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2.勇者
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「兄ちゃんおはよう!」
小学生高学年ぐらいの可愛い男の子が声を掛ける。
「えっ?誰だ?」
「やだな兄ちゃん、まだ寝ぼけているの?今日は元服の日だろ?お父ちゃんは楽しみにしてもう準備しているよ」
ニコニコと笑う男の子。
周りを見渡すと、全く知らない部屋にいる。
「えっとここはどこだ」
「まだ起きてないの?ここは家のベッドの中だよ!さあお父ちゃんが起こしてこいってうるさいんだから」
俺の手を掴んで、俺をベッドから起こす。
そして手を掴んだまま、部屋の外に連れ出すと、そこには20代後半ぐらいのカッコイイ男が椅子に座っていた。
「まだ起きてないのか?顔を洗ってこい」
「ほら叱られた」
俺はわけのわからないまま、少年に連れられて行く。
周りを見ると質素な石造りの家だ。
「ほら顔洗った洗った!」
目の前に水が入っている瓶がある。
水瓶の水を使い顔を洗えと言うのか?
「誰だこいつ」
水に写っているのは、自分の顔ではなく、見たことも無い少年の姿だ。
「兄ちゃんそろそろ目を覚ませよ」
少年は水瓶の水を手で掬い、顔を洗っていく。
よくよく考えたら、水鏡に映った人物は見たことがあった。
黒髪で大きく利発そうな瞳、目の前の少年とも顔が似ていた。そしてさっき座っていた男とも顔がよく似ている。顔は美形と言ってもいいだろう。
そしてさっきの会話を思い出した。
ゲームの冒頭部分の会話だ。
俺はゲームの世界に入っている!?
「もしかして……メニュー」
そう呟くと、目の前にゲームのメニュー画面が広がる。
映画やアニメで見たことあるようなAR表示だ。
「なにブツブツ言ってんの?元服の日なんだから、顔洗って朝飯食ってから、教会に行かないとだめだろ兄ちゃん」
俺に声を声を掛けているのは、たしか主人公の弟のカイ、歳は11歳。
そんで主人公は、今日15歳の誕生日を迎えたばかりだ。
「今日でお前も大人か……。感慨深いな、俺と同じ『村人』になるのかな?」
父親のゼンは、俺の事を優しい目で見つめる。
15歳の誕生日は元服の日と言い、元服の日と言うのはこの世界での成人式であり、職業をもらう日だ。
この世界には成人すると教会に行って職業をもらう。
そのもらった職業に合った仕事をすることで、スキルと言う能力が発揮する。
その職業は戦士、狩人、村人、商人、魔法使い、賢者、勇者などなどと様々だ。
父親は『村人』と言うジョブなので、スキルが生産率アップと言う能力を持っていたはずだ。
ゲームとしては、主人公は元服の日に教会に行き、『勇者』と言う職業を得ることで、『勇者』として魔王を倒しに行く使命をもつはずだ。
「もし俺が勇者の職業を手に入れたら、どうする?」
「フハハハハハ、なるわけないよ!そうだな……なったら、俺の友人で元冒険者に戦闘の家庭教師でも頼んでやるよ」
「兄ちゃんおもしれー」
父親のゼンと弟のカイが笑っている。
「そうだなハハハ」
……とこれまでが冒頭での会話のテンプレだ。
この後……。
「おーなんと言う事だ!ゼロに『勇者』の職業の称号が神託されたぞ!」
まあこうなる。
教会の神父が『勇者』職業を俺に授けたのた。
「「ええぇ」」
驚きで父親と弟が腰を抜かす。
「メニュー、アイテム」
俺は二人が驚いている横でメニューを開いた。さっきまでなかったアイテムボックスの項目を確認する。
アイテムボックスは無限に物が持てる能力で、この能力がないとこのゲームが進まない。
昔あったゲームには持物に重さがある奴があったが、はっきり言ってきついだけでクソつまらなかった。
そして持てる数が決まっていると、重要なアイテムで枠を埋めたら、後半に必要なアイテムも捨てるとかの選択があるとなったらゲームはきつくなる。
特にこのゲームで持物の限界があったら、なかなか話が進まないし、全く楽しめない……。
おおおっゲームクリア100回分のアイテムが一杯入っている。
ここまであると全部のアイテムの把握を瞬時にはできないが、グループ分けが自動化してあるから、ある程度はわかる。
これでこのゲームは、死ぬことなく余裕でクリアできる。
問題は無事にログアウトできるかどうかだ。
いまの時点ではまだセーブポイントまで行ってないから、わからない。
この世界から現実世界に戻れないのが一番の心配だ。
「俺の息子のゼロ、こいつが俺の友人のダカンだ」
「よろしくな、ゼロ」
目の前に紹介されたのはダカンだ。戦闘のチュートリアルを説明する役目の男だ。
坊主頭のゴツイ身体をしている男で30代前半ぐらいに見える。元冒険者だけあって腕は丸太並みに太く、脚はカイの腰ぐらいあり、顔はヤクザと思うぐらいに厳つい。カイは怖いのか俺の後ろに隠れている。
「よろしくゼロです、師匠と言えばいい?」
俺が握手をすると、
「師匠か……ああ、俺がいろいろと教えてやる」
厳つい顔が破顔一笑した。
俺は思わず可愛いと思った。
彼は戦士のジョブを持ち、冒険者として魔物退治をしていたが、最近冒険者を引退してこの村に戻ったというキャラだ。
引退した理由は手足の怪我をしたためだ。魔物相手に負傷したのだ。
傷口は回復薬で治したのだが、足には後遺症が残り、利き手である右腕は魔物に食われて無くなったためだ。
だからダカンは左の片足が思う様に動かなくて杖を突いているし、右腕は肘先からがない。
ダカンは勇者になった主人公に、ゲームのやり方をいろいろと教えてくれると言うチュートリアル専用キャラだ。
「俺の昔からの親友だから、なんでも聞いてやってくれ」
「オイオイ、お前が言うのかよ」
父親のゼンと親友で仲がいいから、元冒険者のダカンは主人公を鍛えると言う設定。元々は父親のゼンとダカンは子供の頃からの親友同士で、戦士の職業を持ったダカンは、父親のゼンが結婚して俺が生まれた時にはこの村を出て、冒険者として生計を立てていた設定だ。
ちなみに、母親は5年前にあった流行り病で死亡している。
これからはチュートリアルとして、主人公はダカンと二人きりで、村はずれの山小屋で修行をすることになる。
そして……一週間の修行後にこの村に、魔族が率いるドラゴンが襲ってきて村が壊滅する。
父親のゼンと弟のカイはこの時に死亡して、ダカンもドラゴンと戦って無惨に死んでいく。
主人公だけがダカンに気絶させられて、目覚めたら村にいる全ての人が死んでいるという悲劇からのスタート。
そして魔族に復讐を誓うところから物語が始まる。
ここまではチュートリアルだから、スキップ機能があってまともにみなくても良いのだが、実はこの男臭いダカンがもろにタイプなので、毎回チュートリアルをスキップをせずに見てしまう。
ゲームではチュートリアルしか登場しないダカンを、仲間に出来なくて歯がゆい思いをしていた。
「じゃあ修行の開始だ」
「はい師匠」
修行として剣の使い方や戦い方、薬草から作る回復薬や解毒剤のポーションの作り方を教わる。
「回復薬のナミンの作り方は、ヨクキク草とイトヒキ草をすりつぶし、水を混ぜると作れるぞ」
「ん?師匠、もしかしてヨクキク草と水だけでもナミンを作れない?」
ゲームではヨクキク草だけでも使うと、体力は多少回復する。
イトヒキ草は鑑定では『水と混ぜるとネバネバするぞ』としか書いてない。
「よく気づいたな、回復薬としてはヨクキク草だけでもいいんだが、イトヒキ草のこのネバネバが傷口を覆い血を止めて怪我を治してくれるんだよ、オイの怪我もナミンのネバネバで血を止めてくれたおかげで命が助かったからな。ガハハハッ」
肘から先のない右腕を振り回す。
その仕草が可愛いと思うのは俺がゲイだからだろうか……こんな男臭い男が、自分のことを『オイ』とかと言うなんか最高だろう。
俺はここでふと思う……。
もしかしてダカンを抱けるのでは?
手足が不自由なダカンなら、俺でも力づくでも犯せれる。
それも一週間後に殺される運命にある、ダカンを犯したとして何が悪い。
結婚もしていないし、彼女はもいない一人暮らしのダカンだ。つまりは誰の物でもない。
無理矢理犯したとしても、これはゲームの中だ。軽蔑されることが無く、誰にもバレることはない。
それを考えると、俺の股間は熱く固くなっていった。
小学生高学年ぐらいの可愛い男の子が声を掛ける。
「えっ?誰だ?」
「やだな兄ちゃん、まだ寝ぼけているの?今日は元服の日だろ?お父ちゃんは楽しみにしてもう準備しているよ」
ニコニコと笑う男の子。
周りを見渡すと、全く知らない部屋にいる。
「えっとここはどこだ」
「まだ起きてないの?ここは家のベッドの中だよ!さあお父ちゃんが起こしてこいってうるさいんだから」
俺の手を掴んで、俺をベッドから起こす。
そして手を掴んだまま、部屋の外に連れ出すと、そこには20代後半ぐらいのカッコイイ男が椅子に座っていた。
「まだ起きてないのか?顔を洗ってこい」
「ほら叱られた」
俺はわけのわからないまま、少年に連れられて行く。
周りを見ると質素な石造りの家だ。
「ほら顔洗った洗った!」
目の前に水が入っている瓶がある。
水瓶の水を使い顔を洗えと言うのか?
「誰だこいつ」
水に写っているのは、自分の顔ではなく、見たことも無い少年の姿だ。
「兄ちゃんそろそろ目を覚ませよ」
少年は水瓶の水を手で掬い、顔を洗っていく。
よくよく考えたら、水鏡に映った人物は見たことがあった。
黒髪で大きく利発そうな瞳、目の前の少年とも顔が似ていた。そしてさっき座っていた男とも顔がよく似ている。顔は美形と言ってもいいだろう。
そしてさっきの会話を思い出した。
ゲームの冒頭部分の会話だ。
俺はゲームの世界に入っている!?
「もしかして……メニュー」
そう呟くと、目の前にゲームのメニュー画面が広がる。
映画やアニメで見たことあるようなAR表示だ。
「なにブツブツ言ってんの?元服の日なんだから、顔洗って朝飯食ってから、教会に行かないとだめだろ兄ちゃん」
俺に声を声を掛けているのは、たしか主人公の弟のカイ、歳は11歳。
そんで主人公は、今日15歳の誕生日を迎えたばかりだ。
「今日でお前も大人か……。感慨深いな、俺と同じ『村人』になるのかな?」
父親のゼンは、俺の事を優しい目で見つめる。
15歳の誕生日は元服の日と言い、元服の日と言うのはこの世界での成人式であり、職業をもらう日だ。
この世界には成人すると教会に行って職業をもらう。
そのもらった職業に合った仕事をすることで、スキルと言う能力が発揮する。
その職業は戦士、狩人、村人、商人、魔法使い、賢者、勇者などなどと様々だ。
父親は『村人』と言うジョブなので、スキルが生産率アップと言う能力を持っていたはずだ。
ゲームとしては、主人公は元服の日に教会に行き、『勇者』と言う職業を得ることで、『勇者』として魔王を倒しに行く使命をもつはずだ。
「もし俺が勇者の職業を手に入れたら、どうする?」
「フハハハハハ、なるわけないよ!そうだな……なったら、俺の友人で元冒険者に戦闘の家庭教師でも頼んでやるよ」
「兄ちゃんおもしれー」
父親のゼンと弟のカイが笑っている。
「そうだなハハハ」
……とこれまでが冒頭での会話のテンプレだ。
この後……。
「おーなんと言う事だ!ゼロに『勇者』の職業の称号が神託されたぞ!」
まあこうなる。
教会の神父が『勇者』職業を俺に授けたのた。
「「ええぇ」」
驚きで父親と弟が腰を抜かす。
「メニュー、アイテム」
俺は二人が驚いている横でメニューを開いた。さっきまでなかったアイテムボックスの項目を確認する。
アイテムボックスは無限に物が持てる能力で、この能力がないとこのゲームが進まない。
昔あったゲームには持物に重さがある奴があったが、はっきり言ってきついだけでクソつまらなかった。
そして持てる数が決まっていると、重要なアイテムで枠を埋めたら、後半に必要なアイテムも捨てるとかの選択があるとなったらゲームはきつくなる。
特にこのゲームで持物の限界があったら、なかなか話が進まないし、全く楽しめない……。
おおおっゲームクリア100回分のアイテムが一杯入っている。
ここまであると全部のアイテムの把握を瞬時にはできないが、グループ分けが自動化してあるから、ある程度はわかる。
これでこのゲームは、死ぬことなく余裕でクリアできる。
問題は無事にログアウトできるかどうかだ。
いまの時点ではまだセーブポイントまで行ってないから、わからない。
この世界から現実世界に戻れないのが一番の心配だ。
「俺の息子のゼロ、こいつが俺の友人のダカンだ」
「よろしくな、ゼロ」
目の前に紹介されたのはダカンだ。戦闘のチュートリアルを説明する役目の男だ。
坊主頭のゴツイ身体をしている男で30代前半ぐらいに見える。元冒険者だけあって腕は丸太並みに太く、脚はカイの腰ぐらいあり、顔はヤクザと思うぐらいに厳つい。カイは怖いのか俺の後ろに隠れている。
「よろしくゼロです、師匠と言えばいい?」
俺が握手をすると、
「師匠か……ああ、俺がいろいろと教えてやる」
厳つい顔が破顔一笑した。
俺は思わず可愛いと思った。
彼は戦士のジョブを持ち、冒険者として魔物退治をしていたが、最近冒険者を引退してこの村に戻ったというキャラだ。
引退した理由は手足の怪我をしたためだ。魔物相手に負傷したのだ。
傷口は回復薬で治したのだが、足には後遺症が残り、利き手である右腕は魔物に食われて無くなったためだ。
だからダカンは左の片足が思う様に動かなくて杖を突いているし、右腕は肘先からがない。
ダカンは勇者になった主人公に、ゲームのやり方をいろいろと教えてくれると言うチュートリアル専用キャラだ。
「俺の昔からの親友だから、なんでも聞いてやってくれ」
「オイオイ、お前が言うのかよ」
父親のゼンと親友で仲がいいから、元冒険者のダカンは主人公を鍛えると言う設定。元々は父親のゼンとダカンは子供の頃からの親友同士で、戦士の職業を持ったダカンは、父親のゼンが結婚して俺が生まれた時にはこの村を出て、冒険者として生計を立てていた設定だ。
ちなみに、母親は5年前にあった流行り病で死亡している。
これからはチュートリアルとして、主人公はダカンと二人きりで、村はずれの山小屋で修行をすることになる。
そして……一週間の修行後にこの村に、魔族が率いるドラゴンが襲ってきて村が壊滅する。
父親のゼンと弟のカイはこの時に死亡して、ダカンもドラゴンと戦って無惨に死んでいく。
主人公だけがダカンに気絶させられて、目覚めたら村にいる全ての人が死んでいるという悲劇からのスタート。
そして魔族に復讐を誓うところから物語が始まる。
ここまではチュートリアルだから、スキップ機能があってまともにみなくても良いのだが、実はこの男臭いダカンがもろにタイプなので、毎回チュートリアルをスキップをせずに見てしまう。
ゲームではチュートリアルしか登場しないダカンを、仲間に出来なくて歯がゆい思いをしていた。
「じゃあ修行の開始だ」
「はい師匠」
修行として剣の使い方や戦い方、薬草から作る回復薬や解毒剤のポーションの作り方を教わる。
「回復薬のナミンの作り方は、ヨクキク草とイトヒキ草をすりつぶし、水を混ぜると作れるぞ」
「ん?師匠、もしかしてヨクキク草と水だけでもナミンを作れない?」
ゲームではヨクキク草だけでも使うと、体力は多少回復する。
イトヒキ草は鑑定では『水と混ぜるとネバネバするぞ』としか書いてない。
「よく気づいたな、回復薬としてはヨクキク草だけでもいいんだが、イトヒキ草のこのネバネバが傷口を覆い血を止めて怪我を治してくれるんだよ、オイの怪我もナミンのネバネバで血を止めてくれたおかげで命が助かったからな。ガハハハッ」
肘から先のない右腕を振り回す。
その仕草が可愛いと思うのは俺がゲイだからだろうか……こんな男臭い男が、自分のことを『オイ』とかと言うなんか最高だろう。
俺はここでふと思う……。
もしかしてダカンを抱けるのでは?
手足が不自由なダカンなら、俺でも力づくでも犯せれる。
それも一週間後に殺される運命にある、ダカンを犯したとして何が悪い。
結婚もしていないし、彼女はもいない一人暮らしのダカンだ。つまりは誰の物でもない。
無理矢理犯したとしても、これはゲームの中だ。軽蔑されることが無く、誰にもバレることはない。
それを考えると、俺の股間は熱く固くなっていった。
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