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7章:12歳になったらしい
70話:予想外な展開は突然に
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気の強そうな令嬢に声をかけられた後、誰もいないテラスへと私達は来た。
彼女の名前は塔城 舞璃花様。
公爵家とほぼ近い位にある侯爵家の令嬢だ。
外は暗く舞璃花様の水色のひとみは月光によって怪しく光り、金色の縦巻きロールが存在感を大きくする。
まさに、the悪役だ。
舞璃花様は腕を組み私を見下ろす。
ど、どうしよう。
緊張で心臓がバクバク鳴ってるよおおお!!
え、何言われるだろう??何かしたっけ?
か、考えろ・・・考えるんだ!!!
私はこの人に何したの!?過去の私何したの!?
「ねえ。なぜ貴女のような人が雪都様に近づくんですの?はっきり言って目障りですわ!」
1人混乱していると睨みつけながらそう言ってきた舞璃花様。
ま、まさかの・・・・・・恋愛系でしたかあああ!!!!何となくは予想してたけど!!
ど、どどど、どうすればいいの?これは、なんて返事をすればいいの??
あ、謝るとか?・・・うーん。なんか相手を煽ってる感じになっちゃうかな??
それはそれで大変なことになりそう・・・。
そもそも初対面相手に上手く喋れない!!
なかなか話さない私にしびれを切らしたのか舞璃花様はカツカツと靴で床を叩き始めた。
ひぇぇええ!!おこですか!?おこですよね!!
「なんとか言いなさいよ!!」
「はい!!縦ロールがお似合いだと思います!!!」
ギロっと睨みつけてくる舞璃花様。
私は背筋をピンッと伸ばし史上最高とも言える返事をした。
「ふふん ♪ 当たり前でしょ!私に似合う髪型にしたんだから~・・・って、そうじゃないわよ!」
初めは自慢げに話していたけれど、はっとした瞬間どこからか扇を出しビシッと私に突きつけて言った。
「私が聞きたいのは髪型の事じゃなくてなぜ!貴女が!雪都様とあんなに近くで親しげに話すことが出来るんですの!?」
くわっと目を開きそう言う舞璃花様。
「え、いや、そ、その。」
その迫力に気圧されながら私は1歩後ろに下がる。
「なんでですの?」
1歩下がったと同時に舞璃花様も1歩近づく。
「あの、だから、その、えっと~・・・。」
じーっと見つめてくる舞璃花様。
私は意を決して口を開く。
「と、とと、ととと、友達、だから、ですっ!」
噛んだり声震えちゃったけどなんとか言えた。
「友達・・・ですって?」
信じられないというような顔をする舞璃花様。
???な、なんでそんな顔をするんだ?
「本当に・・・友達なんですの?本当に??」
困惑した顔で見つめて聞いてくる舞璃花様。
私は疑問に思いつつ頷く。
「え、でも、親しそうにしていらしたし。それに・・・いえ。なんでもありませんわ。」
下を向きながら1人つぶやいていたと思ったら顔を上げてこちらを見つめる舞璃花様。
「友達・・・ですのね。目障りですけど、友達なら仕方ありませんわね!!近づくなという方が難しいですもの。それは許してあげますわ!!」
ドヤ顔をキメる舞璃花様。
「ほぉ・・・ありがとう、ございます?」
首をかしげつつお礼を言う。
お礼を言うものなのかはよく分からないけど・・・。
「まあ、その、そこでひとつ貴女に頼みたいことがあるのですがよろしいかしら?」
少し恥ずかしそうに言う舞璃花様。
・・・ふむ。もしかして雪都様への告白を手伝って欲しいとかかな?
告白の手伝いって言っても何をすればいいんだろう??
「わ、私と仲良くなってはくれませんか??」
恥ずかしそうに放った言葉はまさかのものだった。
その言葉に私は一瞬固まる。
え、何故?
えぇぇなんでー???
普通目障りな人と仲良くなろうなんて思うかな?
予想外すぎてびっくりした。
「なぜ、そんなに驚くんですの?」
不思議そうに聞いてくる舞璃花様。
「え、あ、いや・・。だって、その、普通目障りな人と仲良くなろうなんて思わないんじゃないかと思いまして・・・。」
素直に疑問に思ったことを言う。
「まあ、確かに普通は仲良くなろうなんて思わないわ。でも、貴女は私のライバルになるのだから仲良くならなくてはと思ったのよ!!それに、雪都様に少しでも近づく勇気にもなるかもしれないと思ったからですわ!!」
ドヤ顔をしながら言う舞璃花様。
ライバルとかはよく分からないけれど・・・舞璃花様は多分それだけ雪都様が好きなのかもしれない。
近づくのも緊張して近づけないのかもしれない。
「えっと、仲良くなってくれるのは嬉しいです!!ありがとうございます!そ、それと、舞璃花様が雪都様を思う真っ直ぐでいて一途なところ素敵だと思います。」
そう言って笑いかける。
「ありがとうございますわ。これからよろしくお願い致しますわ。それではまた。」
強気な印象を持ちつつ笑い掛けてくれた。
その後優雅に立ち去った舞璃花様。
私は見送りつつ息を吐く。
始めは何言われるか不安だったし、もしかしたら罵倒されてしまうんじゃないかと思ってたけど・・・あんな感じの人もいるんだな。
この社会結構恋愛とかいういざこざは面倒くさい世界だったりする。
今日は運良く仲良くなれただけ。
またこんな風になれる保証はないし、こんなことは滅多に起きない。
だからもっと強くなっていかなきゃな~。
うぅぅぅでも、人見知りとかは直せそうにないかも・・・。
そんな不安も抱きつつ空を見上げる。
月が綺麗に輝き星もところどころ輝いている。
少しだけ、元気を貰えた気がした。
彼女の名前は塔城 舞璃花様。
公爵家とほぼ近い位にある侯爵家の令嬢だ。
外は暗く舞璃花様の水色のひとみは月光によって怪しく光り、金色の縦巻きロールが存在感を大きくする。
まさに、the悪役だ。
舞璃花様は腕を組み私を見下ろす。
ど、どうしよう。
緊張で心臓がバクバク鳴ってるよおおお!!
え、何言われるだろう??何かしたっけ?
か、考えろ・・・考えるんだ!!!
私はこの人に何したの!?過去の私何したの!?
「ねえ。なぜ貴女のような人が雪都様に近づくんですの?はっきり言って目障りですわ!」
1人混乱していると睨みつけながらそう言ってきた舞璃花様。
ま、まさかの・・・・・・恋愛系でしたかあああ!!!!何となくは予想してたけど!!
ど、どどど、どうすればいいの?これは、なんて返事をすればいいの??
あ、謝るとか?・・・うーん。なんか相手を煽ってる感じになっちゃうかな??
それはそれで大変なことになりそう・・・。
そもそも初対面相手に上手く喋れない!!
なかなか話さない私にしびれを切らしたのか舞璃花様はカツカツと靴で床を叩き始めた。
ひぇぇええ!!おこですか!?おこですよね!!
「なんとか言いなさいよ!!」
「はい!!縦ロールがお似合いだと思います!!!」
ギロっと睨みつけてくる舞璃花様。
私は背筋をピンッと伸ばし史上最高とも言える返事をした。
「ふふん ♪ 当たり前でしょ!私に似合う髪型にしたんだから~・・・って、そうじゃないわよ!」
初めは自慢げに話していたけれど、はっとした瞬間どこからか扇を出しビシッと私に突きつけて言った。
「私が聞きたいのは髪型の事じゃなくてなぜ!貴女が!雪都様とあんなに近くで親しげに話すことが出来るんですの!?」
くわっと目を開きそう言う舞璃花様。
「え、いや、そ、その。」
その迫力に気圧されながら私は1歩後ろに下がる。
「なんでですの?」
1歩下がったと同時に舞璃花様も1歩近づく。
「あの、だから、その、えっと~・・・。」
じーっと見つめてくる舞璃花様。
私は意を決して口を開く。
「と、とと、ととと、友達、だから、ですっ!」
噛んだり声震えちゃったけどなんとか言えた。
「友達・・・ですって?」
信じられないというような顔をする舞璃花様。
???な、なんでそんな顔をするんだ?
「本当に・・・友達なんですの?本当に??」
困惑した顔で見つめて聞いてくる舞璃花様。
私は疑問に思いつつ頷く。
「え、でも、親しそうにしていらしたし。それに・・・いえ。なんでもありませんわ。」
下を向きながら1人つぶやいていたと思ったら顔を上げてこちらを見つめる舞璃花様。
「友達・・・ですのね。目障りですけど、友達なら仕方ありませんわね!!近づくなという方が難しいですもの。それは許してあげますわ!!」
ドヤ顔をキメる舞璃花様。
「ほぉ・・・ありがとう、ございます?」
首をかしげつつお礼を言う。
お礼を言うものなのかはよく分からないけど・・・。
「まあ、その、そこでひとつ貴女に頼みたいことがあるのですがよろしいかしら?」
少し恥ずかしそうに言う舞璃花様。
・・・ふむ。もしかして雪都様への告白を手伝って欲しいとかかな?
告白の手伝いって言っても何をすればいいんだろう??
「わ、私と仲良くなってはくれませんか??」
恥ずかしそうに放った言葉はまさかのものだった。
その言葉に私は一瞬固まる。
え、何故?
えぇぇなんでー???
普通目障りな人と仲良くなろうなんて思うかな?
予想外すぎてびっくりした。
「なぜ、そんなに驚くんですの?」
不思議そうに聞いてくる舞璃花様。
「え、あ、いや・・。だって、その、普通目障りな人と仲良くなろうなんて思わないんじゃないかと思いまして・・・。」
素直に疑問に思ったことを言う。
「まあ、確かに普通は仲良くなろうなんて思わないわ。でも、貴女は私のライバルになるのだから仲良くならなくてはと思ったのよ!!それに、雪都様に少しでも近づく勇気にもなるかもしれないと思ったからですわ!!」
ドヤ顔をしながら言う舞璃花様。
ライバルとかはよく分からないけれど・・・舞璃花様は多分それだけ雪都様が好きなのかもしれない。
近づくのも緊張して近づけないのかもしれない。
「えっと、仲良くなってくれるのは嬉しいです!!ありがとうございます!そ、それと、舞璃花様が雪都様を思う真っ直ぐでいて一途なところ素敵だと思います。」
そう言って笑いかける。
「ありがとうございますわ。これからよろしくお願い致しますわ。それではまた。」
強気な印象を持ちつつ笑い掛けてくれた。
その後優雅に立ち去った舞璃花様。
私は見送りつつ息を吐く。
始めは何言われるか不安だったし、もしかしたら罵倒されてしまうんじゃないかと思ってたけど・・・あんな感じの人もいるんだな。
この社会結構恋愛とかいういざこざは面倒くさい世界だったりする。
今日は運良く仲良くなれただけ。
またこんな風になれる保証はないし、こんなことは滅多に起きない。
だからもっと強くなっていかなきゃな~。
うぅぅぅでも、人見知りとかは直せそうにないかも・・・。
そんな不安も抱きつつ空を見上げる。
月が綺麗に輝き星もところどころ輝いている。
少しだけ、元気を貰えた気がした。
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