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第1章
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約束の日曜日、待ち合わせ場所についた俺は大貴がいないか探したがまだついていないようであった。早く着きすぎたかな、と近くの壁に寄りかかりポケットから携帯を取り出し時間を確認した。約束の時間まで20分。うん、早く着きすぎた。だって!初めてのライブだし!ワクワクしすぎて昨日よく眠れなかったし!
今日お昼寝しちゃったのは許してほしい
にしても暑いな、と流れる汗を拭いふっと携帯から視線を外すと周りから結構な人数に見られていることに気がついた。な、何?俺なんか変?と自分の服を見渡したり髪の毛を整えてみたりして落ち着かない気持ちになった。まだかな大貴
「水樹!」
周りからの視線と格闘すること数分。人混みを掻き分け俺の名前を呼びながら大貴が駆け寄ってきた。
「悪いな待たせたか?」
「ううん!へーき、そんな待ってないよ。それより早く行こ!」大貴を急かしながら楽しみ過ぎてたまらないというような笑顔を向けた。
「ッ!あ、ああ。(なんだこいつかわいい)」
ライブハウスはぱっと見おしゃれなカフェのような雰囲気だった。中は木を基調としたモダンなカフェを奥の方に突き進む大貴についていくと地下へと降りる階段を発見。下からはかすかな音楽が聞こえてきた。階段を降り少し進むと両開きの扉の前に黒い服を着た人が立っており大貴はその人にチケット2枚出す。その黒服はにこやかに笑いながら扉を開け俺たち2人を中に招き入れた。
中ではすでにライブが始まっているのかかなりな爆音が響き渡っている。人がひしめき合い手を上にあげ人それぞれ楽しんでいるようだった。
すごい!みんな楽しそうだな。俺はバンドとかよくわかんないけど思い思いに楽しんでて盛り上がってる。
「すごいね!人がたくさん!」周りがなかなかな音量のため近くにいる大貴にさえ大声で話さなければならない。
「ああ!今演奏してるバンドは今の若者たちにすごい人気なんだ!」とこれまた大声で帰ってきた声と大貴が指差す方へ目を向けると、ステージに4人の男が立っているのが見えた。
まず最初に目に付いたのはセンターで歌っている長身の男。肩につくかつかないかの漆黒の髪に濃いめにメイクされた凛々しい顔。少し冷たい印象を受ける眼差しはその黒い瞳と相まってクールな印象を受ける。しかし、歌の最中に伏し目がちな表情をすると途端に切ない雰囲気を醸し出し周りにいる女性たちが色めき立っている。歌も上手でその顔からは想像もできないほどやさしい歌声である。
その黒髪ボーカルさんの隣にはベースを持ち演奏している茶髪さん。緩めにカールしたふわふわの髪の毛と全体的に甘めのフェイス。そして何より口元のホクロの影響で何処と無くセクシーな印象を受ける。なんとなく軽そうな雰囲気だがベースを弾く指先はクルクルと器用に動き繊細で丁寧な演奏をしている。
セクシーな茶髪さんとは反対側にいるのは綺麗に染められたピンクと所々に入った赤のメッシュの髪の毛の人。バンドにしてはなかなか大きいキーボードを巧みに使い楽しそうに演奏している。4人の中では一番身長が低いがそれでも俺より高い。くそっ 。 人懐っこそうなかわいい笑みを浮かべ時折口元から覗く八重歯がさらに人当たりが良さそうな雰囲気を出している。観客の声に反応して手を振ったりウィンクしてみたりとファンサービスに忙しい。しかし時たまキーボードのみというソロの演奏が入りうまさを存分に披露していた。指つらないのかな
そして最後は他の3人と比べ少し奥まったところでドラムを演奏している長髪さん。なかなかに長い髪を後ろで一纏めにしているのかその長さまではわからないが、綺麗な銀色をしており地毛なのか染めているのかわからないほどである。細い髪の毛はサラサラなストレートで、妹に散々ヘアアレンジをさせられた身としては疼くものがある。触りたい。バンドの中でリズムの要を担うドラムは、その長い手足を存分に使い時折メンバーと目を合わせながら演奏している。
4人全員に共通していることは素晴らしく整った顔である。その美しい顔で微笑まれちゃファンになるのも頷ける。それだけでなく、演奏プロ並みに上手く時折戯れながら演奏している様からは仲がいいのは存分に伝わってくる。
そんな4人の演奏に見入っていると、いつのまにか大貴が飲み物を買ってきていた。いや、本当にいつの間に?と思いながらも素直に受け取り、へにゃと笑いながらありがとーと言っておいた。するとなんだか大貴は顔を赤らめ「おう」と言いなが顔を背けた。なんだ?暑いのか?たしかにこの盛り上がりで熱気がすごいしな。と納得しながら飲み物に口をつけた。! 美味しい! さすがよく分かってるな大貴さん!俺これが一番好きなんだよなと思いながらニコニコしてまた4人の演奏を見つめた。
ちなみに一番好きな飲み物はオレンジジュースです。果実100%が一番好き
今日お昼寝しちゃったのは許してほしい
にしても暑いな、と流れる汗を拭いふっと携帯から視線を外すと周りから結構な人数に見られていることに気がついた。な、何?俺なんか変?と自分の服を見渡したり髪の毛を整えてみたりして落ち着かない気持ちになった。まだかな大貴
「水樹!」
周りからの視線と格闘すること数分。人混みを掻き分け俺の名前を呼びながら大貴が駆け寄ってきた。
「悪いな待たせたか?」
「ううん!へーき、そんな待ってないよ。それより早く行こ!」大貴を急かしながら楽しみ過ぎてたまらないというような笑顔を向けた。
「ッ!あ、ああ。(なんだこいつかわいい)」
ライブハウスはぱっと見おしゃれなカフェのような雰囲気だった。中は木を基調としたモダンなカフェを奥の方に突き進む大貴についていくと地下へと降りる階段を発見。下からはかすかな音楽が聞こえてきた。階段を降り少し進むと両開きの扉の前に黒い服を着た人が立っており大貴はその人にチケット2枚出す。その黒服はにこやかに笑いながら扉を開け俺たち2人を中に招き入れた。
中ではすでにライブが始まっているのかかなりな爆音が響き渡っている。人がひしめき合い手を上にあげ人それぞれ楽しんでいるようだった。
すごい!みんな楽しそうだな。俺はバンドとかよくわかんないけど思い思いに楽しんでて盛り上がってる。
「すごいね!人がたくさん!」周りがなかなかな音量のため近くにいる大貴にさえ大声で話さなければならない。
「ああ!今演奏してるバンドは今の若者たちにすごい人気なんだ!」とこれまた大声で帰ってきた声と大貴が指差す方へ目を向けると、ステージに4人の男が立っているのが見えた。
まず最初に目に付いたのはセンターで歌っている長身の男。肩につくかつかないかの漆黒の髪に濃いめにメイクされた凛々しい顔。少し冷たい印象を受ける眼差しはその黒い瞳と相まってクールな印象を受ける。しかし、歌の最中に伏し目がちな表情をすると途端に切ない雰囲気を醸し出し周りにいる女性たちが色めき立っている。歌も上手でその顔からは想像もできないほどやさしい歌声である。
その黒髪ボーカルさんの隣にはベースを持ち演奏している茶髪さん。緩めにカールしたふわふわの髪の毛と全体的に甘めのフェイス。そして何より口元のホクロの影響で何処と無くセクシーな印象を受ける。なんとなく軽そうな雰囲気だがベースを弾く指先はクルクルと器用に動き繊細で丁寧な演奏をしている。
セクシーな茶髪さんとは反対側にいるのは綺麗に染められたピンクと所々に入った赤のメッシュの髪の毛の人。バンドにしてはなかなか大きいキーボードを巧みに使い楽しそうに演奏している。4人の中では一番身長が低いがそれでも俺より高い。くそっ 。 人懐っこそうなかわいい笑みを浮かべ時折口元から覗く八重歯がさらに人当たりが良さそうな雰囲気を出している。観客の声に反応して手を振ったりウィンクしてみたりとファンサービスに忙しい。しかし時たまキーボードのみというソロの演奏が入りうまさを存分に披露していた。指つらないのかな
そして最後は他の3人と比べ少し奥まったところでドラムを演奏している長髪さん。なかなかに長い髪を後ろで一纏めにしているのかその長さまではわからないが、綺麗な銀色をしており地毛なのか染めているのかわからないほどである。細い髪の毛はサラサラなストレートで、妹に散々ヘアアレンジをさせられた身としては疼くものがある。触りたい。バンドの中でリズムの要を担うドラムは、その長い手足を存分に使い時折メンバーと目を合わせながら演奏している。
4人全員に共通していることは素晴らしく整った顔である。その美しい顔で微笑まれちゃファンになるのも頷ける。それだけでなく、演奏プロ並みに上手く時折戯れながら演奏している様からは仲がいいのは存分に伝わってくる。
そんな4人の演奏に見入っていると、いつのまにか大貴が飲み物を買ってきていた。いや、本当にいつの間に?と思いながらも素直に受け取り、へにゃと笑いながらありがとーと言っておいた。するとなんだか大貴は顔を赤らめ「おう」と言いなが顔を背けた。なんだ?暑いのか?たしかにこの盛り上がりで熱気がすごいしな。と納得しながら飲み物に口をつけた。! 美味しい! さすがよく分かってるな大貴さん!俺これが一番好きなんだよなと思いながらニコニコしてまた4人の演奏を見つめた。
ちなみに一番好きな飲み物はオレンジジュースです。果実100%が一番好き
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