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21.冒険者Ⅳ

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「待ってくれ」

俺に近づくライツを止める。

「あぁっ?」

「仲直りしよう」

「無理だな、ガキだから金もないだろうし……まあ全身を骨を折ってから奴隷として売ってやる」

ライツは意地悪く笑う。そこまでするか?

「……もう一度言う……止める気無いんだな?」

「うるせー死ね!」

木剣を大きく振り被って俺に叩きつけようとする。

「大水流弾」

「ぐわぁっ」

俺の手のひらから大量の水が流れ出る。その勢いでライツを向こうの壁際まで押し付ける。
ヤバかった。あのままだとやられていた。


「魔法か、てめぇはやっぱり……勇者かよ」

ディドディドン
【ライツを仲間にすることに失敗しました】

警告音が鳴ると目の前に文字が流れ、条件を達成出来なかったことを告げられた。
これでライツはもう仲間にすることが出来ない。このゲームは条件に失敗すると二度と仲間にすることが出来なくなる。

「俺はな、勇者が大嫌いなんだよ、もういい……ここでぶっ殺してやる」

木剣を投げ捨て、腰に掛けている剣を抜く。
あちゃー、たしかライツは昔に勇者の職業を持つ奴ジョブに、女を奪われたことがあるとかなんとかで、俺が勇者だからと言ってつっかかってきたはず?
でもその勇者とは全然関係ないんだけどな!

「魔法ってのはな、使う前と使った後は隙だらけなんだよ、相手より先に魔法を発動させて、確実に相手に当てないと次には斬られると思っていろよ」

ライツが剣構えて、俺の間合いにジリジリと寄ってくる。

「だ…」

俺は左腕を突き出す。

「おせー」

ライツが俺を袈裟懸けに斬りつける。

キン

俺の周りに光が集まり、ライツの剣を弾く。

「なっ」

驚いているのも仕方がない。身に着けていたネックレスの先に付いているヘッド宝石が砕ける。
アイテムボックスの中にあったアイテムで、身に付けていると一度だけ攻撃を無効にする『光の守り』と言う物だ。

ボン

俺はそのまま右手に握っていた物を、ライツの顔にぶつける。
それは『眠り玉』だ。

「ぁ」

小さい声を残して、そのまま倒れていく。

「カード召喚、その男を捕らえろ」

『魂のカード』を出してライツに向けると、ライツはカードの中に入っていく。

【魂のカードによる使役完了、ヒューマン、個体名、ライツ】

「よっしゃー!」

俺に敵意を出した相手だから魔物同じ扱いになって、アスリートみたいに『魂のカード』で捕らえれるとは思っていたが、上手く使えてよかった。正直言って使えるかどうか実験として使ったが、これで条件を関係なしに仲間をゲットできる。

このゲームの世界で仲間にする方法が、3つあるという事がわかったのだ。

まずは1つ目は『勇者の心』スキルを使い、相手の条件を確認してからそれの条件を満たす。

次の2つ目は『魂のカード』を使い、敵意を出した相手を封印してから召喚をする。

実はドラゴンが来るイベントで、ダカンとかと同じ死ぬキャラ……村長達とかに実験で『勇者の心』と『魂のカード』が使えるか試してみていた。
『勇者の心』のスキルは、全員に使えて条件が出る事を確認していた。
『魂のカード』は敵ではないと、使えないという事もわかった。

そして、ゼンは仲間にする前に『勇者の心』を使って仲間にする条件は見ていた。

【ゼン 仲間条件】
カイとダカンが魔族に殺されるのを見せる。

こんな条件を実行させるつもりは無い。

そして3つ目の仲間にする方法とは、相手に犯して快楽を感じさせながらイカせて、俺が中出しをすると仲間になる。

だからダメもとでゼンを強姦した。ダカンとカイとの経験で、これで仲間に出来るとわかったからだ。
条件を達していない相手は、犯して仲間なる。

『魂のカード』は100枚あるが、アスリートを含めて使用中なのが33枚だ。
敵一体に限り一度限りしか使用できないので、使いどころが悩むところだ。
回数に限りもあり、殺意を出しているほどの敵意を出した相手にしか使えないからなかなか難しい方法だ。

つまりは相手を犯すのが最もお得なやり方なのかもしれないがなかなか難しいだろう。
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