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20話:今日、勢いの大切さを知りました。
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《2日前》
現在の時刻は午前10時10分頃。
私は、いや、私とユリス団長は執務室に座るお父様、お母様、ラリアちゃんそしてノアくんと対峙していた。
すぅー。と隣にいるユリス団長が息を吸う。
私、ごくりと生唾を飲む。
「公爵様。エレミラ様。ラリア様。ノア。今回は集まって頂きありがとうございます。私はリティー様のプレゼンを聞いて、とても感激しました。
ですのでぜひ、騎士団の訓練に参加して頂きたいと考えています。もちろん、本格的な騎士の訓練に参加していただくわけにはいかないので、簡単に出来るものと、護身術を教えさせて頂きたいと考えています。」
真剣に話し出すユリス団長の隣で、私はひとり、真夏日並みに冷や汗を流していた。
あっれれ~?おっかしいぞぉ~?さっきまで訓練場に居たのに、なんでお父様の執務室にいるんだろ~???
この冴え渡る頭脳で解決して見せよ~う!!
チッ、チッ、チッ、チッ、チ───ン
私の名探偵な頭脳が導き出した答え・・・それは・・・無!!!!
・・・ひょょぉぉぉぉぉ、ど、どど、どうしよう!!!なにかが終わる音が響いたところからの記憶がないっっっ!!!!
どうしてお父様とお母様は真剣な顔でユリス団長の話を聞いているの?
どうしてノアくんはちょっと緊張した面持ちをしているの?
どうしてラリアちゃんはそんなに目を輝かせてこちらを見ているの?カワイイネッ!!!
どおおおしてえええええ!!?
「ぬぉぉお!!どういうこっちゃあああ!!」
ぶんぶん頭を振って記憶を引き出す!!うん!!なんにも出てこない!!!!
「ゼェゼェ・・・むしろいい汗かいたぜっ。」
汗をふきふきしてたら、誰かに肩をガシィィ掴まれた。
前方を見たらユリス団長が星超えて太陽並に目を輝かせていた。
そして、肩に置いた手の圧が・・・凄まじいっ!!
これはっ・・・・・・ニゲラレナァイ。
「さあ!!リティー様!!プレゼンを始めましょう!!!」
ユリス団長の かがやくえがお200まんボルト!
ドオオオオン!
こうかは ばつぐんだ!
「おっひょぉぉ・・・。」
やせいの リティーは たおれた。
ユリス団長の笑顔と言葉に、思考停止をして言葉が出てこなかった・・・やせいの リティー。
ぬおおおお!!記憶が無い原因のプレゼンをまさかの家族の前でやるってぇぇえ!!!
どおおしよおおおー!たすけて!青いたぬきいぃぃぃぃ!!!!
はっ!!!いつのまにか、ユリス団長も椅子を持ってきてノアくんの隣に座ってるしぃぃ!!
しかも、私の手にはノートがしっかり持たされていた・・・いつのまにっ!?床に落ちていたはずじゃ!?
・・・・・・ふっ・・・。
・・・・・・・・・・・・手汗が凄いし震える。
前方5人の視線も痛い・・・。
パラパラパラパラ
ページをめくってパタリと閉じる。
すぅー・・・っと息を吸い込み気持ちを1割程度落ち着かせる。
ふっ・・・ふふふふふ。肩が震えるぜっ。
はああああ・・・と息を吐いて、前を向く。
えええい!!!!こうなったら!!!やってやるわい!!!!
「さあ!!聞くがいい!私のプレゼンをぉぉおおお!!!!!」
バアアアン!!!!!
ノートを勢いよく開く!!
この勢いに乗っかって、口が動くままに喋る!!!!
そうして私は、忘れ去った『騎士団の訓練に加わりたいがためのプレゼンPart2』を行ったのである。
拝啓
穏やかな日差しが続いております。前世のご家族の皆様にはますますご清祥ことと存じます。
このたび私は忘れた時ほど勢いということの大切さを知りました。
そんな私は今日も元気に生きています。
それではお元気で。敬具
現在の時刻は午前10時10分頃。
私は、いや、私とユリス団長は執務室に座るお父様、お母様、ラリアちゃんそしてノアくんと対峙していた。
すぅー。と隣にいるユリス団長が息を吸う。
私、ごくりと生唾を飲む。
「公爵様。エレミラ様。ラリア様。ノア。今回は集まって頂きありがとうございます。私はリティー様のプレゼンを聞いて、とても感激しました。
ですのでぜひ、騎士団の訓練に参加して頂きたいと考えています。もちろん、本格的な騎士の訓練に参加していただくわけにはいかないので、簡単に出来るものと、護身術を教えさせて頂きたいと考えています。」
真剣に話し出すユリス団長の隣で、私はひとり、真夏日並みに冷や汗を流していた。
あっれれ~?おっかしいぞぉ~?さっきまで訓練場に居たのに、なんでお父様の執務室にいるんだろ~???
この冴え渡る頭脳で解決して見せよ~う!!
チッ、チッ、チッ、チッ、チ───ン
私の名探偵な頭脳が導き出した答え・・・それは・・・無!!!!
・・・ひょょぉぉぉぉぉ、ど、どど、どうしよう!!!なにかが終わる音が響いたところからの記憶がないっっっ!!!!
どうしてお父様とお母様は真剣な顔でユリス団長の話を聞いているの?
どうしてノアくんはちょっと緊張した面持ちをしているの?
どうしてラリアちゃんはそんなに目を輝かせてこちらを見ているの?カワイイネッ!!!
どおおおしてえええええ!!?
「ぬぉぉお!!どういうこっちゃあああ!!」
ぶんぶん頭を振って記憶を引き出す!!うん!!なんにも出てこない!!!!
「ゼェゼェ・・・むしろいい汗かいたぜっ。」
汗をふきふきしてたら、誰かに肩をガシィィ掴まれた。
前方を見たらユリス団長が星超えて太陽並に目を輝かせていた。
そして、肩に置いた手の圧が・・・凄まじいっ!!
これはっ・・・・・・ニゲラレナァイ。
「さあ!!リティー様!!プレゼンを始めましょう!!!」
ユリス団長の かがやくえがお200まんボルト!
ドオオオオン!
こうかは ばつぐんだ!
「おっひょぉぉ・・・。」
やせいの リティーは たおれた。
ユリス団長の笑顔と言葉に、思考停止をして言葉が出てこなかった・・・やせいの リティー。
ぬおおおお!!記憶が無い原因のプレゼンをまさかの家族の前でやるってぇぇえ!!!
どおおしよおおおー!たすけて!青いたぬきいぃぃぃぃ!!!!
はっ!!!いつのまにか、ユリス団長も椅子を持ってきてノアくんの隣に座ってるしぃぃ!!
しかも、私の手にはノートがしっかり持たされていた・・・いつのまにっ!?床に落ちていたはずじゃ!?
・・・・・・ふっ・・・。
・・・・・・・・・・・・手汗が凄いし震える。
前方5人の視線も痛い・・・。
パラパラパラパラ
ページをめくってパタリと閉じる。
すぅー・・・っと息を吸い込み気持ちを1割程度落ち着かせる。
ふっ・・・ふふふふふ。肩が震えるぜっ。
はああああ・・・と息を吐いて、前を向く。
えええい!!!!こうなったら!!!やってやるわい!!!!
「さあ!!聞くがいい!私のプレゼンをぉぉおおお!!!!!」
バアアアン!!!!!
ノートを勢いよく開く!!
この勢いに乗っかって、口が動くままに喋る!!!!
そうして私は、忘れ去った『騎士団の訓練に加わりたいがためのプレゼンPart2』を行ったのである。
拝啓
穏やかな日差しが続いております。前世のご家族の皆様にはますますご清祥ことと存じます。
このたび私は忘れた時ほど勢いということの大切さを知りました。
そんな私は今日も元気に生きています。
それではお元気で。敬具
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