっ…こぉき、だめぇっ…」
「大丈夫、大丈夫。まだ、イケるだろ?」
「やぁ!らめらよぉ」
「可愛い…ほら、もっとってお前が言ったんだろ?俺もいつきが欲しい」
と言いながら腰を動かすと可愛い口から嬌声が上がる。俺の肩へと伏せて甘噛したり舐めたりしていた顔を上げたいつきが口を開いた。
「ぁあんっ…んっ…はぁっ…こぉき、ぼく、しゅき?」
感じながらも健気に聞いてくるいつきを軽く抱き締めながら「好きだ。愛してる」と返してやる。
すると、その言葉に最奥がさらに締まる。それと殆んど同時に、快楽に溺れきり、上気した顔を懸命に上げてこちらを見ているいつきは『ふにゃり』と笑った。
その顔を見た瞬間、プツンと完全に理性が飛んだ俺はいつきが失神するまで行為を止められず、我に返った時にはベッドの惨状に唖然とした程だった…
もちろん、起きたいつきは全く覚えていなかった上にその日まる1日はベッドの住民と化していた。
遊びに来た子どもたちに呆れられたのは言うまでもないだろう…
*end*
0
**
【禁止次項】
●転載、盗作、荒し、中傷、醸し
●他の作品と比べること
**
【注意次項】
●説明文とか下手です。(キャラも時折迷子になります。)
●物語最終話までの構成などは全く考えておりません。(大体グダグダです。)
●全て妄想で書き上げています。(自己満足です。)
●専門的な知識などは皆無です。(ご都合主義です。)
●気がついたら直していますが、誤字やおかしい文章など多数あります。(ごめんなさい。)
●R指定は念のため【R-18→*】
●メンタル弱いです。暖かい目で見てやってください
***
全ては“自己責任”でお読み下さい。
*
【禁止次項】
●転載、盗作、荒し、中傷、醸し
●他の作品と比べること
**
【注意次項】
●説明文とか下手です。(キャラも時折迷子になります。)
●物語最終話までの構成などは全く考えておりません。(大体グダグダです。)
●全て妄想で書き上げています。(自己満足です。)
●専門的な知識などは皆無です。(ご都合主義です。)
●気がついたら直していますが、誤字やおかしい文章など多数あります。(ごめんなさい。)
●R指定は念のため【R-18→*】
●メンタル弱いです。暖かい目で見てやってください
***
全ては“自己責任”でお読み下さい。
*
お気に入りに追加
993
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。
小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。
そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。
先輩×後輩
攻略キャラ×当て馬キャラ
総受けではありません。
嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。
ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。
だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。
え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。
でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!!
……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。
本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。
こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた
翡翠飾
BL
「い、いやだ、いや……。捨てないでっ、お願いぃ……。な、何でも!何でもするっ!金なら出すしっ、えっと、あ、ぱ、パシリになるから!」
そう言って涙を流しながら足元にすがり付くαである彼氏、霜月慧弥。ノリで告白されノリで了承したこの付き合いに、βである榊原伊織は頃合いかと別れを切り出したが、慧弥は何故か未練があるらしい。
チャライケメンα(尽くし体質)×物静かβ(尽くされ体質)の話。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
あなたの隣で初めての恋を知る
ななもりあや
BL
5歳のときバス事故で両親を失った四季。足に大怪我を負い車椅子での生活を余儀なくされる。しらさぎが丘養護施設で育ち、高校卒業後、施設を出て一人暮らしをはじめる。
その日暮らしの苦しい生活でも決して明るさを失わない四季。
そんなある日、突然の雷雨に身の危険を感じ、雨宿りするためにあるマンションの駐車場に避難する四季。そこで、運命の出会いをすることに。
一回りも年上の彼に一目惚れされ溺愛される四季。
初めての恋に戸惑いつつも四季は、やがて彼を愛するようになる。
表紙絵は絵師のkaworineさんに描いていただきました。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
傷だらけの僕は空をみる
猫谷 一禾
BL
傷を負った少年は日々をただ淡々と暮らしていく。
生を終えるまで、時を過ぎるのを暗い瞳で過ごす。
諦めた雰囲気の少年に声をかける男は軽い雰囲気の騎士団副団長。
身体と心に傷を負った少年が愛を知り、愛に満たされた幸せを掴むまでの物語。
ハッピーエンドです。
若干の胸くそが出てきます。
ちょっと痛い表現出てくるかもです。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
俺にとってはあなたが運命でした
ハル
BL
第2次性が浸透し、αを引き付ける発情期があるΩへの差別が医療の発達により緩和され始めた社会
βの少し人付き合いが苦手で友人がいないだけの平凡な大学生、浅野瑞穂
彼は一人暮らしをしていたが、コンビニ生活を母に知られ実家に戻される。
その隣に引っ越してきたαΩ夫夫、嵯峨彰彦と菜桜、αの子供、理人と香菜と出会い、彼らと交流を深める。
それと同時に、彼ら家族が頼りにする彰彦の幼馴染で同僚である遠月晴哉とも親睦を深め、やがて2人は惹かれ合う。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる