7 / 33
3.5話:おかしなリティー ③【ラリアside】
しおりを挟む
それから20分くらいした頃。
ルスターさんがリティーのことについて報告してくださった。
「リティー様は、酷い高熱で今はラリア様も近づかない方がいいですよ。せめて明後日までは様子見といったところですね。」
「そう、ですか。」
リティーが心配だったけれど、ノアやお父様とお母様、それに屋敷の人達に迷惑はかけられないから、リティーの部屋に行くのは我慢した。
─── それから3日後。
ルスターさんからリティーの容態が安定したから部屋に行ってもいいと許可を貰った。
だから、今はノアと一緒にリティーの部屋に向かっている。
「ラリア様。絶対にリティー様が起きても近づいたらダメですよ?」
リティーの部屋に行くと決まった時からノアはそう口酸っぱく注意をする。
「もう!ノア。わかったから、それ以上は言わないでね!」
思わずほっぺたを膨らませてノアに怒った。
「・・・わかりました。」
不服そうにしているノアを苦笑いしながら見ていると、リティーの部屋の扉が見えてきた。
扉の前に来た私は、静かにノックをして扉を開ける。
「リティー。部屋に入るわね。」
そう声をかけて、リティーの部屋に入る。
ベッドにはリティーがぐっすりと眠っている。
その頬は熱で赤くなっていた。
少し苦しそう。
そう思ってリティーに近づこうとした時だった。
「ぎゃあああああああああ!!!!遅刻だあああああああああああぁぁぁ!!!!!!」
「きゃあああ!」
リティーが叫んだかと思ったら、そのまま飛び起きてベッドから降り、どこかへ走ろうとしたリティーはその場にへたり込んでしまった。
数秒唖然としていたリティーは、自分の手を見つめた途端、震え出した。
心配になって声をかけたあと、ノアの制止の声も無視してリティーに近づいた。
リティーは私の顔を見るとそのまま驚いた顔をして固まってしまった。
やっぱり、私には会いたくなかったのかもしれない。
だけど、リティーが心配で目線を合わせるようにしゃがみ込んだ。
よくよく見てみるとリティーの顔がさっきよりも赤くなっている気がする。
これは大変っ!と思って熱を測るためおでこを合わせると、案の定リティーの顔がとても熱かった。
リティーに立てるか聞いても返事はなくて、どうしたのかと聞いてみた。
そうしたら明るくとても大きな声で「はいっ!!!!!元気です!!!!!」と返事をしてくれた。
あまりに大きな声だったから、驚いて黙ってしまった。
ノアの方を見ると、ノアも驚いて固まっている。
今までのリティーでは考えられない明るい声と言葉にその場はとても静かになった。
何秒かたった時、リティーはまた叫び出した。
「どびぃやああああああ!!!ごめんなさいいいい!!!静寂よぉぉおおお!!!おさまれええええええええええええ!!!!」
ゴンゴンゴンゴン!!
そして、何故か床に頭をぶつけ出した。
訳が分からず、リティーに必死に頭をぶつけることを辞めるように言っても、リティーは止まってくれない。
ノアに必死にお願いをした後、嫌々ながらもノアが助けてくれたので、頭をぶつけることは収まったけれど、ノアを見た瞬間リティーが倒れてしまった。
リティーを見つめて私たちは数秒ほど唖然とした。
先に正気に戻ったノアは、ルスターさんを呼びに行くため部屋を出ていき、私はリティーの頭から流れている血を止めるためにハンカチで頭を押えた。
私はどこか幸せそうに眠るリティーを見ながら思った。
・・・・・・・・・リティーがおかしくなってしまった。
数分後にルスターさんが慌てた様子でリティーの部屋に来て、リティーの頭の怪我やまた上がってしまった熱を見て困惑をしていた。
ルスターさんがリティーのことについて報告してくださった。
「リティー様は、酷い高熱で今はラリア様も近づかない方がいいですよ。せめて明後日までは様子見といったところですね。」
「そう、ですか。」
リティーが心配だったけれど、ノアやお父様とお母様、それに屋敷の人達に迷惑はかけられないから、リティーの部屋に行くのは我慢した。
─── それから3日後。
ルスターさんからリティーの容態が安定したから部屋に行ってもいいと許可を貰った。
だから、今はノアと一緒にリティーの部屋に向かっている。
「ラリア様。絶対にリティー様が起きても近づいたらダメですよ?」
リティーの部屋に行くと決まった時からノアはそう口酸っぱく注意をする。
「もう!ノア。わかったから、それ以上は言わないでね!」
思わずほっぺたを膨らませてノアに怒った。
「・・・わかりました。」
不服そうにしているノアを苦笑いしながら見ていると、リティーの部屋の扉が見えてきた。
扉の前に来た私は、静かにノックをして扉を開ける。
「リティー。部屋に入るわね。」
そう声をかけて、リティーの部屋に入る。
ベッドにはリティーがぐっすりと眠っている。
その頬は熱で赤くなっていた。
少し苦しそう。
そう思ってリティーに近づこうとした時だった。
「ぎゃあああああああああ!!!!遅刻だあああああああああああぁぁぁ!!!!!!」
「きゃあああ!」
リティーが叫んだかと思ったら、そのまま飛び起きてベッドから降り、どこかへ走ろうとしたリティーはその場にへたり込んでしまった。
数秒唖然としていたリティーは、自分の手を見つめた途端、震え出した。
心配になって声をかけたあと、ノアの制止の声も無視してリティーに近づいた。
リティーは私の顔を見るとそのまま驚いた顔をして固まってしまった。
やっぱり、私には会いたくなかったのかもしれない。
だけど、リティーが心配で目線を合わせるようにしゃがみ込んだ。
よくよく見てみるとリティーの顔がさっきよりも赤くなっている気がする。
これは大変っ!と思って熱を測るためおでこを合わせると、案の定リティーの顔がとても熱かった。
リティーに立てるか聞いても返事はなくて、どうしたのかと聞いてみた。
そうしたら明るくとても大きな声で「はいっ!!!!!元気です!!!!!」と返事をしてくれた。
あまりに大きな声だったから、驚いて黙ってしまった。
ノアの方を見ると、ノアも驚いて固まっている。
今までのリティーでは考えられない明るい声と言葉にその場はとても静かになった。
何秒かたった時、リティーはまた叫び出した。
「どびぃやああああああ!!!ごめんなさいいいい!!!静寂よぉぉおおお!!!おさまれええええええええええええ!!!!」
ゴンゴンゴンゴン!!
そして、何故か床に頭をぶつけ出した。
訳が分からず、リティーに必死に頭をぶつけることを辞めるように言っても、リティーは止まってくれない。
ノアに必死にお願いをした後、嫌々ながらもノアが助けてくれたので、頭をぶつけることは収まったけれど、ノアを見た瞬間リティーが倒れてしまった。
リティーを見つめて私たちは数秒ほど唖然とした。
先に正気に戻ったノアは、ルスターさんを呼びに行くため部屋を出ていき、私はリティーの頭から流れている血を止めるためにハンカチで頭を押えた。
私はどこか幸せそうに眠るリティーを見ながら思った。
・・・・・・・・・リティーがおかしくなってしまった。
数分後にルスターさんが慌てた様子でリティーの部屋に来て、リティーの頭の怪我やまた上がってしまった熱を見て困惑をしていた。
1
お気に入りに追加
25
あなたにおすすめの小説

えっ、これってバッドエンドですか!?
黄昏くれの
恋愛
ここはプラッツェン王立学園。
卒業パーティというめでたい日に突然王子による婚約破棄が宣言される。
あれ、なんだかこれ見覚えがあるような。もしかしてオレ、乙女ゲームの攻略対象の一人になってる!?
しかし悪役令嬢も後ろで庇われている少女もなんだが様子がおかしくて・・・?
よくある転生、婚約破棄モノ、単発です。

悪役令嬢に転生したら溺愛された。(なぜだろうか)
どくりんご
恋愛
公爵令嬢ソフィア・スイートには前世の記憶がある。
ある日この世界が乙女ゲームの世界ということに気づく。しかも自分が悪役令嬢!?
悪役令嬢みたいな結末は嫌だ……って、え!?
王子様は何故か溺愛!?なんかのバグ!?恥ずかしい台詞をペラペラと言うのはやめてください!推しにそんなことを言われると照れちゃいます!
でも、シナリオは変えられるみたいだから王子様と幸せになります!
強い悪役令嬢がさらに強い王子様や家族に溺愛されるお話。
HOT1/10 1位ありがとうございます!(*´∇`*)
恋愛24h1/10 4位ありがとうございます!(*´∇`*)

深窓の悪役令嬢~死にたくないので仮病を使って逃げ切ります~
白金ひよこ
恋愛
熱で魘された私が夢で見たのは前世の記憶。そこで思い出した。私がトワール侯爵家の令嬢として生まれる前は平凡なOLだったことを。そして気づいた。この世界が乙女ゲームの世界で、私がそのゲームの悪役令嬢であることを!
しかもシンディ・トワールはどのルートであっても死ぬ運命! そんなのあんまりだ! もうこうなったらこのまま病弱になって学校も行けないような深窓の令嬢になるしかない!
物語の全てを放棄し逃げ切ることだけに全力を注いだ、悪役令嬢の全力逃走ストーリー! え? シナリオ? そんなの知ったこっちゃありませんけど?

婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?
こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。
「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」
そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。
【毒を検知しました】
「え?」
私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。
※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

乙女ゲームに転生したらしい私の人生は全くの無関係な筈なのに何故か無自覚に巻き込まれる運命らしい〜乙ゲーやった事ないんですが大丈夫でしょうか〜
ひろのひまり
恋愛
生まれ変わったらそこは異世界だった。
沢山の魔力に助けられ生まれてこれた主人公リリィ。彼女がこれから生きる世界は所謂乙女ゲームと呼ばれるファンタジーな世界である。
だが、彼女はそんな情報を知るよしもなく、ただ普通に過ごしているだけだった。が、何故か無関係なはずなのに乙女ゲーム関係者達、攻略対象者、悪役令嬢等を無自覚に誑かせて関わってしまうというお話です。
モブなのに魔法チート。
転生者なのにモブのド素人。
ゲームの始まりまでに時間がかかると思います。
異世界転生書いてみたくて書いてみました。
投稿はゆっくりになると思います。
本当のタイトルは
乙女ゲームに転生したらしい私の人生は全くの無関係な筈なのに何故か無自覚に巻き込まれる運命らしい〜乙女ゲーやった事ないんですが大丈夫でしょうか?〜
文字数オーバーで少しだけ変えています。
なろう様、ツギクル様にも掲載しています。
公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~
朱色の谷
恋愛
公爵家の末娘として生まれた幼いティアナ。
お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。
お父様やお兄様は私に関心がないみたい。
ただ、愛されたいと願った。
そんな中、夢の中の本を読むと自分の正体が明らかに。
【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。
氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。
私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。
「でも、白い結婚だったのよね……」
奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。
全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。
一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。
断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる