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いとこな8
しおりを挟む「琴美、退け」
「っ?!」
ぞくぞくぞくっ。
あたしの背筋に、電気のような快感が走った。
清ちゃんらしからぬその台詞は恐怖に近くて、滅多に言わない台詞だった。男らしい口調の清ちゃんが、あたしを睨みつけて怒っていた。
とにかく何か言い表せぬものを感じた。
じゅんと下半身の奥が熱くなり、脳が沸騰しそうになる。そんな自分に、あたしは慌てる。ぐんと、何かが尻に当たる。硬く、大きく、猛るのは。
「っ、く」
あたしの身体の奥をびりびりとした電気が走り抜けた。ぐりごりとした突起の塊があたしの大事なぷっちを擦り上げ、布越しに触れた大事な部分を感じて悲鳴が出そうになる。内股に違和感。感覚が麻痺して痛みはなく、卑猥な感覚が吐息を漏らす。
したい。
やりたい。
突っ込んで欲しい。
欲が身体が心が股が、女が乙女が本能が何かを欲した。目の前のその人のそのものを抉りつけて包み込んで犯されて犯して壊して壊れてただ抱かれたい。
思考が想いが目の前にある。
「あ、あれ?」
あたしの思考が許容量を超えた。何が起こったのか、トラウマで180度ずれていた感情の何かが、ぐるっと回って更に180度回ってしまったような、戻ったような感覚がした。
目の前の、清ちゃんがあたしを見て、下半身を猛らせていた。
「なんなんだよ、さっきから。欲情してんだったら誰か呼び出せばいいだろ。僕で遊ぶな!」
あたしの肩を掴んで身体を起こす清ちゃんだったが、いつもなら抵抗できるあたしの腕に力が入らない。
なぜか無抵抗で、清ちゃんの手を受け入れる。
清ちゃんは怒りながら、琴美の下から抜け出そうとする。
でも、動けない。ぐりと、股が擦れてしまう。
くにゅんと、擦れてしまった。
「あんっ……ぅぇ?」
知らず解らず、身体が跳ねた。清ちゃんのあれがあたしのあそこに服越しに触れたのがわかって、清ちゃんが目を見開いた。あたしも、甘い声を出した。
「ばっ! 早く退いてよ!」
清ちゃんが声を震わせ、いつもの口調であたしに言った。あたしは自然と、太ももに力を入れてそれを止める。清ちゃんが逃げようと、あたしから離れようとするのを、全力で止めた。だめ、きもち、いいのに。
逃げちゃ、だめ。やだ。
「あ」
「や、め」
ぐりと、清ちゃんが逃げる方向にあたしも動く。自然と清ちゃんとのあれが、あたしのあそこと擦れ合う。体が、欲する。
「琴美、ちょっとそれ、冗談じゃ」
「何で、逃げるの?」
視線が絡み合う。あたしが凝視して、清ちゃんが背ける。お互いの股を擦れ合わせ触れ合わせて、ぐりと蠢く硬いのが、あたしの筋を撫でる。ぐりと、敏感な部分が擦れて、気持ちいい。
「大きくして、おいて何で、逃げるの」
「それ以上は、ダメだって」
清ちゃんが呻く。あたしの身体を押しのけようとする、彼の腕に力が入っていない。本気じゃない。嫌がっていない。あたしの身体が、そう受け止める。
「それ、以上もする、の?」
きゅぅう。
身体が熱い。清ちゃんから目が離せない。
「おっきい、ね、清ちゃん?」
「な、あ、はな、せ」
清ちゃんが何事かを言ってくる。でも、よく聞こえない。
あたしの視界が急激に狭まり、清ちゃんしか見えなくなる。あたしの吐く息が、荒い。
しゅる。あたしのあそこと、清ちゃんのズボンの下が擦れ合う。あたしのあそこが濡れ始めている。いつもみたいに、あたしのあそこと、相手のえっちなところを擦り合う。
違うのは、相手が女の子か、男の子か。
どうでもいいと思った。目の前のそれが何だろうと、彼が気持ち良くて、あたしが気持ち良ければどうでもいいと思った。お互いの大事な部分を合わせ触れて、甘い声を上げた痛いという欲望が、理性を侵食していく。
「ぁっ」
声が漏れる。清ちゃんの頬が赤らんでいる。
気持ちいいのは、男も女も同じだった。
《続く》
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