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相川悠希 と永岡未来
しおりを挟むピンポーン
8時05分。
「悠くーん?」
聞き慣れた声。
「あと5秒で出てこないとおいてくよー」
俺は勢いよくドアを開ける。
「...っと、ごめん!!...セーフ?」
「ギリッギリ!セーフでーす」
うん。今日も変わらず「いつも通り」
このやり取りも何回目だろう。
「ほら、急がないと遅刻だよ。ダラダラしない!」
そう言って俺に呆れた笑顔を向けるのは、隣ん家に住む永岡未来。まあ、中学からの腐れ縁ってやつだ。
「なあ、今日って数学小テストあったっけ?」
「悠くんは6組だから...あるはずだよ」
「うわやべぇ何もしてねぇわ」
未来は俺と違ってしっかりしてて頭も良くて、ちょっと貧弱そうだけど細身で背も高い。(筋肉は俺のがあるからな。)
そして何より顔が綺麗。超美人。男なのに。そりゃあもう同性の俺でも見とれるほどに。
「何?さっきからジロジロ人の顔見て。俺の顔になんか付いてる?」
くっそ、このハイスペック野郎め羨ましい。何か1つくらい俺に分けろ。
「...お前、ほんっとずりぃわ。なんでそんな全部持ってんの羨ましい。」
「なにが?」
きょとん、とした表情で俺の顔をのぞき込む。やめろ俺とお前の身長差が余計際立つだろ。
今日も空には雲ひとつない、まるで絵の具を零したかのような快晴が広がっている。
いつも通りの朝。いつも通りの景色。
いつも通り、隣には未来。
今日も変わらない、俺の平和な日常が繰り返されるーーーはずだった。
ーーー少なくとも、今日の夜までは。
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