悪役令嬢によるヒロイン幸せ計画!

海亜

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9話:やっていい事と悪いことはしっかり判断しなきゃね!

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私は今、とてつもない最悪の気分を味わっている。

なぜか、それは、私──リティー・ラグリントの行った行為が予想を超えていたから。

あまりにも酷かった。

お母様は言った。

───令嬢として、人間としてやってはいけないことをしたわ。人も傷つけ、食材や食器も傷つけたの。どれもに命が宿っているのだから、そんなことは決してしてはいけないわ。

お父様は言った。

───リティーのしたことは身体だけを傷つけるだけじゃないよ。心まで深く傷つけたんだ。もう、絶対にそんなことをしてはいけないよ。

ノアくんは言った。

───あの時だけじゃなく、あなたのラリア様に対してしてきた今までの行為に俺は、はっきり言ってあなたを軽蔑しています。

ラリアちゃんは言った。

───リティーが私にしてきたことは、確かに辛いこともあったけれど、私はリティーと本当の家族になりたかったから。私を嫌うのも無理ないわ。でも、これだけは言わせて。私はリティーが心から大切なの。

天使は天使だった。


とにかく!嫉妬して、憎むことだって生きていればそりゃもちろんある。

とはいえやっていい事と悪いことくらいある。

そんなの、私にだってわかる!

リティーのしたことはどれも悪い事。

そして、私は私であると同時にリティー・ラグリントとしても存在している。

私がすることは、まずラリアちゃんに謝ること。

私はラリアちゃんと向き合って、真剣に見つめる。

ラリアちゃんも緊張した面持ちで私を見つめる。

そして、私は・・・・・・・・・・・・その場に思いっきり土下座をした。

「「「「えっ!?」」」」

その場にいた4人の驚いた声が聞こえたけど、そんなことはどうだっていい!!

「ラリアちゃん!!!私、リティー・ラグリントとして、ラリアちゃんを今まで傷つけたこと・・・心から謝ります!!!本当にごめんなさい!!!!人としてやっちゃいけないこと、今までしてきて辛い思いさせて、ごめんなさい!!・・・き・・・嫌われても仕方ないことしてきたのに・・・た、大切に思っでぐれ"であ"り"がどう"!!!」

ラリアちゃんにしてきたことを考えて、どんな気持ちにさせちゃってきたのか、天使が天使すぎて涙が出てきた。

私の涙で湖が作れるくらいに。

・・・湖出来たら懺悔の湖と名付けたい。

土下座をしながら、皆が、ラリアちゃんがどんな顔をしてるのか不安で顔を上げられない。

涙も止まらない。垂れてくる鼻を啜っていると、私の両肩に誰かが触れた。

思わず顔を上げると、美しい涙を流したラリアちゃんがいた・・・。

・・・・・・・・・・・・えっ、天使超えて女神になった?

眩しすぎるっ!!でも!だめ!!ここで目を閉じちゃ!!私の罰いや、これは誰がどう考えてもご褒美だ!!いいのか!?酷いことしたのにいいのか!?ご褒美貰っちゃっていいのか!?いや!!!よくなあああい!!!!

混乱混乱大混乱を起こしていたら、ラリアちゃんに抱きしめられた。

「ふぁっ・・・!!」

「リティー・・・いいの。私は大丈夫。謝ってくれてありがとうリティー。あなたに、ありがとうって言われて、私、すごく嬉しいの。大好きよ。リティー。」

ボンッ!!!

私の全ての体温があるところが限界の熱量を超えて、爆発した・・・音がした。

て、てててててててて、天使に、天使にっ、ありがとうって、だ、大好きって言われたああああ!!!!

「これからも、家族として、仲良くしてくれると嬉しいわ。リティー。」

私を離して、にっこり天使の微笑みを浮かべるラリアちゃん。

直にくらう私。

「・・・リティー?」

私はぐるぐるする頭を何とか1割くらい落ち着かせる。

自分の手をぎゅっと握りしめて、ラリアちゃんを見つめる。

「ラリアちゃんと、家族として、もっと仲良くなりたいと思ってます!!・・・でも・・・でも、私のしてきたことは、謝るだけじゃ許されないから・・・だから、だから・・・!!」

私はばっと俊敏に立ち上がって、ドアに向かって走る!

バアアン!

ドアを開けて去り際に叫んだ。

「私!!!!穢れを無くすために!滝行してきます!!!!!!!!」

ダッ!!

リティー・ラグリント、まだ見ぬ滝を求めて走り出す。

「「「「えっ・・・。」」」」

部屋に唖然とした家族と従者を残して・・・。
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