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8章:学園に入学したらしい
120話:黒歴史が生まれた
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「・・・・・・・・・あれ、ここは・・・。」
目を覚ますと真っ白な天井と鼻にツンと薬品の匂いがした。
ここは、保健室??・・・そもそもなんでこんな所に・・・。
数秒考えてだんだん鮮明に思い出してきた。
「う、うわああああ!!ただただダサいことをしたよおおおお!!黒歴史だあああ!」
恥ずかしくなってガバッと勢いよく起き上がった。
起き上がったと同時に後頭部に鈍い痛みが走った。
「い、いったああ。・・・・・・あ、あれ?どうやって私保健室に・・・。」
後頭部を抑えながら周りを見渡しつつ考える。
倒れたあとからの記憶がないから先生とかが担架とかで運んでくれたりしたのかな?
だとしてもっ!これは過去いちの黒歴史だよおおお!!
好きな人の前で椅子ひっくり返して一緒に倒れて気絶するとかあああ!!
私は頭を抱えて顔を疼くめる。
コンコンコンッ
「失礼します。」
扉をノックした後に雪都様の声と扉が開く音がした。
私は姿勢を正して仕切りのカーテンの向こうで動く影をドキドキしながら見る。
近づいてくる足音がカーテンの前で止まり、仕切りのカーテンが開かれる。
雪都様の綺麗な薔薇色の瞳と目が合う。
日の光が雪都様に当たりより一層輝いて見える。
「璃杏様。目を覚まされたのですね。よかったです。」
ふわりと優しく微笑む雪都様。
「は、はいっ!!あ、あの、みっともないところをお見せしてごめんなさい。」
私は赤くなりながら頭を下げる。
「ふふっ。いえ、お気になさらないでください。あと、これを。」
笑いながら雪都様はコップを私に渡してきた。
私は恐る恐る受け取り中を覗く。
コップの中身はただの透明な水だった。
私は水を飲み喉を潤す。
「・・・・・・ありがとうございます。あ、あと、私を保健室まで運んでくださった先生って誰か分かりますか?」
コップを近くに置いてあった机に置き雪都様に聞く。
雪都様はきょとんとした顔をして、ニッコリ微笑んだ。
「璃杏様を保健室に運んだのは僕ですよ。」
そう、言った。
えっと・・・?ん?雪都様が私を、運んだあああああ!!!???
「え!?ご、ごご、ごめんなさいいいい!!重かったですよね!?いいえ!重かったはずですぅぅぅぅ!!!」
私はサアアーと青ざめながら雪都様に謝る。
「いえ。重くなんてありませでしたよ?むしろ軽いくらいでしたし。」
雪都様に嘘偽り無い瞳を向けられ逆に恥ずかしくなって視線を逸らして下を向く。
「そ、そうですか。運んでいただきありがとうございます。」
ちらりと雪都様を見上げてお礼を言う。
「どういたしまして・・・・・・あの、璃杏様。」
優しい声が聞こえた後にどこか緊張した声で名前を呼ばれて下げていた顔を雪都様の方へ向ける。
「・・・・・・この前言っていた話を聞いてくれますか?」
真剣な眼差しが私に向けられる。
この前言っていた話って・・・・・・もしかして、私が目を覚ました時に話そうとして結局また今度ってなったやつ、かな?
話してくれるんだ。
何だか嬉しい気持ち半分緊張半分の気分のまま私は雪都様の言葉に頷いた。
目を覚ますと真っ白な天井と鼻にツンと薬品の匂いがした。
ここは、保健室??・・・そもそもなんでこんな所に・・・。
数秒考えてだんだん鮮明に思い出してきた。
「う、うわああああ!!ただただダサいことをしたよおおおお!!黒歴史だあああ!」
恥ずかしくなってガバッと勢いよく起き上がった。
起き上がったと同時に後頭部に鈍い痛みが走った。
「い、いったああ。・・・・・・あ、あれ?どうやって私保健室に・・・。」
後頭部を抑えながら周りを見渡しつつ考える。
倒れたあとからの記憶がないから先生とかが担架とかで運んでくれたりしたのかな?
だとしてもっ!これは過去いちの黒歴史だよおおお!!
好きな人の前で椅子ひっくり返して一緒に倒れて気絶するとかあああ!!
私は頭を抱えて顔を疼くめる。
コンコンコンッ
「失礼します。」
扉をノックした後に雪都様の声と扉が開く音がした。
私は姿勢を正して仕切りのカーテンの向こうで動く影をドキドキしながら見る。
近づいてくる足音がカーテンの前で止まり、仕切りのカーテンが開かれる。
雪都様の綺麗な薔薇色の瞳と目が合う。
日の光が雪都様に当たりより一層輝いて見える。
「璃杏様。目を覚まされたのですね。よかったです。」
ふわりと優しく微笑む雪都様。
「は、はいっ!!あ、あの、みっともないところをお見せしてごめんなさい。」
私は赤くなりながら頭を下げる。
「ふふっ。いえ、お気になさらないでください。あと、これを。」
笑いながら雪都様はコップを私に渡してきた。
私は恐る恐る受け取り中を覗く。
コップの中身はただの透明な水だった。
私は水を飲み喉を潤す。
「・・・・・・ありがとうございます。あ、あと、私を保健室まで運んでくださった先生って誰か分かりますか?」
コップを近くに置いてあった机に置き雪都様に聞く。
雪都様はきょとんとした顔をして、ニッコリ微笑んだ。
「璃杏様を保健室に運んだのは僕ですよ。」
そう、言った。
えっと・・・?ん?雪都様が私を、運んだあああああ!!!???
「え!?ご、ごご、ごめんなさいいいい!!重かったですよね!?いいえ!重かったはずですぅぅぅぅ!!!」
私はサアアーと青ざめながら雪都様に謝る。
「いえ。重くなんてありませでしたよ?むしろ軽いくらいでしたし。」
雪都様に嘘偽り無い瞳を向けられ逆に恥ずかしくなって視線を逸らして下を向く。
「そ、そうですか。運んでいただきありがとうございます。」
ちらりと雪都様を見上げてお礼を言う。
「どういたしまして・・・・・・あの、璃杏様。」
優しい声が聞こえた後にどこか緊張した声で名前を呼ばれて下げていた顔を雪都様の方へ向ける。
「・・・・・・この前言っていた話を聞いてくれますか?」
真剣な眼差しが私に向けられる。
この前言っていた話って・・・・・・もしかして、私が目を覚ました時に話そうとして結局また今度ってなったやつ、かな?
話してくれるんだ。
何だか嬉しい気持ち半分緊張半分の気分のまま私は雪都様の言葉に頷いた。
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