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4話:プリシラ、バレジアに興味を持つ
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「ね、ねえ・・・・・・」
プリシラは、またリムに向き直り、まん丸な目でリムを見つめ、戸惑い気味に話しかけた。
白いフリルのついたノースリーブシャツと、袖から出た、ぷっくりとした二の腕が可愛げに見える。
リムは若干ドキっとしたが、これまた恋心ではない。でもプリシラの愛くるしい目に涙が溜まっているのを見て、
リムの心は騒がずにはおれなかったが
「何?」とツンとしてプリシラの話に耳を傾けた。
「あのね、バレジアって、ロックお兄ちゃんが引っ越して行ったでしょ?都会だってね。
でもまだ私行ったことないの。ていうか、ママ達が行かせてくれないの。リムお兄ちゃんは行ったんでしょ?
ここからどのくらいかかるの?」
「え?うーんと・・・・・・、列車で3時間くらい、飛行機なら1時間くらいだよ」
「ふーん。それって遠いの、近いの?」
プリシラは、もしかしてリムがバレジアに引っ越して行ってしまうかもしれないという悲しさを一度脇に置き、
ブレジア以外に出たことがなかったので、バレジアに興味を持ちだした。もしかして近ければ、
また一人でもすぐに会いに行けるのではないかと思ったのだ。
「でも、この村から空港までバスや電車で2、3時間掛かるから、1日かかるし、どうにしろ遠いな」
リムもモヤモヤした気持ちを失くし、いつものようにプリシラに教えた。でもやはり少しばかり寂しい気持ちになった。
「そうなんだあ、遠いの・・・・・・。受験の時も」と言いかけて、またプリシラは悲しくなってうつむいた。
リムも心配してプリシラの顔を下から心配そうに覗いた。
「受験の時は何なにで行くの?」大好きなミニスカートを履いてきたプリシラは両手で腿ももにかかっているスカートをギュっと掴みながら切ない表情でリムに聞いた。
「えー?分かんない。飛行機は金掛かるからなあ。でも大事な進路だから飛行機で行くかも。だけど、空港まで遠いから列車かな」
「列車かあ。ロックお兄ちゃんちに行った時はどっちで行ったの?」
「兄さんとこは金持ちだし、金出してくれて空港に一泊して飛行機だよ」
「へえ、いいなあ」
「あ、お前にVALA(バレジア航空)の土産やったじゃないか」
「あれー、そうだったっけ。えへ。えーっと・・・・・・あたし、あん時はまだ小さくて、何貰ったか忘れたわ、えへへ」
涙がこぼれそうだったプリシラが、今度は笑顔になったので、リムは思わず吹き出した。
「そりゃ覚えてないよな。お菓子あげたんだけど、お前ったら、僕の目の前で、
さっさと全部美味しそうに食っちまったんだもん。卑しいよなー」
「えー、そうだったんだ?そういえば美味しかったような・・・・・・」
えへっとベリーをスライスしたような小さい舌を出してごまかした。
「ようなじゃなくて旨そうに食ってたぞ。受験しに行ったらまた食いもん買ってきてやろうか?」
リムは半分冗談で言った。
「お土産買ってきてくれるの?」
プリシラは、目をくりっとさせて、涙もどこへやら、リムを期待の目で見た。
「お前、僕の受験より、土産が気になるの?卑しいなあ」リムは呆れてみせた。
「ち、違うよ!リムお兄ちゃん、中学生になってからあんまり」と言って、プリシラは言うのを止め、
体を少し縮めバツが悪そうにリムを見た。
「あんまり僕が優しくなくなったって言いたいの?」
リムは、プリシラの言いたいことを代弁するように、キツめの口調で答えた。
「うーん、でも恥ずかしいよね。いくら家が隣同士だからって、中学生になって隣の女の子の面倒見るの。だから、小さい頃みたいに、お土産買ってきてくれるのって思うと、ちょっとびっくりしちゃったの」
「それはやっぱり隣同士だし、買ってくるよ。でも僕はシーラの面倒見てる気がないし。
お前が勝手に来るから優しい僕は放っておけないし、賢い僕は脳ミソが余っているからもったいなくて、
勉強やら教えているだけだよ。エサやると喜ぶペットみたいだしな」リムは鼻でふん!と笑ってみせた。
「そんなあ。小さい時はもっと優しかったわ。中学生になって、なんか、リムお兄ちゃん変わっちゃったみたい」
「そんなこと言うなら帰りなよ。お前だってケビィの面倒見るの面倒だろ?中学生になると色々忙しいんだよ。テストで0点取りそうなら、僕のメンツもあるし、村じゃすぐ噂になるから見てやってるんだよ」
2人が住むブレジアの小さな村は、人口が少ないため、そこに住む者は皆親戚のようであり、テストの結果は隣近所に筒抜けだった。
「ごめん!リムお兄ちゃんのメンツのためにも頑張るから教えて?それと・・・・・・」
と、プリシラが言いかけると、リムは仕方ないな、という顔をして、プリシラの考えを先読みした。
「お土産も買ってきてやるよ。3校、3回行くから、お菓子ばかりだと、お前太るぞ」
リムが、二っと笑うと、プリシラは「やだあ」と言って笑い、リムに向かって輝く笑顔を見せた。
それを見たリムは、親の都合と夢のためにバレジアに行きたい気持ちもあったが、
一瞬、ずっとプリシラの傍にいたいと心の中で密かに思った。
プリシラは、またリムに向き直り、まん丸な目でリムを見つめ、戸惑い気味に話しかけた。
白いフリルのついたノースリーブシャツと、袖から出た、ぷっくりとした二の腕が可愛げに見える。
リムは若干ドキっとしたが、これまた恋心ではない。でもプリシラの愛くるしい目に涙が溜まっているのを見て、
リムの心は騒がずにはおれなかったが
「何?」とツンとしてプリシラの話に耳を傾けた。
「あのね、バレジアって、ロックお兄ちゃんが引っ越して行ったでしょ?都会だってね。
でもまだ私行ったことないの。ていうか、ママ達が行かせてくれないの。リムお兄ちゃんは行ったんでしょ?
ここからどのくらいかかるの?」
「え?うーんと・・・・・・、列車で3時間くらい、飛行機なら1時間くらいだよ」
「ふーん。それって遠いの、近いの?」
プリシラは、もしかしてリムがバレジアに引っ越して行ってしまうかもしれないという悲しさを一度脇に置き、
ブレジア以外に出たことがなかったので、バレジアに興味を持ちだした。もしかして近ければ、
また一人でもすぐに会いに行けるのではないかと思ったのだ。
「でも、この村から空港までバスや電車で2、3時間掛かるから、1日かかるし、どうにしろ遠いな」
リムもモヤモヤした気持ちを失くし、いつものようにプリシラに教えた。でもやはり少しばかり寂しい気持ちになった。
「そうなんだあ、遠いの・・・・・・。受験の時も」と言いかけて、またプリシラは悲しくなってうつむいた。
リムも心配してプリシラの顔を下から心配そうに覗いた。
「受験の時は何なにで行くの?」大好きなミニスカートを履いてきたプリシラは両手で腿ももにかかっているスカートをギュっと掴みながら切ない表情でリムに聞いた。
「えー?分かんない。飛行機は金掛かるからなあ。でも大事な進路だから飛行機で行くかも。だけど、空港まで遠いから列車かな」
「列車かあ。ロックお兄ちゃんちに行った時はどっちで行ったの?」
「兄さんとこは金持ちだし、金出してくれて空港に一泊して飛行機だよ」
「へえ、いいなあ」
「あ、お前にVALA(バレジア航空)の土産やったじゃないか」
「あれー、そうだったっけ。えへ。えーっと・・・・・・あたし、あん時はまだ小さくて、何貰ったか忘れたわ、えへへ」
涙がこぼれそうだったプリシラが、今度は笑顔になったので、リムは思わず吹き出した。
「そりゃ覚えてないよな。お菓子あげたんだけど、お前ったら、僕の目の前で、
さっさと全部美味しそうに食っちまったんだもん。卑しいよなー」
「えー、そうだったんだ?そういえば美味しかったような・・・・・・」
えへっとベリーをスライスしたような小さい舌を出してごまかした。
「ようなじゃなくて旨そうに食ってたぞ。受験しに行ったらまた食いもん買ってきてやろうか?」
リムは半分冗談で言った。
「お土産買ってきてくれるの?」
プリシラは、目をくりっとさせて、涙もどこへやら、リムを期待の目で見た。
「お前、僕の受験より、土産が気になるの?卑しいなあ」リムは呆れてみせた。
「ち、違うよ!リムお兄ちゃん、中学生になってからあんまり」と言って、プリシラは言うのを止め、
体を少し縮めバツが悪そうにリムを見た。
「あんまり僕が優しくなくなったって言いたいの?」
リムは、プリシラの言いたいことを代弁するように、キツめの口調で答えた。
「うーん、でも恥ずかしいよね。いくら家が隣同士だからって、中学生になって隣の女の子の面倒見るの。だから、小さい頃みたいに、お土産買ってきてくれるのって思うと、ちょっとびっくりしちゃったの」
「それはやっぱり隣同士だし、買ってくるよ。でも僕はシーラの面倒見てる気がないし。
お前が勝手に来るから優しい僕は放っておけないし、賢い僕は脳ミソが余っているからもったいなくて、
勉強やら教えているだけだよ。エサやると喜ぶペットみたいだしな」リムは鼻でふん!と笑ってみせた。
「そんなあ。小さい時はもっと優しかったわ。中学生になって、なんか、リムお兄ちゃん変わっちゃったみたい」
「そんなこと言うなら帰りなよ。お前だってケビィの面倒見るの面倒だろ?中学生になると色々忙しいんだよ。テストで0点取りそうなら、僕のメンツもあるし、村じゃすぐ噂になるから見てやってるんだよ」
2人が住むブレジアの小さな村は、人口が少ないため、そこに住む者は皆親戚のようであり、テストの結果は隣近所に筒抜けだった。
「ごめん!リムお兄ちゃんのメンツのためにも頑張るから教えて?それと・・・・・・」
と、プリシラが言いかけると、リムは仕方ないな、という顔をして、プリシラの考えを先読みした。
「お土産も買ってきてやるよ。3校、3回行くから、お菓子ばかりだと、お前太るぞ」
リムが、二っと笑うと、プリシラは「やだあ」と言って笑い、リムに向かって輝く笑顔を見せた。
それを見たリムは、親の都合と夢のためにバレジアに行きたい気持ちもあったが、
一瞬、ずっとプリシラの傍にいたいと心の中で密かに思った。
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