鬼の花嫁

スメラギ

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鬼の花嫁―本編―

17*

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 「っ…んっ」

 それは、真夜中に起こった。
 紅輝は宣言通り僕に手を出さず、普通に2人でお風呂に入って、一緒のベッドに入って寝ていたはずだった。

 「ぁ…ふぁ…んっ…はぁっ…」

 何かに反応して目が覚めた。
 身体中が熱く、特に後ろと紋章が強く甘い疼きを感じているのだ。
 触られてもいないのに後ろが『ぐちゃぐちゃ』に濡れている。
 早く挿れてほしいと待ち望んでいるかのようにヒクヒクしているのもわかった。
 紋章が熱い。身体の奥が疼く。早く挿れてほしいと。

 紅輝を見ていると後ろからドロリと粘着性のあるナニかが染み出してきた。指で触ってほしい、いや、それだけじゃ足りない。
 紅輝の熱くて硬いモノで貫かれたいと思ってしまっている。
 『今の自分は思考回路もまともじゃない。』これだけは理解した。

 「ん…はぁ…はぁ…ゃ…」

 これはヤバいと直感的に思った。
 もう、どうにでもなってしまえと紅輝を襲ってしまおうかという恐ろしい考えも浮かんだ。

 「はぁ…んっ…」

 何もしてないのに息が上がる。既に僕のモノは勃起してしまっている。
 いっそ触ってしまおうか…と思って自分のガウンに手をかけようとして―…手が止まった。
 視界に紅輝のガウンが入ってきたからだ。
 直後、意図せずゴクリと喉が鳴った。

 少しの動作でも甘い痺れが生まれて僕を追い詰める。
 その少しの動きに感じながらも、紅輝のガウンに向かって真っ直ぐに手が伸びる。
 その手はガウンを掴む前に紅輝によって防がれた。

 「んっ…はぁ…はぁ…こ、きぃ?」
 「大丈夫ではなさそうだな。」
 「からだ…んっ…あついのぉ…やぁ…たすけてぇ…っんん…はぁ…」
 「発情状態になったんだな」

 冷静な声でそう言って紅輝は起き上がると、自分の鞄を乱暴に引っ張り寄せてガサゴソと鞄を漁っている。
 鞄から手が出た時に持っていたのは何かの錠剤だった。

 「なぁに?…んぁ…それ」
 「ん?これか?鬼専用の抑制剤…昨日みたいに理性なんて飛ばしてはいられないからな…」

 紅輝はその薬を飲んだ。即効性らしい。

 「んっ…んん…はぁ…あついのぉ…」
 「分かってる」
 「ぁあっ…な、なにぃ?…ひゃんっ…」

 紅輝は僕の身体をベッドの中央に寝かせると大きく足を開かせ、片方の足を高めに上げて脹脛ふくらはぎから中心へ向かって舌を這わせる。
 大きく開かれたガウンの間から既に勃起してテラテラと光っている自分のモノが見えている。

 「あぁっ…んっんん…はぁっ…」

 太ももへ強く吸い付き、両足の間に割ってはいると、頭を下げていき、紅輝はなんの躊躇いもなく僕のモノを口に含んだ。
 慎ましやかな僕のモノは完全に紅輝の口の中にスッポリとおさまっている。

 「あぁっ…やらぁ…んっんん…ぁあ!だめぇ…んん!」

 紅輝の頭を押さえて離そうと手を伸ばすと両手を掴まれて阻止された。
 ぬるりとぬめる暖かい舌の動きに秘部から漏れ出る愛液の量が増えた。ねっとりと舐められ犯されている。
 じゅぶじゅぶと紅輝の口の中を出たり入ったり、舐められたり、吸われたりして僕のモノが追い詰められている。

 紅輝の赤い舌や紅輝の咥内から見え隠れする自分のモノが視界に入る度に視覚的に犯され、さらに舐められたり吸われたりする時に出るやらしい水音を聞く度に聴覚的に犯されており、興奮が増す。

 「んっんん…はぁっ…ぁあっ…やらぁ…やら、やらぁあ!」

 ぷるぷる震えていた身体が限界を告げる。それを見据えてか妖艶に目を細め、強めに吸ったり舐めたりし始める。
 その強い愛撫に感じて身悶えし、紅輝の口の動きに合わせて勝手に腰が動く…まるで、紅輝の咥内を使って自慰をしているみたいだった…僕の痴態を見ている紅輝と目があった。

 「やらぁ…んぁ…みちゃ、やらぁ…んっ…はぁ…んん」

 口の端からは唾液が滴り、あまりの恥ずかしさに生理的な涙まで流れる。
 隠したくても手が掴まれているから顔を隠すことができない。
 顔を背けると、やらしい水音が激しくなる。
 わざと音を立てているのだろう。

 紅輝の口の動きに合わせて勝手に動いている腰を見られると、いくら顔を振ってイヤイヤと拒絶しても、まるで説得力がない。

 「でりゅ、でりゅ…ぁ…からぁぁあっ…」

 離してほしいという意味を込めて言うと、紅輝は『早く出せ』といわんばかりの強さで吸ってきた。
 せめてもの抵抗に掴まれている紅輝の手を強く握り返す事しか出来なかったが、それも虚しく終わり、僕は呆気なく紅輝の口の中に白濁を注ぎ込んだ。

 「んん…はぁっ…ま、て…やらぁ!」

 僕の精液をゴクリと飲み干すと紅輝は力の抜けきった僕のガウンをサッと取り去って、僕の身体を引っくり返し、うつぶせにして、お尻を突き出す体勢にした。

 紅輝は熱い息を僕のお尻に吹きかけて、舌を出すと、やらしくお尻の割れ目を舐めた。
 今度は秘部に舌を入れて、ぴちゃぴちゃと舐め始める。
 中で蠢く熱くて滑る舌に喘ぎ声と卑猥ひわいな音が止まらなくなる。

 「あぁっ…ぁっ……あっ、あっ、んん…ぁ…」

 イヤイヤと首を振っても強すぎる快楽は僕を襲ってきて、それはさらに僕を追い詰める。
 馴染ませるように秘部から漏れ出ている僕の愛液と紅輝自身の唾液を一緒に絡めて、舌を使って秘部へ塗り込むような感じで愛撫をしてくる。

 部屋には卑猥な水音と僕の喘ぎ声が木霊している。
 知らぬ間に指も入っており、使っていない方の手は前に伸びて僕のモノを扱っている。

 「こぉき、こぉき、だめぇ…ぁあっ…あっ…んっんん!」
 「いつき、イって」
 「あっ…だめっ…んぁ…ひっ…やっ…イク、イク、イっちゃぁあー!」

 休む間も無く続けざまにイカされても、まだ萎えなかった。
 むしろ、もっと長くて硬いものを凄く強く欲しがっている…その気持ちは先ほどよりも強い。

 暫く卑猥な音を響かせながら秘部を紅輝の長い指で掻き混ぜられていると紅輝が質問してくる。意地悪な質問だ。
 
 「何本入っていると思う?」
 「わ、わかん…ぁ…ないっ…んぁ…」

 耳元で誘うように甘く「答えて?」と言って耳朶に吸い付かれた。
 僕は呆気なく降参し、お尻に挿れている指に集中して喘ぎながら答える。

 「っ、ぁあ!…やらぁ…それ、やらぁぁあ!」
 「ほら、早く答えないと―…このままだぞ。」
 「ぁあっ…その、ままは、やらぁ…はぁっ…んっ…し、しゃんぼん…ひぅっ…しゃんぼん!ふぅっ…」
 「正解。」

 欲情した表情で笑みを浮かべている紅輝は「ご褒美にイカせてやるよ」と言って指の動きを激しくする。
 イイところを容赦なく攻め立て、僕を絶頂に導く。

 「ぁあっ…ちが、ちがう!っ…はぁっ…こぉきの、っ…いれてぇっ…やぁああっ…」

 これも良いけれど違うのだと首を振っている。そんな抵抗も虚しく3回目の絶頂を向かえて、クタリとしている。
 すると突然、熱くて硬いモノで貫かれる。その衝撃は猛烈な快楽を呼んだ。

 「ん…っぁああ!」

 悲鳴に近い嬌声を上げて透明な液体を撒き散らした。紅輝は気にする様子もなく、その液体を僕のモノと馴染ませるように『ぬちゃぬちゃ』と扱う。

 後ろは紅輝のモノで蹂躙され、目からは生理的な涙が流れ、開いた口からは喘ぎ声と一緒に唾液が口の端から滴り落ちていた。

 シーツを握り締め喘ぐ事しか出来なかった。



 気がつくと紅輝はこちらに背を向けて、何やら電話で話をしている。
 キレイな背中に指を這わせると振り替えって僕を見た。

 「あぁ、分かってる。手はず通りに頼む。…あぁ、起きたようだから切るぞ…」

 紅輝は電話を切った後、僕を抱き起こして水を飲ませてくれた。
 声を出さずに紅輝に向かって両手を広げてキスを強請ると、嬉しそうに笑みを浮かべて僕の口を塞いだ。
 最初は啄むだけの軽いキスで、それは徐々に深くなっていく。

 「んぁ…ふぅっ…んっんん…はぁ…」

 気づいたら紅輝の首に腕を回して自ら舌を絡めにいっていた。紅輝の手は僕の背中を辿り下へ下へと下がって、後ろに指を挿れた。

 「はぁっ……んん…はぁ…ぁあっ…んっ…」

 初めはやはり中指からだった。そして、2本から3本と指を増やしながらイイ場所を攻め立て、少しずつ愛撫を激しくしていく。

 「こぉき、こぉき…もっとぉ…」

 紅輝は僕の顔を見て、何かを確認した後、焦れったい動きで指を抜いていく。僕の腰は指を追いかけるようにして動いており、紅輝を誘っていた。

 「可愛い…」
 「ふっ…んぁ…っえ?…な、なに?…んん…はぁっ…」
 「何でもない。」

 何かを呟いた後、コンドームを着けると一気に奥へ挿れて突いてきた。その衝撃で白濁が飛び出し、紅輝のお腹と僕のお腹や胸を汚した。

 「あぁっ…イイっ…はぁっ…こぉき、こぉきぃ…ぁああっ…」

 顔を振り乱してヨガっている様子を妖しい表情で嬉しそうに見ている。
 紅輝は僕の愛液で濡れた指を見せつけるようにやらしく舐めとると、ベッドへ僕を押し倒し、両方の手を恋人繋ぎにしてベッドに縫い付けた。

 「そのまま、俺に感じてろ。」
 「ああっ…イイっ…もっとぉ…はぁっ…んん」

 そう言って、胸に飛び散っていた白濁を舐め上げ、激しく僕のイイ場所を攻め立て始めた。

 与えられる快楽に抗うこともやめ、自ら腰を振って快楽を求める頃にはもう、何も考えられなかった。


 

 

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【禁止次項】
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●他の作品と比べること
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【注意次項】
●説明文とか下手です。(キャラも時折迷子になります。)
●物語最終話までの構成などは全く考えておりません。(大体グダグダです。)
●全て妄想で書き上げています。(自己満足です。)
●専門的な知識などは皆無です。(ご都合主義です。)
●気がついたら直していますが、誤字やおかしい文章など多数あります。(ごめんなさい。)
●R指定は念のため【R-18→*】
●メンタル弱いです。暖かい目で見てやってください
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全ては“自己責任”でお読み下さい。


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