16 / 33
9.5話:記憶を失くした悪女 ③【ノアside】
しおりを挟む
ラリア様に拾われて、この1年で気づいたことが3つあった。
1つ目、ラリア様が“家族” “姉妹”というものに執着していること。
2つ目、リティー・ラグリントのラリア様に対する態度と行動が日に日に悪化していること。
最後に、リティー・ラグリントに対して俺は酷く嫌悪感を抱いているということだった。
ラリア様に対しての数々の嫌がらせや、下手をしたら大怪我をさせるかもしれない行動をとるリティー・ラグリントを、俺はずっと悪女として見てきた。
しかし、高熱を出して寝込んだリティー・ラグリントのお見舞いに行くラリア様に、着いて部屋に行った時だった。
ラリア様がリティー・ラグリントが眠るベッドに近づこうと1歩を踏み出した瞬間、リティー・ラグリントは叫びながら飛び起きた。
その後の、リティー・ラグリントの様子は誰がどう見てもおかしい状況だった。
ラリア様に対して、嫌悪感を向けるどころかむしろどこか好意的だと思われる態度というか、視線というかを向けている。
そして、言動がいつものリティー・ラグリントとは違う。
というより、令嬢としての品が無くなっているようだった。
庶民・・・に近いような気がする。
それにしては、行動が奇怪すぎるが・・・。
何故床に頭をぶつけるんだ。
はっきり言ってドン引きだ。
頭がおかしい。
何故今までラリア様に対して酷いことをしてきたというのに、今更好意的な視線を向けるのか?
なにか、企んでいるのか?
俺はリティー・ラグリントに対してそんな疑った思考をした。
ラリア様があまりにも困っていたので、リティー・ラグリントの首根っこを掴んで止めさせたが、俺を見た瞬間倒れた。
睨んだ自覚はあったが、倒れるほどでは無い・・・と思う。
いや、それにしては幸せそうに気絶をしている。
俺はその後ルスターさんを呼びに行き、リティー・ラグリントはまた寝込んだ。
一応ルスターさんとラグリント夫妻には、リティー・ラグリントの様子がおかしかったことを話したが、あまり信じてはくれていないようだった。
当たり前だ。高熱を出したら性格が変わるなんて聞いたことがない。
きっと、熱に浮かされておかしな行動をとったんだろうと、俺はそう思うことにした。
しかし、リティー・ラグリントが寝込んでから4日経ち、ラリア様がお見舞いのためにリティー・ラグリントの部屋に行くのについて行った時だった。
部屋から何かを叫ぶような声が聞こえ、ラリア様がノックをしてから部屋の扉を開けた。
そこには、絨毯に寝転ぶリティー・ラグリントが居た。
あの人は・・・何をしてるんだ?
そんな疑問が頭を埋め尽くす。
リティー・ラグリントも俺達を見て、今まで見た事のない速さで立ち上がったあと、信じられないことを言った。
「だ、だだだ、大丈夫でございます!!いやーこの通り元気でございまして!?と、とと、ところでここはどこで私は誰なんでしょうかああ!?」
そう叫んでいた。リティー・ラグリントも困惑した様子だったが、俺とラリア様もその言葉に困惑した。
その後は、言動のおかしいリティー・ラグリントを連れてルスターさんの元へと歩いた。
ラリア様はルスターさんを呼びに行こうと言っていたが、今までの仕打ちもある。
だから歩かせようと言ったが、ラリア様を困らせてしまうだけで、多分俺がリティー・ラグリントにルスターさんの元へ行こうと言わなかったら、ラリア様が呼びに行っていたに違いない。
お人好しというかなんというか・・・。
ルスターさんの元へ連れていき、そこで重度の記憶喪失という結果が出た。
質問をする上で俺たちのことをルスターさんが聞いてきた時、分からないことを謝られたのは驚いた。
リティー・ラグリントの謝った姿は今まで見た事がなかったからだ。
その後はラグリント夫妻にリティー・ラグリントとラリア様と俺が執務室に呼び出され、リティー・ラグリントが高熱を出す前に起こした出来事を咎めていた。
しかし、当の本人は見ただけでも分かるくらいに意識だけをどこかに飛ばしてにやけていた。
・・・嘘だろ?・・・いや、もしかして、今までのは全部演技か?・・・・・・いや、咎められているのに、にやけているのはおかしい。
「リティーちゃん?聞いているの?」
「はっ!!はい!!もちろん!!聞いてます!!」
エレミラ様は困ったように、リティー・ラグリントに尋ねたが、それにリティー・ラグリントは背筋を伸ばして返事をした。
いや、どう考えても聞いてなかっただろ。
思わず、心の中で俺は指摘をした。
1つ目、ラリア様が“家族” “姉妹”というものに執着していること。
2つ目、リティー・ラグリントのラリア様に対する態度と行動が日に日に悪化していること。
最後に、リティー・ラグリントに対して俺は酷く嫌悪感を抱いているということだった。
ラリア様に対しての数々の嫌がらせや、下手をしたら大怪我をさせるかもしれない行動をとるリティー・ラグリントを、俺はずっと悪女として見てきた。
しかし、高熱を出して寝込んだリティー・ラグリントのお見舞いに行くラリア様に、着いて部屋に行った時だった。
ラリア様がリティー・ラグリントが眠るベッドに近づこうと1歩を踏み出した瞬間、リティー・ラグリントは叫びながら飛び起きた。
その後の、リティー・ラグリントの様子は誰がどう見てもおかしい状況だった。
ラリア様に対して、嫌悪感を向けるどころかむしろどこか好意的だと思われる態度というか、視線というかを向けている。
そして、言動がいつものリティー・ラグリントとは違う。
というより、令嬢としての品が無くなっているようだった。
庶民・・・に近いような気がする。
それにしては、行動が奇怪すぎるが・・・。
何故床に頭をぶつけるんだ。
はっきり言ってドン引きだ。
頭がおかしい。
何故今までラリア様に対して酷いことをしてきたというのに、今更好意的な視線を向けるのか?
なにか、企んでいるのか?
俺はリティー・ラグリントに対してそんな疑った思考をした。
ラリア様があまりにも困っていたので、リティー・ラグリントの首根っこを掴んで止めさせたが、俺を見た瞬間倒れた。
睨んだ自覚はあったが、倒れるほどでは無い・・・と思う。
いや、それにしては幸せそうに気絶をしている。
俺はその後ルスターさんを呼びに行き、リティー・ラグリントはまた寝込んだ。
一応ルスターさんとラグリント夫妻には、リティー・ラグリントの様子がおかしかったことを話したが、あまり信じてはくれていないようだった。
当たり前だ。高熱を出したら性格が変わるなんて聞いたことがない。
きっと、熱に浮かされておかしな行動をとったんだろうと、俺はそう思うことにした。
しかし、リティー・ラグリントが寝込んでから4日経ち、ラリア様がお見舞いのためにリティー・ラグリントの部屋に行くのについて行った時だった。
部屋から何かを叫ぶような声が聞こえ、ラリア様がノックをしてから部屋の扉を開けた。
そこには、絨毯に寝転ぶリティー・ラグリントが居た。
あの人は・・・何をしてるんだ?
そんな疑問が頭を埋め尽くす。
リティー・ラグリントも俺達を見て、今まで見た事のない速さで立ち上がったあと、信じられないことを言った。
「だ、だだだ、大丈夫でございます!!いやーこの通り元気でございまして!?と、とと、ところでここはどこで私は誰なんでしょうかああ!?」
そう叫んでいた。リティー・ラグリントも困惑した様子だったが、俺とラリア様もその言葉に困惑した。
その後は、言動のおかしいリティー・ラグリントを連れてルスターさんの元へと歩いた。
ラリア様はルスターさんを呼びに行こうと言っていたが、今までの仕打ちもある。
だから歩かせようと言ったが、ラリア様を困らせてしまうだけで、多分俺がリティー・ラグリントにルスターさんの元へ行こうと言わなかったら、ラリア様が呼びに行っていたに違いない。
お人好しというかなんというか・・・。
ルスターさんの元へ連れていき、そこで重度の記憶喪失という結果が出た。
質問をする上で俺たちのことをルスターさんが聞いてきた時、分からないことを謝られたのは驚いた。
リティー・ラグリントの謝った姿は今まで見た事がなかったからだ。
その後はラグリント夫妻にリティー・ラグリントとラリア様と俺が執務室に呼び出され、リティー・ラグリントが高熱を出す前に起こした出来事を咎めていた。
しかし、当の本人は見ただけでも分かるくらいに意識だけをどこかに飛ばしてにやけていた。
・・・嘘だろ?・・・いや、もしかして、今までのは全部演技か?・・・・・・いや、咎められているのに、にやけているのはおかしい。
「リティーちゃん?聞いているの?」
「はっ!!はい!!もちろん!!聞いてます!!」
エレミラ様は困ったように、リティー・ラグリントに尋ねたが、それにリティー・ラグリントは背筋を伸ばして返事をした。
いや、どう考えても聞いてなかっただろ。
思わず、心の中で俺は指摘をした。
0
お気に入りに追加
25
あなたにおすすめの小説

【完結】22皇太子妃として必要ありませんね。なら、もう、、。
華蓮
恋愛
皇太子妃として、3ヶ月が経ったある日、皇太子の部屋に呼ばれて行くと隣には、女の人が、座っていた。
嫌な予感がした、、、、
皇太子妃の運命は、どうなるのでしょう?
指導係、教育係編Part1
【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。
氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。
私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。
「でも、白い結婚だったのよね……」
奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。
全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。
一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。
断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?
こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。
「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」
そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。
【毒を検知しました】
「え?」
私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。
※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです

ある王国の王室の物語
朝山みどり
恋愛
平和が続くある王国の一室で婚約者破棄を宣言された少女がいた。カップを持ったまま下を向いて無言の彼女を国王夫妻、侯爵夫妻、王太子、異母妹がじっと見つめた。
顔をあげた彼女はカップを皿に置くと、レモンパイに手を伸ばすと皿に取った。
それから
「承知しました」とだけ言った。
ゆっくりレモンパイを食べるとお茶のおかわりを注ぐように侍女に合図をした。
それからバウンドケーキに手を伸ばした。
カクヨムで公開したものに手を入れたものです。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢
岡暁舟
恋愛
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢マリアは、それでも婚約者を憎むことはなかった。なぜか?
「すまない、マリア。ソフィアを正式な妻として迎え入れることにしたんだ」
「どうぞどうぞ。私は何も気にしませんから……」
マリアは妹のソフィアを祝福した。だが当然、不気味な未来の陰が少しずつ歩み寄っていた。

第一王子は私(醜女姫)と婚姻解消したいらしい
麻竹
恋愛
第一王子は病に倒れた父王の命令で、隣国の第一王女と結婚させられることになっていた。
しかし第一王子には、幼馴染で将来を誓い合った恋人である侯爵令嬢がいた。
しかし父親である国王は、王子に「侯爵令嬢と、どうしても結婚したければ側妃にしろ」と突っぱねられてしまう。
第一王子は渋々この婚姻を承諾するのだが……しかし隣国から来た王女は、そんな王子の決断を後悔させるほどの人物だった。
ヒロイン不在だから悪役令嬢からお飾りの王妃になるのを決めたのに、誓いの場で登場とか聞いてないのですが!?
あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
ヒロインがいない。
もう一度言おう。ヒロインがいない!!
乙女ゲーム《夢見と夜明け前の乙女》のヒロインのキャロル・ガードナーがいないのだ。その結果、王太子ブルーノ・フロレンス・フォード・ゴルウィンとの婚約は継続され、今日私は彼の婚約者から妻になるはずが……。まさかの式の最中に突撃。
※ざまぁ展開あり
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる