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9.5話:記憶を失くした悪女 ④ 【ノアside】
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リティー・ラグリントは、エレミラ様から疑いの眼差しでもう一度本当かどうか聞かれていた。
「あ、はい!めっちゃ耳かっぽじって聞いてました!!!!」
数秒間の沈黙の後リティー・ラグリントは勢いよく答えた。
「聞いてなかったらしいので、もう一度エレミラ様からお話された方がよろしいかと思います。」
リティー・ラグリントの答えに、少しムカついたのでエレミラ様に告げ口をした。
そうしたら、リティー・ラグリントは絶望した顔で俺の方を振り向いた。
今までのラリア様に対しての報いだと思えばいいと思って鼻で笑った。
その後は、エレミラ様から起こした出来事とラグリント夫妻と俺とラリア様が、1人ずつリティー・ラグリントに言葉を向けた。
俺は今までラリア様にしてきたことがどうしても許せないでいる。
態度が変わっても今まで自分がしてきたことは変わらない。それを背負っていかなければいけない・・・暗殺で人を殺したという事実のように。
ラリア様は相変わらずだった。
リティー・ラグリントは俯いて掌を握りしめていたかと思ったら、ラリア様を真剣に見つめ出した。
なにかするのでは無いのかと警戒していたが、そんなことはなく、床にうつ伏せで蹲って両手を床に着けた見たことの無いポーズで、謝っていた。
これにはこの部屋にいたラグリント夫妻、ラリア様、俺は驚いた。
「ラリアちゃん!!!私、リティー・ラグリントとして、ラリアちゃんを今まで傷つけたこと・・・心から謝ります!!!本当にごめんなさい!!!!人としてやっちゃいけないこと、今までしてきて辛い思いさせて、ごめんなさい!!・・・き・・・嫌われても仕方ないことしてきたのに・・・た、大切に思っでぐれ"であ"り"がどう"!!!」
震えた泣いている声で、ラリア様にリティー・ラグリントは謝った。
そんな姿を見たラリア様も泣いていた。
ラグリント夫妻も泣いていた。
しかし、俺は、ただただ、この人は誰なのだろうと困惑した。
・・・・・・やっぱり納得ができない。
記憶を失くしただけで、あんな奇怪な言動を、そして、頑なに嫌っていたラリア様に対して謝ることが出来るのか疑問で仕方なかった。
もはや別人なのではないかと思えてならない。
「ラリアちゃんと、家族として、もっと仲良くなりたいと思ってます!!・・・でも・・・でも、私のしてきたことは、謝るだけじゃ許されないから・・・だから、だから・・・!!」
リティー・ラグリントの変わりようについて考えていると、リティー・ラグリントが素早く立ち上がってなにかを言おうとしていた。
そして、そのまま執務室の扉まで走り、思いっきり開け放った。
バアアン!
「私!!!!穢れを無くすために!滝行してきます!!!!!!!!」
そう叫んでリティー・ラグリントは執務室を去って行った。
「「「「えっ・・・。」」」」
執務室に残されたラグリント夫妻、ラリア様、俺はただ唖然とリティー・ラグリントが去って行った扉を見た。
俺はただただ疑問が残った。
・・・・・・・・・滝行ってなんだ?
そんなことを思っていると、ラグリント夫妻が慌てだしているのに気づいた。
「ど、どうしましょう!?アシェル様!リティーちゃんが出ていってしまったわ!」
エレミラ様は今にも泣き出しそうな顔でラグリント公爵に言う。
かく言うラグリント公爵も、自分の子供のこととあってとても青ざめている。
「ノア!リティーを追いかけなきゃ!!」
そう言ってラリア様は執務室を出て行こうとするのを腕掴んで止めた。
「追いかけるのはいいですが、あの速さだと、もう見えなくなっていると思うので、せめて、二手に分かれましょう。」
俺が提案を出すと、ラグリント夫妻も頷いて、子供だけでは対処出来ないこともあるかもしれないからと、ラリア様とエレミラ様、俺とラグリント公爵でリティー様を探すことになった。
そして、俺達は中庭に来たのだったが・・・。
「あの人は一体・・・何をしているんだ。」
俺が目にしたのは、噴水の湧き出て流れる水を頭から受けているリティー・ラグリントの姿だった。
「あ、はい!めっちゃ耳かっぽじって聞いてました!!!!」
数秒間の沈黙の後リティー・ラグリントは勢いよく答えた。
「聞いてなかったらしいので、もう一度エレミラ様からお話された方がよろしいかと思います。」
リティー・ラグリントの答えに、少しムカついたのでエレミラ様に告げ口をした。
そうしたら、リティー・ラグリントは絶望した顔で俺の方を振り向いた。
今までのラリア様に対しての報いだと思えばいいと思って鼻で笑った。
その後は、エレミラ様から起こした出来事とラグリント夫妻と俺とラリア様が、1人ずつリティー・ラグリントに言葉を向けた。
俺は今までラリア様にしてきたことがどうしても許せないでいる。
態度が変わっても今まで自分がしてきたことは変わらない。それを背負っていかなければいけない・・・暗殺で人を殺したという事実のように。
ラリア様は相変わらずだった。
リティー・ラグリントは俯いて掌を握りしめていたかと思ったら、ラリア様を真剣に見つめ出した。
なにかするのでは無いのかと警戒していたが、そんなことはなく、床にうつ伏せで蹲って両手を床に着けた見たことの無いポーズで、謝っていた。
これにはこの部屋にいたラグリント夫妻、ラリア様、俺は驚いた。
「ラリアちゃん!!!私、リティー・ラグリントとして、ラリアちゃんを今まで傷つけたこと・・・心から謝ります!!!本当にごめんなさい!!!!人としてやっちゃいけないこと、今までしてきて辛い思いさせて、ごめんなさい!!・・・き・・・嫌われても仕方ないことしてきたのに・・・た、大切に思っでぐれ"であ"り"がどう"!!!」
震えた泣いている声で、ラリア様にリティー・ラグリントは謝った。
そんな姿を見たラリア様も泣いていた。
ラグリント夫妻も泣いていた。
しかし、俺は、ただただ、この人は誰なのだろうと困惑した。
・・・・・・やっぱり納得ができない。
記憶を失くしただけで、あんな奇怪な言動を、そして、頑なに嫌っていたラリア様に対して謝ることが出来るのか疑問で仕方なかった。
もはや別人なのではないかと思えてならない。
「ラリアちゃんと、家族として、もっと仲良くなりたいと思ってます!!・・・でも・・・でも、私のしてきたことは、謝るだけじゃ許されないから・・・だから、だから・・・!!」
リティー・ラグリントの変わりようについて考えていると、リティー・ラグリントが素早く立ち上がってなにかを言おうとしていた。
そして、そのまま執務室の扉まで走り、思いっきり開け放った。
バアアン!
「私!!!!穢れを無くすために!滝行してきます!!!!!!!!」
そう叫んでリティー・ラグリントは執務室を去って行った。
「「「「えっ・・・。」」」」
執務室に残されたラグリント夫妻、ラリア様、俺はただ唖然とリティー・ラグリントが去って行った扉を見た。
俺はただただ疑問が残った。
・・・・・・・・・滝行ってなんだ?
そんなことを思っていると、ラグリント夫妻が慌てだしているのに気づいた。
「ど、どうしましょう!?アシェル様!リティーちゃんが出ていってしまったわ!」
エレミラ様は今にも泣き出しそうな顔でラグリント公爵に言う。
かく言うラグリント公爵も、自分の子供のこととあってとても青ざめている。
「ノア!リティーを追いかけなきゃ!!」
そう言ってラリア様は執務室を出て行こうとするのを腕掴んで止めた。
「追いかけるのはいいですが、あの速さだと、もう見えなくなっていると思うので、せめて、二手に分かれましょう。」
俺が提案を出すと、ラグリント夫妻も頷いて、子供だけでは対処出来ないこともあるかもしれないからと、ラリア様とエレミラ様、俺とラグリント公爵でリティー様を探すことになった。
そして、俺達は中庭に来たのだったが・・・。
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