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8章:学園に入学したらしい

85話:消えた雪都

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私は中庭から離れて職員室に行ったけれど、黒川先生は不在だった。

もしかしたら、ほかの所にいるのかもしれないと思い教室や色んなところを探し回った。

だけど、どこを探してもいなかった。

中庭に戻ると時間も経っていたため雪都様はいなかった。

でも、一瞬雪都様が座ってたところから何か嫌な感じがした気がした。

夕日が傾きかけていたので私は荷物を持って寮に帰った。

そして、部屋に戻り陽夏凛さんに着替えさせてもらった。

その後は、陽夏凛さんと話したり勉強したりといつも通りにすごした。

明日もまたいつも通りの日を過ごせる。

そんなふうに思って、違和感の残る気持ちを誤魔化した。

そして、そのまま眠りについた。

♔♕♖♗♘♙♚♛♜♝♞♟

バアアアアン!!!!!

「璃杏様!!!!大変ですわ!!!!!!」

登校する支度をしていると扉が勢いよく音を立てて開いた。

私と陽夏凛さんは驚いて固まっていた。

扉を開けたのは華美様だった。

もの凄く焦った顔をして涙をぼろぼろ流していた。

「!!!?ど、どぅぇ、ど、どどどうしたんですか!?華美様!?」

驚きすぎて変な言葉が出たけど何とか華美様に聞けた私。

華美様はそのまま私に抱きついて話してくれた。

「うっ・・・うう・・・雪都、が昨日の夕方から寮に帰ってないんですわ!!どこを、さがしても、いなくて、私・・・どうしたら、いいか・・・・・・いつもならちゃんと、帰ってきていたのに・・・どこに行ってしまったん、ですの?・・・う、ぅううう。」

肩に顔をうずくめて泣く華美様。

改めて華美様を見ると髪が少しボサボサになっていた。

私は華美様を抱きしめて言った。

「・・・・・・大丈夫です。・・・雪都様は見つかります。もう一度一緒探しましょう?」

私はゆっくり、華美様を落ち着けるように言った。

まさか、いなくなってしまうなんて。

昨日の違和感はそんなことを予想してたのかな?

「璃杏様・・・すみません!少し用事を思い出したので、抜けます!お気をつけて探しに行ってください。くれぐれも、奥の方へは来てはなりません。」

そう言うと陽夏凛さんは部屋を出ていった。

いつもは見せない焦った表情をしていた。

・・・・・・何か、危険なことが起こるかもしれない。

私はそう感じた。

でも、まずは、雪都様を探さないと!!!

私は華美様と一緒に雪都様を探すため寮を出た。

♔♕♖♗♘♙♚♛♜♝♞♟

陽夏凛は急いで学園にある小さな森の奥へ向かっていた。

そこにあるのは─────精霊界への扉。

「急がないと!!このままじゃ・・・・・・人が消えてしまう!!」

陽夏凛は焦った表情をして精霊界へと入っていった。

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